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有栖キャロの小学校物語

作者:blueocean
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第1話 今日から小学生です

 
前書き
こんにちはblueoceanです。

もう片方で投稿していたのにこっちでし忘れていたので投稿します。
修正しながら投稿になるので、不定期ですがこっちもお願いします。 

 
「キャロ、忘れ物ないですか?」
「大丈夫です、星お姉ちゃん」

私は靴を履き終え、側に置いたバッグを背負いました。

「それじゃあ、レイ、フェリア、キャロを頼みますね」

「ああ、誰一人キャロには触らせない」

「フェリア、レイはダメそうなのでお願いします」
「了解した…………」

お兄ちゃん、流石に恥ずかしいよ…………

「わ〜!!もうこんな時間!?星、なんで起こしてくれなかったのさ〜!!」

ライお姉ちゃんが大声を上げながら星お姉ちゃんに文句を言っています。

「ちゃんと起こしました!!それでも起きなかったライが悪いんです!!」
「そんなことより早く着替えろ。このままだと我らも遅刻するぞ!!」
「わ、分かってるよ〜」

ライお姉ちゃんが慌てて部屋の中を行ったり来たりしてます。

「じゃあ、俺達は先に行くな」

「はい、気を付けて………」

「キャロ、車には気をつけるんだぞ」

「はい、行ってきます!」

そう言って、私は元気よく玄関の外へ出ました。





ピンポーン。
マンションの一階降りて、インターホンを鳴らしました。

「おはようございます!」
「あら、おはようキャロちゃん。ルー、キャロちゃん来たわよ!」

ドアを開けてくれたのはゼストさん、挨拶をしてくれたのはルーちゃんのお母さん、メガーヌさんです。

「おはよう、キャロ」
「おはよう、ルーちゃん」
「おはよう、フェリア、レイ」
「ああ、おはよう」
「おはよう」

普通に朝の挨拶をしている様に見えると思いますが、ルーちゃんの頭はボサボサです………
恐らく寝坊したのだと思います。

「ごめんなさいね、もう少しで準備終わるから…………」

そう言ってメガーヌさんはルーちゃんに声を掛けて、部屋の中へ入って行きました。
今日から学校なのに落ち着いてるな、ルーちゃん。
私なんて緊張して中々眠れなかったのに…………

「キャロちゃん」

「は、はい!!」

「ルーテシアを頼む。のんびりしているから苦労すると思うが………」

「俺もいますし大丈夫ですよ」

「零治、ルーテシアに手を出したら、地獄を見ると思え…………」

「だ、大丈夫ですから、デバイスしまって………」

ゼストさんもすっかりお父さんですね。

「お待たせ〜」

「やっと来たか。ルー、ちゃんと行ってきますを言うんだぞ」

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」
「気を付けてな」

「行ってきます」

こうして私達は学校に向かいました……………






「キャロ、動きが固くなってるぞ………」

「は、はい!!」

ううっ、やっぱり緊張しちゃうな…………

「ルー、そっちじゃない!!」
「……………あれ?」

フェリアお姉ちゃんが慌ててルーちゃんに声をかけてました。
ルーちゃんは何故か左の小道に進んでいて、フェリアお姉ちゃんが気がつかなかったら迷子になっていたと思います。

ルーちゃん、目を離したらすぐ何処かへ行っちゃうからな…………

「ルー、私と手をつなごう。それなら問題ないだろう」

「は〜い」






「…………それでは後はお願いします」

「はい、分かりました。あなた達も中等部に遅れないようにね」

「はい。じゃあキャロ、ルー、頑張れよ」

「は、はい!!」
「ハ〜イ」

「それじゃあ行くか」
「ああ」

職員室に着いた私達はお兄ちゃん達が先生と何か話をして、お兄ちゃんは行ってしまいました…………
ちょっと不安だな…………

「さて、先ずは私の自己紹介ね。私はあなたたちのクラス、1−1の担任の細野霧子よ、よろしくね」

「は、はい!よろしくお願いします!!」
「お願いします」

細野霧子先生。
すごく綺麗で若い先生だけど優しそうだな。

「先ずは軽く校内の説明ね。一年生の教室は……………」

そこから先生の校内の説明が始まりました。







「まあ緊張しないで、クラスのみんなは………………変わってるけど、友達思いのいい子達ばかりよ」
「は、はぁ………」

随分間があったけど、変わってるってなんだろう?

