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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第6話 符術師への道

 
前書き
長い説明回になります。 

 
 さて、義妹(すずかよりもオレのが1つ年上だ)と一緒に幼稚園に通う日々、ネギ兄さんはどうお過ごしでしょうか。
 オレがいなくなるということはありましたが、きっと原作通り魔法の勉強に取り憑かれて、ネカネさんやアーニャさんに迷惑をかけているでしょう。
 あまり無理をしないで下さいね。



 なんて意味のないモノローグを語ってみたり。



 人前で身体能力的に全力を出せないことがわかり、すずかが落胆したこともあったけど、オレ達は日々平穏健やかに過ごしている。

 あるいは「とらは」的なイベントがあったり無かったりしたかもしれないけれど、すずかともども関わっていない。
 忍義姉さんが、本気で隠したらきっとオレでは気づけないだろう。



 で、ある日の夕方すずかと散歩していたら、公園のブランコで1人泣いている女の子を見かけた。

「ひっく、ひっく」

「どうしたんだい?」

 突然の言葉に彼女が驚いて顔をあげると、彼女を見つめる少年がいた。

「おとうさんが、けがしちゃったなの。それでおかあさんとおねえちゃんはいそがしくって、おにいちゃんはどうじょうでひとりでいるし………。なのははね、ひとりぼっちなの。なのははいらないこなの………」

「そんなことない! みんななのはちゃんのことは大好きさ!! きっとお父さんだって直ぐ良くなるさ!」

 そう言って、なのはの頭を撫でて慰める銀髪オッドアイの男の子がいた。





 どうやら、また1人転生者とエンカウントしたようだ!





 え?

 男の子がオレじゃないのかって?

 違うよー。

 たまたま見かけただけで声もかけずに離れたよー。

 からまれたらメンドイし。

 そもそも初対面の女の子の頭を撫でるなんてとてもできません。




  ☆  ★  ☆  





 月日が経つのは早いモノで念能力も少しはカタチになってきたかなと思う頃には、6歳になっていた。来年は小学生だ。

 なお、小学校は公立校ですずかとは別の小学校になるだろう。
 これにはもちろん理由があって、6歳になったタイミングでオレが週三の通いで修行を始めたからだ。
 修業先は隣県にある「熱田神宮」であり、小学校に通い出しても、度々休むことを前提にしているので、休みやすい地元の公立小学校に通うことにしたのだ。



 ちなみに熱田神宮は月村家と同様に中部魔術協会に所属している。というか、本部だったりする。そういった縁もあり修業先として紹介されたんだが。中部魔術協会に所属しているのは他には津島神社、豊川稲荷などもあげられる。

 熱田神宮は三種の神器の一つ草薙剣(くさなぎのつるぎ)を祀っており、剣技の修練も盛んで、思いがけずそちらの修行もすることなった。
 ちなみに「神鳴流」だ。
 まぁ、まだ6歳なので体力をつけることと体幹を鍛えること、そして気を制御することが目的だが。

 で、一通り適性を調べると、符術に適性があった。
 というか、魔力を体から離す「念」でいう放出系の適性が低かったので、「符」といういわゆる魔法のお札を作り、使うほうが向いていた。

 こうして、符術を近坂先生、神鳴流の剣技や気について赤木師匠について学ぶことになった。



 で、「念」の修行もちょうど良い頃合いということで、6歳の誕生日に「水見式」をした。
 
 「水見式」というのは、グラスに水を入れ、その上に葉っぱを浮かべ、両手をグラスの脇にかざし「発(練)」を行い、グラス内で起きた変化によって念能力者の自身の系統を判断する方法だ。

 念の系統には、強化系・変化系・操作系・具現化系・放出系・特質系の6種類がある。
 自分にあった系統の方が伸びやすいので、系統別の修行を行う前にそれを把握するのは重要だ。

 強化系は、自分自身を含め、モノの持つ働きや力を高める能力だ。
 水見式では水の量が変化する。

 変化系は、オーラの性質をゴムや電気や糸等に変化させる能力だ。
 水見式では水の味が変化する。

 操作系は、オーラによって物質や生物を操る能力だ。
 水見式では葉っぱが動く。

 具現化系は、オーラを物質化する能力だ。
 水見式では水の中に不純物が交じる。

 放出系は、オーラを体から離した状態で維持する能力だ。
 水見式では水の色が変化する。

 最後の特質系は、それ以外の変化をする。



 さて、ちょっと洒落たワイングラスに水を入れ、葉っぱを浮かべて水見式だ。
 一応、なんとなく、水道水ではなくアル○ス天然水を使っておく。

 準備をしている間にテンション上がってきた!

 さぁ、どうなる!?

 水が!



 水が!






