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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第四章 空白期編
  第九十話      『シホの魔術授業』

 
前書き
シホによる魔術講座です。
笑いはありません。
シホはイリヤ、シルビアの記憶と知識もありますので呪術一辺倒のキャス狐よりは教え上手かと思います。 

 





アリサは日頃からすずか、アリシアと共にシホの管理局の仕事がない日に魔術を習っている。
ちなみにすずかとアリサ、アリシアはもう嘱託魔術師として管理局に席を置いていたりする。
けっして嘱託魔導師ではなく嘱託魔術師としてだ。
まだ嘱託なのは勉強不足でまだ小学生と魔術師を両立できないアリシアは別として、すずかとアリサは親がまだ小学生なのだから今は学業に励みなさいというお達しで本格的に管理局に所属しているわけではないのだ。
それを言うとなのはやシホ達が異常なのかどうか迷うところだが三人は本格的に動きだすのは中学生に上がってからだろうとは三人の言い分である。
そして一応嘱託魔術師なのだから三人にも先行版魔術式システムデバイスを支給されている。

アリサのデバイスの名前は『ヴェルファイア』。
片刃式のアームドデバイスタイプである。

すずかのデバイスの名前は『プリメーラ』。
手にはめるグローブ式の後方支援型のブーストデバイスタイプである。

アリシアのデバイスの名前は『スピードスター』。
フェイトのバルディッシュと同じ杖タイプのインテリジェントデバイスタイプである。

三人とも魔術の属性がそれぞれ炎、氷、雷と分かれているのでシホは教えるのに一苦労している。

「それじゃ三人とも。手にそれぞれの属性を意識して目標まで放ってみなさい」
「わかったよ。シホちゃん」
「了解よ、シホ」
「了解だよ、シホ!」

それで三人は手のひらに魔力を集めて一気に放つ。
それによってアリサの手からは炎の熱閃が発生し標的を燃やした。
すずかの手からは吹雪が発生して標的を凍り付かせる。
アリシアの手からは雷が発生して標的を焼き焦がす。

「うん。三人とももう精度も高まってきて狙いはバッチリね。
それと魔術回路を開くときに起きるチクッとした痛みはもう慣れた?」
「うん、大丈夫だよ」
「あの程度ならもう慣れたわね」
「バッチリだよ!」

三人は元気に答える。

「…にしてもやっぱり才能があるっていいわねぇ。私の時とは月とスッポンくらいの違いがあるわ」
「…そうなの?」
「えぇ。まぁ私は切嗣が間違った教え方をしていたから毎回魔術回路を一から作り出すといった方法を取っていて毎回死にそうになりながら魔術を行使していたから…。
リンに指摘されるまでそれが当たり前だと思っていたのよ」
「…嘘。シホ、そんなまどろっこしい事を毎回やってたの!? 基本的な事を習ったから分かるけどそんな事をしていたら身が持たないわよ!?」
「えぇ、まぁ…」
「それじゃ魔術が上達する以前の問題じゃない…」
「おっしゃる通りでお恥ずかしい…。でもそのおかげといってもいいけど魔術回路の一本一本がとても強固で頑丈になって精練されたのよ?
それに今はイリヤの魔術回路があるし、シルビア・アインツベルンとしての人格と記憶があるからこうしてすずか達に魔術を教えることができるのよ」
「シホってかなり魔術師としては出世したんだね~」
「えぇ、アリシア。かなり遠回りもしたけどね…」

それでアリサは思う。
やっぱりシホはあたしのライバルに相応しいと。
絶対追い付いてやるんだから!…と決心する。
と、そこで本日はバニングス邸で魔術の練習をしていたため、鮫島が休憩と称してお茶菓子を運んでくる。
それに全員はありつくことにした。

「…セイバーのマスターよ。アリサの魔術の上達具合はいかがかな?」
「あぁ、アサシン。うん、結構早いと思うわよ。月村家もバニングス家も代は重ねているようで魔術刻印はないもののすずかは魔術回路の本数が75本、アリサの本数は65本と多いから」
「呵呵呵。なるほど、確かに多いほうだな。ライダーのマスターには負けているようだがな」
「うるさいわよ、アサシン。数なんて関係ないわよ。それを言ったらシホなんて初代の癖して27本もあっても代を重ねた魔術師よりは少ないのにこんなに強いのよ?
鍛えれば本数なんて関係なくなってくるわ!」
「いい事を言うわね、アリサ。私の世界の魔術師達にぜひ聞かせてみたい言葉だわ。
…どんな痛いしっぺ返しが来るか分からないけど…」
「ふふん! あたしが管理局に入ったらすぐにエリートコースを進んであげるんだから!」
「頼もしいな、アリサよ。ならば儂はアリサに変な思惑で近寄ってちょっかいをかけてくる輩を排除する事にいたすとしようか」
「便りにしているわよ。アサシン」
「まぁ、まずはアリサとすずか、アリシアには『魔術事件対策課』に所属してもらうことになるわね。魔術を使える人材は魔導師以上に貴重だからね」
「上等よ。そこから出世して成り上がってやるわ!」
「頑張ってね、アリサちゃん」
「ガンバだよ。アリサ」
「二人ともなに他人事のように言ってんのよ?」
「え…?」
「にゃ…?」
「あんた達は将来あたしの部下になるんだからしっかりついてきなさいよ?」