「ルーちゃんは大丈夫?」

「ルーは大丈夫。キャロはルーが守る」

「中には敵なんていませんから大丈夫よ。取り敢えず私が呼んだら入ってきてね」

そう言って、先生は教室に入って行きました。

「キャロ」

「何?」

「友達一杯作ろうね」
「そうだね!!」

『今日は新しく皆さんの友達になる子がいます。』

『うおおおおお!!ようやく俺にも嫁が!!』

『…………既に女の子と思ってるあなたの将来を心配するわ。』

『先生の言葉じゃない!!』

『うるさいわよエローシュ。』

『俺は江口伸也!!エローシュちゃうわ!!』

『はいはい、エローシュ君、静かにね。』

『エローシュちゃう!』

……………既に盛り上がってますね。

『先生、どんな子ですか?』

『二人共可愛い女の子よ。』

『…………………片方はピンクの髪の女の子、もう片方は紫の長い髪の女の子。』

『……………小岩井君、正解だけど、どうして知ってるの?』

『……………僕に不可能の2文字は無い。』

『3文字ね、全く、また職員室で盗撮したでしょう………』

『そんな事実はない?』

『なぜ疑問形なの?』

『先生、相棒は悪くない!俺達男子は先生の際どいアングルを撮りたかっただけなんだ!!』

『かばってるようだけど、他の男子にも飛び火してるわよ。』

『そうだぞ、黙れエローシュ!!』
『しゃべりすぎだぞ、アホエローシュ!!』
『変態!!エロガキ!!だからエローシュって呼ばれてるのよ!!』

『ふっざけるな!!勝手に変なあだ名つけたのかと思えば、今度はエロいからだと…………あれ?ベストマッチじゃね?』
『…………もはや変更しようがない。』
『あきらめるな親友、何かあるはずだ!何か……………』

いつになったら中に入れるのでしょうか……………

『もういいから一旦静かに!!これ以上転校生を待たせちゃいけないじゃない。それじゃあ2人とも入って。』

と、とうとうこの時が…………
ま、また緊張してきた…………

「行こう、キャロ」
「は、はい!」

私達は教室に入りました。








「は、はじましゅて、あ、有栖キャ、キャロでしゅ!」

パチパチパチ!!
皆さんが暖かい拍手を…………

って何かが違う気がする!

「キャロちゃん可愛い〜俺と結婚してくれ〜!」
「黙れ変態エローシュ!!」
「やかましいから夏穂は黙ってろ!」

け、結婚って…………
私はお兄ちゃんに…………

「ルーテシア・アルピーノです。でももしかしたらグランガイツになるかもです」

ええっー!?聞いてないよー!?

「確かに仲がよかったけれど、それほどだったの!?」
「結婚式のときは是非来て」
「うん!今日の内にお兄ちゃんに言っておくね!」

よかった、今日はすぐ帰ったらみんなに報告しなきゃ!

「あのね、二人とも…………」

「「はい?」」

「歓迎しようとしてたあの子達がかわいそうだから、後にしてもらっていい?」

「「あっ」」

みんなを見てみると気まずそうに手を下ろす人がしばしば。
恐らく拍手してくれるつもりだったんだと思う。

何かごめんなさい………

「さあ、質問タイムよ。好きな質問をどうぞ」

「はい!」

「はい、花井さん」

「好きな食べ物は何ですか?」

好きな食べ物ですか?
えっと…………

「私はシチューです」
「ルーはハンバーグ」

「俺はまさかのカツオのカルパッチョ!!」
「いや、聞いてないから…………」

「ていうかエローシュ君?それって居酒屋のメニューじゃないのかな?」
「いやいやいや、こんな子供がウォッカやテキーラやほろOいを飲めるわけないじゃないですか〜」
「…………詳しい」
「むしろ飲んでるでしょ?」

「そ、そんなことねえよ夏穂。ほろOいなんかはジュースと変わらないとか思ってないから!!」
「……………エローシュは黙ったほうがいい」
「エローシュじゃないし!」

「アンタね…………どうせおじさまのせいでしょうけど、この年でアル中何て話にならないわよ………」

「大丈夫、基本ほろOい一本しか飲まないから」
「飲んでる事に問題があるのよ」

女の子に怒られて静かになると思いきや、今度は3人で口論し始めました。

私達蚊帳の外…………
隣のルーちゃんも流石に気まずそう…………

「ほら、そこの仲良し3人、転校生が蚊帳の外だから、少し静かにしてなさい」
「「「はい………」」」

さっきからあの3人ばっかりが喋ってるような気がするなぁ………

「ごめんなさいね、あの3人は幼稚園の前からずっと一緒みたいで仲がいいのよ………」

「そうだぜ!俺は江口伸也!」

「またの名をエローシュ…………」

「そうエロ…………って違う!!」

「あんたらね…………私は千歳夏穂よ、よろしく」

「……………小岩井佐助」

「はい、よろしくお願いします!!」

「よろしくお願いします」

少し変わってるけど、仲良く出来ると思う。

「まあ困った時は俺に相談してくれ。一応俺がこのクラスのリーダーだからさ」

……………江口君がリーダー?

ルーテシアちゃんもそう思ったみたいで微妙な顔をしています。
声に出さなかった私達は偉いと思いますけど。

「……………そうだよ、どうせ俺なんかがリーダーできるわけ無いって思ったんだよな。分かるよ、どうせ俺なんてみんなからエローシュって呼ばれる変態だし、女の子にもモテないしな…………」

あれ?凄く自分を攻め出しましたが、どうしたんでしょう?

「…………エローシュはナイーブ」

「勝手に復活するから気にしなくていいわよ」

「そうですか………?」

少し不安でしたが、千歳さんに言われた通りに気にしない事にしました。

「あまり対した質問できなかったけど、後は自分達でね。二人は窓側の空いてる席を使って。今日は歓迎会という意味も込めて、この後学校案内とレクをするからみんなそのつもりでね」

そう聞いたクラスのみんなは一斉に盛り上がった。
さっきまでブルーだった江口君も混ざってる。

レクってレクリエーションの事かな?
そんな事より、私は始めこそ緊張していたけど、いつのまにか普段の私でいることに気がつきました。

このクラスの雰囲気に緊張も吹っ飛んでいたみたいです。


お兄ちゃん、学校って楽しい所ですね。 
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