| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
  第12話:俺、インテリなんッスよ!

 
前書き
皆様お待たせ致しました!
我らのオーリンが大活躍致しますゾ! 

 
(キングレオ城)
マーニャSIDE

私達は予定通り早朝に集まり、ウルフのルーラでキングレオ城へ訪れる。
以前(まえ)にオーリンが壊した扉から再び侵入し大臣の部屋へ!
ソッと中を覗いてみると、ナイトキャップを被ったオッサンがベッドで眠ってるのが見える。
全く愉快にならないシーンだが、誰も居ない部屋の前で大きな音を出しても意味がないからね。

火薬壺を部屋の前に置き、私達は死角へ身を隠し、ウルフのメラで爆発させる。
“ドカーン!!”という大爆音と共に火薬壺は破裂し消え去った!
だが付近の壁には多少の焦げ跡だけで破壊された形跡はない。
鉱山用の火薬としては意味無いが、脅しに使うだけなら最適だ!

(バタン!)
私が火薬の性能について考えていると、大臣が部屋から大慌てで出てきて、情けない恰好で逃げ出して行く。
ナイトキャップに可愛いパジャマという姿で……

「よし……後を付けよう」
愛らしい姿の大臣に笑いを堪えていると、ウルフが真剣な声で指示を出してくる。
何度も言うが……惚れる。

広い城内をあたふたと逃げ出す大臣……
その後ろから追う私達。
物陰に姿を隠さなくても大臣は後ろを振り向かないので気付かれない。

暫く後を付けると、大臣が周囲を気にし始める。
流石に物陰に隠れる私達……
この付近なのだろうか?

「ん? あそこの壁……良く見るとスイッチになってるぞ!」
いち早く気付いたのはウルフ。
そして大臣がそのスイッチを押し、壁に隠し部屋への扉が出現する。

「あそこにバルザックが隠れているのですね!?」
「多分そうだと思いますよミネアさん……」
物陰に隠れての内緒話……ミネアとウルフの顔が近くてヤキモキする。

「では早速乗り込みましょうぞ!」
突如大きな声で指示を出したのはオーリン。
ビックリするじゃない!

マーニャSIDE END



(キングレオ城)
ウルフSIDE

突然大きな声を出したと思ったら、そのままの勢いで隠し部屋に突入する筋肉馬鹿。
おいおい……中の状況も解らないし、作戦を立ててもいないのに勝手に突入するなよ。
そんなに二人に対してアピールしたいのか!?

「あ、オーリン! 待ちなさい……一人じゃ危険よ!」
思わず反応してしまったのが面倒見が良いマーニャさん……
オーリンの後を追う様に突入して行く。

オーリンだけだったら、シカトしても良いかなと思ったけど、マーニャさんを危険に晒す訳にはいかない。
仕方ないのでミネアさんと頷き合い、俺達も隠し部屋へと入って行く。
あぁ……済し崩し的に不審者になってしまった。


「バルザック! 遂に見つけたぞ……お師匠様の(かたき)、この場で取らせてもらう!」
中にはいると、多分オーリンによって殴り倒された兵士2名と、パジャマ姿で震える大臣……それと玉座らしき椅子にふんぞり返る男の姿が目にはいる。
どうやらここが玉座の間らしいが……

「ほぅ……筋肉馬鹿なオーリン先輩とエドガンの娘達ではないか!? 私が見逃してやったのに殺されに来たのか?」
あの男がバルザックらしい……
しかし何で玉座に座っているんだ?

「バルザック! 覚悟しなさい……父さんの(かたき)、この場で討ってやるんだから!」
「口を慎め卑しき者共よ! 私はバルザック……キングレオの王、バルザック様だぞ!」
「何を言ってやがる! キサマがキングレオの王になれる訳ないだろう!」

「ふふふ……脳味噌まで筋肉のお前には理解出来まい。エドガンが見つけだした“進化の秘宝”により、私は強さを手に入れたのだ。そしてこの国の王として、今現在君臨している! ふはははは、エドガンも愚かよ。進化の秘宝を封印しようとしなければ、私に殺される事もなかっただろうにな!」

まだ解らん!
何故に強さを得ただけで、一国の王になれるんだ?
それに“進化の秘宝”で強くなるって……どういう事?