アリサはそう宣言する。

「ご立派です。アリサお嬢様…」
「えっへん!」
「…わ、私としては将来はシホちゃんの補佐役がメインの目標だからそっちにいきたいかなぁ…」
「…まぁ、すずかがそう言うなら任せるけどね」
「私は、そうだなー? やっぱりフェイトを間近で見ていられる立ち位置に着きたいかな? お姉ちゃんとして」

もしここにフェイトがいたら恥ずかしさで顔を赤く染めていた事だろう。
最近フェイトはアリシアに構ってほしい、といった行動を取る事が多くなったからである。
まぁなのはに構ってほしいと比べれば少ない方なのだが…。

「それじゃ休憩も終わりにして次は基本の強化系を学びましょうか。基本もとっても大事になってくるわ。私がカートリッジシステムを使わないのも身体強化を使っているおかげだし」
『わかった!』

三人とも大きく返事をしてシホに応えた。

「そして強化も様になってきたようなら次は暗示系、結界系、治癒系、黒魔術系、呪術系、錬金術系………と少しずつだけど魔術の幅を増やしていきましょうか。
三人の適性魔術も見極めないといけないしね」

シホの上げた魔術の数々に三人はどんな魔術が得意なのか胸を高らかせる。

「ちなみにやっぱりすずかは魅了の魔眼が適性魔術だと思うのよ。そこは魔眼持ちのライダーかアルクェイドに習うのもいいかもね」
「うん!」
「後、今はいないけど実はなのはは治癒魔術が一番適性が高いのよね。魔導師とは正反対で平和な適性だわね」
「なのはらしいわね」
「うんうん!」
「そうだね!」

三人がなのはの適性に合っていると述べている中、

「それと三人とも。なにか緊急事態でも起きないかぎり決して人前で魔術は使わないようにね?
過去の私が悪い見本だけど変に注目を浴びるのはあなた達にとっては不本意でしょう?」
「そうね…。もしかしたらもう私達の世界にもシホがいう魔術協会のような魔術師を総括する怪しい組織が生まれている可能性があるのよね?
それとそういったもとから存在するカルト集団から魔術回路持ちが生まれる可能性も考えておいた方がいい、そんなところ…?」
「その通りよ。だからむやみやたらに魔術の行使は控えることね。
あ、それも見越して三人には記憶を暗示で操作する術を覚えさせるのもいいかもね?
記憶を操作して魔術を使った光景の記憶だけ無くさせるのも一つの手だわ」

シホはなにかシルビアとしての人格が半分混じっているようでさっきから妙に饒舌で舌が回っている。
それでも三人はタメになる話なら聞き逃しちゃダメだという思いでシホの言葉に耳を傾けている。
そして近い将来は三人ともシホを越えてかなりの魔術師として成長するのは確定事項なのだが今はまだ咲き始めたばかり。
焦っては事をし損じてしまうのでシホの基本的方針である無茶は絶対にしてはいけないを無意識に実践しているのであった。

「…うん。やっぱり覚えさせる事は山ほどあるわね。だから…三人とも、覚悟しておきなさいね?
私が三人をかなりの腕の魔術師に成長させてあげるから。それはもう魔導師にも引けを取らせないほどのね」
『うん!』

それから三人はもう使い終わったランプなどを強化させていく一見地味だが基本でもある魔術をしていた。
その折、

パリンッ!

「あっ…!」

ピシッ!

「わっ!?」

ガシャンッ!

「あうっ!?」

三人とも強化のしすぎでランプを割ってしまっていた。
最後に派手に割れたのはアリサのだった。

「ほらほら。強化のし過ぎよ。そんな事じゃ先は遠いわよ?」
『はーい…』

それで三人はまた強化の練習を再開する。

「くくくっ…まだまだ青いよの。儂のマスターなのだからもう少し頑張ってみよ、アリサ」
「分かってるわよ! こんな単純作業、すぐに会得してあげるわよ!」
「その意気だ。呵呵呵!」

アサシンはアサシンなりにアリサの事を応援しているらしい。
そこにすずかの護衛としてメイド姿のライダーがバニングス邸にやってきた。
その姿を見てシホは、

「ライダーももうメイド姿が板に付いてきたわね…」
「はい。おかげさまで。それよりシホ、スズカの調子はどうですか?」
「まだまだこれからね。今はまだ基本の強化魔術を練習中よ」
「そうですか。スズカ、頑張ってくださいね」
「うん。ライダー。私、頑張るね!」