 何も変わらない………。

 水の量も増えなければ、葉っぱも動かず、水の色も変わらなければ、中に何か現れることもない。

 あっれー?

 これは、もしかして………。

 かすかに甘い?



 おぅ、どうやらオレは変化系だったらしい。



 原作で言うとヒソカやキルアと同じ系統だ。
 「発」の水見式での変化もキルアと同じ水が甘く感じるようになっているので、目指すはそう、最高級の蜂蜜の甘さだ!



 この日から毎日寝る前に「発」の修行をする小学生が誕生した。



 系統別修行を始めるようになってからは、熱田に行かない日は学校から帰った後、「纏」「絶」「練」「発」「円」「凝」「周」「堅」「隠」「硬」「流」の基礎修行の前に1系統を1度だけ修行する。

 特に変化系だからと言ってどのような「発」にするかイメージがないので、原作でビスケ師匠が言ってたように、満遍なくバランス良く各系統修行を均等にしている。

 強化系の修行は石割り。石を持ち、持った石に「周」と「硬」をして、延々とその石で別の石を割って行く。「周」と「硬」の発動時間の短縮と持続時間の延長を目指す。
 変化系の修行は掌の上で数字をオーラで表す。その後、数字を切り替えていく。変化させる形と変化速度の向上を目指す。 
放出系の修行はオーラを身体から切り離す。ぶっちゃけ「かめ○め波」の再現だ。放出量の増加と放出する距離と放出箇所(掌から指先・足先まで)の増加を目指す。
 操作系の修行は水を詰めた風船を掌に載せ、オーラで水を操作し乱回転させ風船を割る。これまたどこかの「螺旋○」の再現だ。操作する量と動きと速度の向上を目指す。
 具現化系は特になにもしない。というか、具現化したいモノがないのでクラピカみたいにすることがないのだ。

 ちなみに最終目標は、強化系は「周」と「硬」で「武装色の覇気」。
 変化系でオーラを刃物状や盾状に変化させ「霊波刀」「サイキック・ソーサー」。
 放出系で両手から出して「かめはめ波」、指先から出して「霊丸」、足裏から出して「瞬動術」。
 操作系で「螺旋丸」。
 後は、放出系+操作系で「操気弾」、放出系+変化系で「気円斬」かなぁ。「操気弾」ができれば「堅」のオーラを操作して「舞空術」みたいに空を飛べないかな?

 こう、夢が広がりすぎる。






 で、そんなこんなで1年経ち小学1年生になった。

 修行の方は一応、教わったことは結構上手く身につけることができていると思う。

 『努力すれば結果がついてくる才能(小)』もあるが、それ以上に「(ギョウ)」で脳にオーラを集めて、暗記力や理解力を強化することによって、かなり楽をさせてもらっている。

 符術は、魔筆と呼ばれる筆を使っての実践に入ったのだけど、上手く符が書けない。
 前世の頃から字は下手で恥ずかしい思いをしていたが、それに輪をかけて、魔筆はつまり毛筆なので、より一層それが強調される結果となった。
 つまり端的に言って字が下手で符として成立しないことがあるのだ。

 オレの学んでいる符術の流派では、符の作り方は2種類ある。1つは魔筆で符に魔力を込めながら書く方法で、もう1つは魔筆で書いた後、符に魔力を込める方法だ。
 前者は途中で失敗するとそれまでの魔力が全て無駄になり、後者は書き終わった後から魔力を込めるため前者の3~5倍の魔力が必要となるという欠点がある。利点はそれぞれのその逆だ。
 オレは(字が下手なので)符を書くのに失敗することが多く、必然的に後者の方が得意だ。幸い魔力量はそこそこ多いので、後者一択と言って良い。

 まぁ、そんなでは術者として半人前もいいとこなので、結構家で自主練とかしたんだけどなぁ………。全然上手くならない。というか、今時の子供に毛筆書きってどうよ! と思うが、同じように修行している同期の子らはすらすらと上手い字を書く。

 おかげで周りの人からけっこう残念な子扱いされていたり。



 というわけで、発想を変えてみた!

 忍義姉さんにパソコンを借り、お札をスキャナーで読み込み、画像処理して、保存し、印刷した。
 そして、それに魔力を込める。これなら符を書くのに失敗しない。
 失敗しないどころかまったく同じモノを連続して数限りなく作れる。
 幸い、人並み以上に魔力はあるので、後から魔力を込めるのに必要な魔力が増えても問題ない。





 素晴らしい! なんて、画期的な方法だ!!





