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ソードアート・オンライン~神話と勇者と聖剣と~

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フェアリィ・ダンス~両刃の剣と天駆ける龍~
  世界樹へ《3》 黒いエンドフレイム、聖なる双刃

 
前書き
 久々の投稿です。

 いよいよ部タイトルが出そろう…かな? 

 
「なんだこいつら!」
「プレイヤーが…モンスターに!?」
「お二人とも!一か所に固まってください!どうやらこの者たちにやられたプレイヤーもモンスター化するようです!」





 事態は少し前にさかのぼる。

 セモン、コハク、グリヴィネの三人は、世界樹を目指してアルヴヘイムの空を飛行していた。現在はシルフ領から中立地帯に差し掛かるあたり。

「そういえばさ、グリヴィネ、陰斗…シャノンはどうしてる?元気か?」
「はい。それはそれは元気です。ただ、ちょっととある理由で現在みなさんとは連絡が取れない状況にあります。代わりに私を派遣したのですが、自分が行けないことを大いに悔しがっていました」

 陰斗らしいや、とセモンが笑うと、今度はコハクが。
 
「グリヴィネさんはすごいALOになれてるみたいだけど…プレイヤー歴は長いの?」
「あ…実はですね、わたし、その…ほとんどニュービーに近い状態なんです」
「へぇ!?そうなの!?」
「ええ。いずれ理由はお話しますが…。それとコハクさん、『さん』は要りませんよ」
「うん。分かった、グリヴィネ」

 どうやらコハクとグリヴィネも仲良くやっていけそうだ、とセモンが内心安どのため息をついたとき。

「お二人とも、ちょっと地面に降りましょう」

 グリヴィネが突然言い出した。

「?」
「どうして?」
「背中を見てください」

 セモンとコハクが苦労して自分の背中を見ると…

「!!」
「翅が…消えかかってる!?」
「飛行時間の限界が来たのです。これからしばらくは地面を歩いて行かなくてはなりません」
 
 よく考えると、三十分ほど飛びっぱなしだったのだ。飛行時間の限界が来ていてもおかしくはない。


 三人は、地面に向かってゆっくりと下降していった。

 


 
 そして、そこで三人が見たのは、信じられない光景であった。




 
                     *



 着陸した三人は、翅が回復するまで、世界樹に向けて地面を歩いていくことにした。

 途中で現れたモンスターは、各々武器をとって駆逐していく。中でも目覚ましかったのはグリヴィネの戦い方だった。

 モンスターが出現した時にはすでに相手の懐に入っており、あらゆる動的オブジェクト最大の弱点である首を、巨大な銀色の鎌で切り裂く。ほぼ一発でHPを0にしてしまうその戦いは、ニュービーであるとは到底思えない強さとセンスだった。

「(相変わらずすごい強さだな…)」

 セモンは内心で舌を巻いていた。

 彼女とは何度か2Dゲームで対戦したことがあるが、その強さは兄の陰斗でも時折敗北するほどのモノであった。そのセンスが、このALOでもいかされているのだろう。


 もちろんセモンとコハクも負けてはいない。戦っていくごとに、SAO時代のカンが取り戻されていくのを感じる。


「そろそろ翅が戻ってきたはずですよ」

 着陸してから三十分ほどたった時、グリヴィネが言った。背中に翅を出現させてみると、出発前の様にまばゆい光を放っていた。

「よし!飛行開始と行くか!!」

 セモンが羽を広げたその時――――――


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」


 
 少し遠くで、プレイヤーの悲鳴が聞こえた。


「!?」
「なに!?」
「……行ってみましょう!」


 翅をたたんで、悲鳴の聞こえた方向に走る。

 そこでは。


 漆黒の消滅光(エンドフレイム)を放ったプレイヤーが、再びポリゴン片をかき集めて復活し、漆黒の翼を広げて暴れまわる姿だった。妖精の翅だったはずの翼は、龍の様な双翼に変貌していた。服も肌も浅黒いものに代わり、髪も漆黒になる。腰の下あたりからは、長い黒尾が伸びる。


「あ、あれは…!?」
「カーソルが…!」

 
 驚くべきは、復活したプレイヤーの頭上。先ほどまでは鮮やかな緑色だったカラーカーソルが、モンスターを示す赤色に変化していた。


「モンスター化!?」
「ハザードと同じ…!」


 モンスター化したプレイヤーは、握っていた大剣で――――これも変化と同時に禍々しい漆黒のものに変わっていた――――、先ほどまで仲間だったプレイヤーを切り裂いた。

 そのプレイヤーのHPは0になり、赤いエンドフレイム…そのプレイヤーはサラマンダーだったようだ…をまき散らして消えた。

 しかし。剣から漆黒のオーラが飛び出すと、エンドフレイムを包んで真っ黒なものに変えた。さらに先ほどと同じようにポリゴン片が集まって、エンドフレイムが爆散。漆黒のモンスター・プレイヤーが姿を現す。