すずかはライダーの言葉に頑張りながらも返す。

「キャスターもいるからキャスターに呪術も学ぶならアリかもしれないわね」
「こうして考えてしまいますとメディアももしいたらいい師匠になれたでしょうね…」

ライダーがそんな事を言いだすがすぐにシホが、

「いない人を無い物ねだりをしてもしょうがないわ。それにメディアだったらなにか対価を支払わないと教えてくれなさそうね?」
「確かに…そうですね」

それでシホとライダーはため息を吐く。

「シホちゃん、ちょっとここを見てもらっていい?」
「なに、すずか?」
「今度はうまくいったと思うんだけど…」
「そうね…少し調べてみるわ。解析開始(トレース・オン)

それでシホはすずかの強化したランプを調べてみる。

「………」
「どう、かな…?」
「うん。ちゃんと強化できているわ。この調子でやっていきましょうね」
「うん!」
「シホ、こっちも!」
「こっちも頼むわ!」
「はいはい、すぐに見るから慌てないの」

そんな感じでシホは三人の強化具合を解析するのだった。
ライダーはその光景を感心した目で見て、

「リンにこてんぱんに魔術で絞られていたシロウが、シホとなった今では人を教える立場になっているとは…変われば変わるものですね」

そこにシホが戻ってきて、

「…それはやっぱりイリヤとシルビアさんのおかげだと思うのよ。シロウのままだったら人にモノを教えるなんて到底できなかったと思うから。
実際士郎ははやてに魔術を教えていないでしょ…?」
「そうですね。そのような話は聞きませんね。
むしろ魔導の方はリインフォースに教わり、魔術はキャスターに教わっているそうです」
「やっぱり八神家は色々と豪華ね」

シホはそう呟いた。
八神家は教える人も充実していると。
将来は某鉄槌の騎士も人に教える立場になるのだからやはり有能な人材が揃っていることになる。


◆◇―――――――――◇◆


…そんなある日にアリサはすずかと一緒に学校の帰り道を歩いている時だった。

「こうして二人で帰るのも久しぶりね」
「そうだね、アリサちゃん。最近はシホちゃんとかと帰ることが多いけど、でも管理局のお仕事があるから途中で早退することも多くなったもんね」
「そうね。あたし達も中学に上がったらそんな生活になるのかしらね」
「そうだね」

そんな事を話している時だった。
突然目の前から黒いスーツを着た男達が何人も現れる。
それにすずかとアリサはまたか…と、欝陶しそうに思う。

「月村すずかにアリサ・バニングスだな?」
「そうだけど…なんですか、あなた達は?」
「君達を迎えに来たものだよ。さぁ、一緒に着いてきてもらおうか」
「「嫌です」」

二人は怖じけもせずその誘いを断った。
それで男達はすぐに表情を怒りに染めて、

「ガキだと思って下手にでていりゃいい気になりやがって! おい、野郎共! さっさと二人を捕らえるぞ!」
『おー!』

のぶとい声をあげて男達は一斉に二人に仕掛けてくる。
しかし二人には守護者がいる事を男達は知らない。
どこからともなく鎖が伸びてきて一人の男を縛り上げ、他の男達も全員気を失い倒れだす。
命令していた男だけは状況が理解できずに間抜けな面をさらす。すぐにそいつも気絶させられる。
そして二人の前に二人の男女が出現し、

「スズカを襲おうとするとは命知らずですね…?」
「儂等がいることも知らずよくかかってきた。よって峰打ちにしておいた。ありがたく思え。儂の一撃を手刀だけで済ますのだからな。本当なら殺しておるところだぞ?」

ライダーは妖艶な笑みを浮かべ、アサシンは豪快に呵呵呵!と笑う。

「ライダー。全員連行しようか」
「そうですね、スズカ」
「たっぷり絞りだすわよアサシン!」
「うむ。セイバーのマスターにも協力を願うとしようか」

もう日常とばかりに男達を運んでいくライダーとアサシン。
すずかとアリサの二人はシホの教えにより精神的にも強くなっているのだった。
ライダーとアサシンという助けてくれる存在も二人を勇気づけてくれている。

「すずか。これからも頑張りましょうね!」
「うん! アリサちゃん!」

二人で拳を付き合ったのだった。


 
 

 
後書き
今から型月世界みたいに時計塔が魔術師の巣窟になるのはないかと思います。
魔術世界の歴史がないですから…。それに突然魔術の力を自覚しても疑心に駆られる人が多いと思いますので。

それともうすずかとアリサが誘拐されることはないでしょう。最強のボディガードがいますから。 
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