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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第16話:どうやら本物

(裏切りの洞窟)
ミネアSIDE

度重なる偽者達の襲撃に、心底参っていた私達……
そこへ奥の通路から現れたウルフさんとシンさんの二人。
またしても敵だと思い、遠巻きに警戒する私達。

こちらの行動が不審だったのか、現れたウルフさんとシンさんも5メートルほど離れた所で警戒しながら眺めている。
すると……


「あれ? 美女の匂いがするぞ!」
突然ウルフさんが突飛な事を言い出した。
美女の匂いって何ですかね?

「はぁ? 何お父さんの真似をしてんのよ!」
そしてそれに反応する様に、リューノさんが対抗する。
どこがお父様の真似なんですかね?

それはほぼ同時だった。
リューノさんが私と姉さんを引き寄せて内密に相談し始めたのと、向こうのウルフさんがシンさんに近づき相談し始めたのが……

「あのね……もしかしたら、あの二人は本物かもしれないわ」
「え、でも怪しくない? 何か向こうも集まって相談してるわよ……」
「でも姉さん、本物だったら攻撃するわけにも……」

「私に考えがあるんだけど……試しても良い?」
「良い方法なのリューノ?  失敗して大変な事にならない?」
「姉さん。ここはリューノさんに任せましょうよ……ウルフさんの事をよく知っているのだから大丈夫なのでは?」
私達はコソコソと相談をし互いに目で頷き合うと、ウルフさん達より先に正面に向き直る。

「ちょっとウルフ!」
徐に話しかけたのはリューノさんです。
本物のウルフさんだったら答えられる質問をするつもりみたい。

「な、何ッスか?」
「アンタが本物かどうかを確かめる為、今からクイズを出すから正確に答えろ! ちょっとでも間違ったら速攻で攻撃するから覚悟しろ!」

「おう! お前のスリーサイズだって答えてやるよ。まぁツルペタで色気なんて微塵もないけどね(笑)」
「う、うるせー! いいから黙って答えやがれ!」
黙って答えろってのは矛盾しますね。

「わ、私が以前着けていたイヤリングについて、事細かに答えなさい!」
以前着けていたイヤリングについて?
何か特別な事情でもあるのでしょうか?

「ん、あぁ……あれはお前等3姉妹が、父親のリュカさんから去年の誕生日プレゼントでもらったヤツだ。お前がブルーサファイヤのイヤリング、1日姉のリューラがエメラルドグリーンのイヤリング、そして1日妹で俺の彼女のマリーが真っ赤なルビーのイヤリングだ。リュカさんが決めたお前等3人娘のパーソナルカラー……そのワンピースも同じだ!」

そんな素敵なイヤリングをしていたのですか……
何故今は着けてないんですかね?
私も見てみたいのに……

「では、こちらからも質問だ! リューノ……今日のパンツは何色だ?」
「ふざけんな馬鹿ウルフ! 何でお前にそんな事を教えなきゃならないんだ!? 事前に知ってんのか、私のパンツの色を!」

「イヤ知らん!」
「じゃあ真偽の確認にならないだろ! 何の為に聞くんだよ!?」
そうですねぇ……答えの知らない事に答えられても、それが正解なのかは判らないですからねぇ……

「別に真偽を確かめるのが目的じゃない。ただパンツの色を知りたいだけだ! お前が本物である事は既に判っている……俺には質問などしなくても、仲間の事は理解できている。見ただけで偽者じゃ無いって判るサ!」

まぁ、私達の事を解ってくれているなんて…嬉しいですわウルフさん。

ミネアSIDE



(裏切りの洞窟)
ウルフSIDE

何か思わず格好いい事言っちゃったけど、本当はリューノの質問が殆どなんだよね。
偽者のリューノだったら『私が以前着けていたイヤリング』とは言ってこないだろう……
以前イヤリングを着けていたかどうかすら判らないのだろうから。

あと美女の匂いかな……
マーニャさん・ミネアさんからだけじゃなく、リューノからも感じる様になってきたんだ。
う~ん……流石リュカさんの娘だね。最近色っぽさを感じてきたよ。

「さて……みんなが揃った事だし、ホフマンさんが探していたって言うお宝を手に入れ、彼に教えてやろうぜ! 『こんな洞窟のモンスターに騙されたのかお前は!?』って」
「ウ、ウルフさん……そんな事言ったら逆効果ですよ! 優しく『貴方のお友達は裏切って等いませんよ』って教えてあげないと」

か~っ……真面目だねぇシン君は!
俺なんかリュカ家の毒素に浸かりすぎて、真面目な思考回路が失われちゃったよ!
でも義兄(ティミー)さんを見てると、あの家庭で真面目に生きるのは辛いと解るから……

「まぁどっちでも良いよ。そこら辺の事はシン君に任せるから……とっととお宝ゲットで、このアホ洞窟からオサラバしようぜ!」
「私もウルフの意見に賛成! 私嫌いなのよ……洞窟とか地下とかっていう暗いジメジメ空間が!」

「あははは、マーニャさんらしいご意見だね! でも俺は、彼女(マリー)のジメジメヌルヌルな洞窟に出たり入ったり探検するのは大好きだぞ!」
「ア、アンタ…こう言う時に下ネタ言うの止めなさいよ!」

暗いのが嫌いと言ったから、俺が明るい雰囲気にしたのに……
顔を真っ赤にして怒ってるよ。
ははははは、勝手だなぁ!

ウルフSIDE END



 
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