おいでませ魍魎盒飯店

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。ページ下へ移動

< 前ページ次ページ > 目次

Prologue　食の荒野に生まれ落ちて
遠い世界の話をしよう

　神も見捨てた魔境の果てに。
　昼なお暗い樹海の果てに。
　魔族や魔王たちの住まう場所がある。
　結界によって閉ざされたその悪しき領域を、
　人は絶界"モルクヴェルデン"……もしくは単純に"魔界"と呼んだ。

　そして魔界には人のかわりに魔物たちの生活があり、
　ある者は森を切り裂いて石畳の地面の上に石とレンガの街並みを設え、
　またある者は地中に深く穴を掘って快適な地下都市を築き、
　またある者は世界樹のごとき巨木の上に巨大な鳥の巣のようなコロニーを生み出した。

　生き物が集まれば、そこに社会が生まれるのがこの世の慣わし。
　社会を支えるために産業が生まれ、
　その産業を支えるためにさらに別の産業が生み出されてゆく。

　そんな社会の営みの中で、
　また新たなる産業が魔界にもたらされようとしていた。
　これは勇者と魔王の争いに関与せず、
　魔界の片隅でひっそりと暮らしていた、
　とある妖精の少女の物語。

後書き

(･x･)ﾉ[コラム:魍魎]
　古くは中国における自然霊のことであり、今では妖怪の総称でもある。
　あるいは罔両とも書き、日本における水を司る女神とも同一視された。

< 前ページ次ページ > 目次

ページ上へ戻る

感想を書く

この話の感想を書きましょう！

全て感想を見る：感想一覧

おいでませ魍魎盒飯店

Prologue 食の荒野に生まれ落ちて 遠い世界の話をしよう

感想を書く

Prologue　食の荒野に生まれ落ちて
遠い世界の話をしよう