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機動6課副部隊長の憂鬱な日々

作者:hyuki
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番外編
番外編3:地上本部攻防戦
  第3話


フォワード陣やギンガもリインからの通信を聞いていたようで,
なのはとフェイトのもとに集まってくる。

「リイン。敵の数は?」

なのはの問いかけに対して,リインからはすぐに応答が返ってくる。

『現時点で把握できている限りですが,飛行型は20以上です。
 地上型は,1型が40程度,3型が10ないし20。現在も反応増大中です!
 
「了解。私もすぐに上がるから少し待っててね」

『はい!』

リインの返答を聞いたなのはは,フェイトやフォワード達の方に向き直る。

「みんな!リインからの通信は聞いてたよね?飛行型には私とフェイト隊長で
 対処します。みんなは,地上のガジェットをせん滅。いいね?」

「「「「「はい!」」」」」

揃った返事をしたフォワード4人とギンガになのはは笑顔をを見せる。

「うん!いい返事だよ。じゃあ・・・」

『なのはさん!地上本部地下のサーチャーに反応!過去の戦闘における
 戦闘機人の反応と酷似。数は1です!』
 
「了解!」

リインからの通信に返事をすると,なのはは苦笑する。

「予定変更だね。スターズの2人とギンガは地下の戦闘機人を捕捉。
 ライトニングの2人は地上のガジェットに対処。いいかな?」
 
「「「「「了解!」」」」」

「うん。じゃあ散開!」

なのはの言葉でスターズ+ギンガは地上本部の建物の方へ向かって走り出した。
ライトニングの2人はその場にいたが,すぐにデバイスをセットアップし
キャロはフリードを大型化させていた。

「キャロ!エリオ!無理はダメだよ。空の敵を片づけたら私となのはも
 すぐに援護に行くから,それまでガジェットを地上本部に入れなければ
 いいんだからね!」
 
フェイトがそう言うと,エリオとキャロはフェイトに向かって笑って見せた。

「判ってます!お2人が来るまで何とか時間を稼ぎます!」

「それより,フェイトさんもなのはさんも早く上がってください!
 リイン曹長が首を長くして待ってると思いますから!」

2人はそう言うとフリードに乗り,ガジェットの近づいてくる方向に向かった。
置いて行かれた形のフェイトになのはは笑顔を見せる。

「あの子たちもずいぶん頼もしくなったね」

「うん・・・」

なのはの言葉にフェイトは短く返事をすると,表情を管理局員のものに戻す。

「・・・行こうか!」

「うん!」

そう言ってなのはとフェイトはお互いに頷きあうと,リインの待つ
上空へと上がっていく。
2人がリインのところに辿りつくと,ガジェットが肉眼で確認できる距離に
近づいていた。

「リイン!待たせてごめん!」

「いえ!間に合ってよかったです!」

「早速だけどどうしようか・・・」

フェイトの言葉になのはは少し目を閉じると,すぐに目を開けた。

「私はリインもいるからあまり接近戦はできないよ。だから,フェイトちゃんが
 前に出てくれる?私は後方から援護射撃する」

「了解!じゃあ,よろしくね!」

フェイトはそう言うと,ハーケンフォームのバルディッシュを構え,
接近するガジェットの群れに突っ込んでいく。

「リイン。はやてちゃんには連絡した?」

「はいです。はやてちゃんもギンガさんと合流してデバイスを受け取ってから
 こっちに来るそうです」
 
「判った。あと,敵の数は?増えてるよね」

「飛行型は50ぐらいまで増えました。地上は1型40,2型は20です」

「じゃあ,地上はライトニングの2人だけで支えるのはちょっとつらいね。
 空をサッサと片づけて援護に行かなきゃ。リイン!もっとも効果的な
 砲撃の方向は?」

なのはがそう聞くと,リインは敵の分布を確認する。

「南東方向に敵が密集した一団がいます。まずはそれを狙いましょう!」

「了解!」

なのははリインに向かって小さくそう言うと,リインの指定した方向に向かって
レイジングハートを構え砲撃を放つ。
ピンク色の光が密集した飛行型ガジェットの一団を貫く。

「御見事です・・・って,アンノウン?」

「どうしたの,リイン?」

なのはが聞くとリインは難しい顔をして答える。

「ガジェットがいる高度よりもかなり高いところを地上本部に向かって
 高速で飛行するものがいるんですけど,戦闘機人とも違うし・・・」

「映像は?」

「ちょっとまってくださいね・・・」

リインはそう言うと,すぐに映像を引き出した。
茶色っぽいコートのようなものを着た魔導師が高速で飛んでいるのが見えた。

「これって・・・。もっと拡大できない?」

「はい・・・これが限界です」

拡大された映像を見ると,なのはは慌ててフェイトに通信を送る。

「フェイトちゃん!ゼスト・グランガイツが地上本部に向かって高速で
 移動中!すぐに抑えて!」

なのはがそう叫ぶと,しばらくしてフェイトから通信が入る。

『ゼスト・グランガイツ!?どこ!?』

「リイン!バルディッシュにゼストの位置を送信して!」

「はいです!」

フェイトからの通信を受けてなのははリインに指示を出す。
リインは即座に反応して,手早くゼストの位置情報を送信する。

「今,リインにゼストの位置を送ってもらったから,すぐに行って!
 空のガジェットは私が落とすから」
 
『了解!気をつけてね,なのは』

「うん!フェイトちゃんも!」

フェイトがゼストの方に向かうのを見送ると,なのはは更に表情を引き締める。

「さてと。じゃあどんどん行こうか,リイン!」

「はいです!」

なのはがリインに向かってそう言うと,リインはなのはに笑顔を向ける。
同時に,砲撃方向の指示を映像でなのはに伝える。
なのはがリインの指示に従って砲撃を放つと,10機以上のガジェットが
桃色の奔流に飲み込まれ,消滅した。
それを何度か繰り返し,半数以上のガジェットを撃墜したところで,
リインが声を上げた。

「なのはさん,増援です!数は・・・50以上!?」

同時に,地上で戦っているキャロから通信が入った。

『ライトニング04です!これ以上は支えきれません!増援をお願いします!』

2つの情報の間でなのはの心は揺れる。

(キャロたちが抜かれたら地上本部が危ない・・・。でも,空には
 増援のガジェットも来てるし・・・)

その時,子供のころから聞きなれた声がなのはの耳に届いた。

『なのはちゃんは,ライトニングの2人のところに行ったって!
 空の敵は私とリインでせん滅する!』

「はやてちゃん!うん,じゃあ後は頼むね!」

「任せとき!」

いつの間にかすぐ後ろに居たはやてから通信を経由せずに声が届いた。
なのはははやてを一瞥すると,地上で苦戦しているであろう2人の元へ急いだ。

「さてと,リイン。ユニゾンで一気に決めるよ!」

「はいです!」

はやての声にリインは笑顔で答えた。

「「ユニゾン・イン!」」

 
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