「ゆ、許さない! そんな理由で父さんを殺したの!? お、お前なんか殺してやる……イオ!」
“ドカーン!”という音と共に玉座に座るバルザック目掛けマーニャさんのイオが炸裂する。
考え無しの魔法の為、辺り一帯を煙が舞い、敵の姿を目視出来ない。

「くっくっくっ……進化した私の恐ろしさを、どうやら味わいたいらしい。良かろう、王となったバルザック様の力、キサマらの身体に教え込んでやるわ!」
煙が晴れたと同時に現れたのは醜く凶悪そうな姿に変身したバルザックだった。

……つか、多分バルザックだろう。
だって変身した所は見てないけど玉座の前に佇んでいるし、同一人物だと思うよ。
少なくとも声は同じだからね。

「偉そうな事言って……私のイオで既にダメージを負っているじゃない! アンタなんか簡単に倒しちゃうんだから!」
そうなのだ、先程のイオで既に深手を負っている化け物バルザック。
あんまり強くはなさそうだ。

「くっくっくっ……この程度の傷など何でもないわ! ベホマ」
あ、ヤバイぞコレは……
よりによってベホマを使ってきた。
速攻で倒さないと危険な状況になっちゃうな。

「くらえ、ギラ!」
「「きゃぁ!」」
今度はギラを使ってきた。
厄介だな……しょうがないから俺も出張るか! ……っとその前に、

「ベホマラー」
「「「「え!?」」」」
俺はギラでダメージを負ったみんなの傷を瞬時に癒し身構える。

「凄い……こんな高位魔法まで使えるなんて……」
「言ったでしょミネアさん。俺は魔法を専行しているの! 魔法での戦いだったら、そう簡単に負けやしない」
あぁ……マリーがこの場に居れば『ウルフ格好いい♡』とか言って、今夜はラブラブウハウハなのになぁ……

「バルザック、キサマの負けだ! 喰らえー」
俺が愛しのマリーを思い出していると、突如オーリンが叫びだし何かを掲げて使用した。
眩い光が周囲を照らす。
だがしかし何が起きたのか全く解らない。

「それが何だと言うのだ?」
今回はバルザックと同意見だ。
今更ながら馬鹿だ……何だか良く分からない事をしてくるよ。

「ふん…キサマもお師匠様から聞いているだろう。『静寂の玉』の事を……」
「せ、静寂の玉!?」
何だ? 俺やリュカさんの玉は、静寂とは縁遠いぞ!

「お、おのれ……ギラ!」
思わず身構えたが、バルザックの発したギラは発動しなかった。
どうやら『静寂の玉』とは、マホトーンの効果があるアイテムらしい。
そんな物に頼らなくても、俺はマホトーンを使えるのに。

「くっ……だがしかし、ピンチになったのはそちらではないのかな? 私は憶えているぞ……静寂の玉の効果は広範囲に渡り持続するとな!」
え!?
そ、それって……もしかして……

「メラ!」
俺は慌ててメラを唱える……
しかし火の玉は発動ぜず、虚しく俺の声が響き渡った。
血の気が引くのを感じたよ……“大ピンチなんじゃね?”ってさ!

「こ、この筋肉馬鹿が!! お前解ってるのか!? 俺達のパーティー構成が魔法戦中心であるのを! 魔法を封じられたら、戦力が激減するって事を!!」
まさかの大ピンチに思わず激怒する!
筋肉ダルマの胸ぐらを掴んで怒鳴り散らす!

「黙れ! こんな裏切り者などオレ様の筋肉だけで片付けてやる! そんなに目立ちたいのなら、その剣を使って活躍してみろ!」
「このバカタレがぁ!! 俺はインテリなんだよ! お前と違って頭を使って生きているんだよ! 弟分が裏切りそうになっているのに、気付きもしない筋肉馬鹿とは出来が違うんだよ!!」

「黙れー! オレ様を侮辱する事は許さんぞ!」
あまりの馬鹿ぶりに激怒し怒鳴りまくっていると、ブチ切れたオーリンが俺の鳩尾に強烈なボディーブローを入れてきた。
防御魔法を唱えてなかった俺にとって、その一撃は痛恨であり、アバラを数本折られて意識が遠退く……

な、何で味方に殴られてんだ……?

ウルフSIDE END



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