 そう思っていたこともありました。
 まぁ、普通のプリンターでそんなことが可能なわけもなく、上手くいかなかった。

 で、半年試行錯誤を繰り返し、霊木---いわゆる魔力のこもった古木、神木---の炭を魔力量の多いオレの血でこねて、霊水---いわゆる魔力のこもった水---で伸ばしたものをインクジェットプリンターのインクの代わりに使うことによって、やっと成功した。

 で、まぁそれを皮切りにパソコンの辞書の外字登録機能を使い、符を書くのに使う神代(かみよ)文字を外字登録して行き、それを組み合わせてオリジナルの符を創れるようにまでなった。

 先生にはあきれられたが、まぁ、やめるように言われなかっただけよかった。先生が頭の硬い人だったらきっと邪道だのなんだの言われて、認められることはなかった。なので、このやり方はよほど親しい人にしか教えていないことにしている。

 で、卒業試験としてオリジナルの符を作る課題を与えられた。

 で、考え出したのは、「分身(わけみの)符」と名付けた某忍者マンガをリスペクトした符である。

 この世界では魔力や気を使って自分の分身を作る術は結構ある。が、あのマンガでリスペクトすべき経験値チートな分身を作る術は、オレの知る限りなかった。ので、創った。

 反省も後悔もしていない。

 ちなみにこの分身符、半自立型で生命エネルギーと精神エネルギーを等分化する。それぞれの最大値は変化しないので、分身が休むことによってそれぞれ最大値まで回復する。なので、最大値まで回復した分身はエネルギー量的にはまったく同じとなる。

 なお、これまでに先生から学んだことだが、この世界では魂と肉体が分けて考えられ、魂から生命エネルギーと精神エネルギーが発生する。
 また、世界には「マナ」と呼ばれる因子、つまり不思議エネルギーが存在する。

 これがこの世界のルールだ。

 そして、生命エネルギーを使う場合「気」と呼び、精神エネルギーを使う場合「魔力」と呼んでいる。
 で、「念」はどうなるかというと生命エネルギーを架空の器官「精孔(ショウコウ)」を通すことによって、マナと生命エネルギーを合成しているようだ。そのおかげで具現化系や特質系など「気」ではあり得ない効果も発生するし、同量の生命エネルギーを使っても「気」よりも「オーラ」のが効果が高いという結果となる。
 この辺りは、ヨガで言う「チャクラとクンダリーニ」、仙術で言う「内気と外気」に相当するような気がする。

 あと、これはまだ空論だが、「リリカルなのは」の魔導師が使う「リンカーコア」は精神エネルギーとマナを合成する架空器官なのではないかと推察される。
 また、型月的な魔術師が存在するならば、「魔術回路」は精神エネルギーをより効率良くそれぞれの魔術に最適化した魔力に変換する架空器官なのではないかとも思う。




閑話休題




 この「分身符」は1枚につき分身を1体作れ、同時に符を何枚か使うことによって、作られる分身の数も増やせるという代物だ。

 ちなみに符の作成時に込める「魔力」は、しゃれにならないほど膨大に使う。

 そのため、偶発的にオレの「発」が完成してしまった。

 「念」を「魔力」に変化させる能力で、「足りないモノを足りてるモノから」と名付けた。
 かなり使い勝手が良い。

 また、「分身符」で作られた分身が得る経験はかの分身術と同様、リアルタイムで得ることはできない。なので離れた分身が見たモノや聞いたモノを把握する偵察などには向いていない。

 術を解いたとき、または分身が壊されたときに、分身が得た経験が本体に還元されることになっている。
 ちなみに肉体的な成長や劣化(四肢の欠損など)といった変化は本体には反映されず、あくまで還元されるのは経験だけだ。



 そして、1枚作るのに大量の魔力が必要なため、1日1枚作るのがやっとだ。当然次の日は魔力の回復に当てるので、実質2日で1枚できる感じだ。



 で、このオリジナルの符を、先生に披露したところ、頭を抱えてため息をつかれた。

「あぁー。あれだ。お前がやりたいことはわかった。まずは、課題は合格だ。おめでとう」

「ありがとうございます?」

「でだ。とりあえず、2週間やるからその符をあと10枚ぐらい用意してこい」

「無理です」「ダメだ。用意しろ」

 即行断ったが、ダメ出しされた。

「10枚必要ならどうしても3週間はかかります」

 と2日で1枚しか作成できないことを論理的に説明した。

「………わかった。なら3週間後だな」

 と言って、3週間後に10枚用意するのが決定した。
 なお、その時作っておいた手持ちの分身符は全て持って行かれた。

 後から知ったのだが、先生はこの符の有効な使い方を思いつき、そしてそれが可能な場合どういうことが巻き起こるかを想定し、それからどうオレを守るかを考えてくれていたのだった。 
 

 
後書き
以上がここで書かれたものがこのクロスした世界の設定ということになります。
年齢関係について修正しました。 
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