 カーソルに視線を合わせると、モンスター名が現れる。

 
 《Slave(スレイヴ)-()player(プレイヤー)》――――操り人形。


 スレイヴ・プレイヤーたちは、恐らくパーティーだったのであろうほかのプレイヤーを襲い始めた。彼らにHPを0にされたプレイヤーは、また新たなるスレイヴプレイヤーに変貌する。

 ついに近辺のプレイヤー約十五名ほどがすべてモンスター化してしまった。

 残るは、セモン、コハク、グリヴィネの三人。《索敵》などのスキルでは識別できない範囲にいたはずなのに、スレイヴ達は三人に気付き、各々の武器を構えて襲ってきた。

「なんだこいつら!!」
「プレイヤーが…モンスターに!?」
「お二人とも、一か所に固まってください!どうやらこの者たちにやられたプレイヤーもモンスター化するようです!」

 グリヴィネの言うとおり一か所に固まり、彼らの攻撃をはじき返す。


「重い…!」
「一撃の威力がこんなに強いなんて…!こいつら一体何者!?」

 グリヴィネだけは、まるで重さを感じることなどないかのように鎌をふるい続ける。しかし、彼らは倒れても倒れても黒いエンドフレイムをまき散らして、復活する。

「不死かっての…!」

 このままでは数で負ける…!

 その時だった。グリヴィネが、決心したように叫んだのは。

「セモンさん!今から私が言うとおりに、叫んでください!」
「!?…わ、分かった!」
「行きます!『システムコマンド、アクセスID《Syanonn》、パスワード《*****》』」
「『システムコマンド!………』!」
「『アクセス、オブジェクトジェネレータ。アクセスレベル100、ID《AMENN-RERR》、パスワード《*****》」
「『アクセス……………』!!」
「これで最後です!『オブジェクトID《EX》、《SYANONNS-MADE》ジェネレート!』」
「『……《SYANONNS-MADE》ジェネレート』ぉぉぉぉぉ!!」

  
 その瞬間。空に、オレンジの輝きが見えた。その輝きはレーザーとなってセモンの右手に飛来した。

 光が消えると、そこに握られていたのは…



 刀の柄。その両端に鍔と刃がついた、特殊武器。


 《双剣》、《両剣》などと呼ばれる武器だった。


「これは…!?」
「兄様からの贈り物です!それなら、あいつらを倒すことができます!」

 
 どうして、と聞きたかったが、今はそれどころではない。


「くらえ!!」

 
 双剣の両の刃で、同時に二人のスレイヴを切り裂く。人型共通クリティカルである腹部を真っ二つにされたスレイヴは、漆黒のエンドフレイムをまき散らして四散した。本来ならば、ここで漆黒の光が戻ってきて、スレイヴは復活する。しかし、今回は違った。

 オレンジ色の光が、エンドフレイムの内側からあふれてきて、漆黒のエンドフレイムを消滅させたのだ。


「…!!これならいけるぞ!!」

 
 セモンは双剣を構えた。腰だめに構えて、突進と同時に刀を左右に振っていく。

 かつて浮遊城で、《アラブル・スピノライト》と呼ばれた突進剣技は、いったいどうしたことか、この世界――――妖精郷でも発動した。


「!!ソードスキルが…!?」


 オレンジの光に包まれた両の刃が、スレイヴプレイヤーたちを切り裂いた。


 
                     *


「やぁ、あれを使ったか清文。刹那もせっかちだなぁ。自分で倒せるだろうに」

 一連の戦いを、はるか上空から、金属の翼をもつ人物が眺めていた。
             
                     
 

 
後書き
 ハイ、セモン君の新武器、《双剣》出ましたね~。

 ちなみに実はこのように、柄の両方から刃の出ている刀を《双剣》といって、《二刀流》とは違う武器として扱うんですよね…。

 ここでお知らせ。

 かなり先ですが、このALO編がひと段落したら、外伝編みたいなのをちびりちびりと書こうと思っています。その第一弾として、《キャリバー》編を書こうと思っています。しかしGGOをやらないこの物語では、シノンが登場しないんすよね…。それに『とんきーさーん!』にも乗れないし。何せこちとら大人数ですから。

 というわけで、こちらでは、オリジナル編として『アースガルズ』へ、『魔槍グングニル』を取りに行くお話、もしくは『ムスペルヘイム』へ『魔剣レーヴァテイン』を取りに行くお話のどちらかを書こうと思っています。

 どちらをやってほしいか、可能ならばこのアンケートにお答えください。

 窓口は感想板、メッセージ欄、同じ内容の私の呟きの三つです。

 よろしくお願いいたします。
 
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