魔法少女リリカルなのは 月光の軌跡
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第7話 この~木何の気?
お犬騒動(イクス命名)から約一週間
集まったジュエルシードは5個
今日は日曜日、高町士郎がコーチ兼オーナーをしている【翠屋JFC】の試合が行われる
イクス、なのは、アリサ、すずかは応援のため、試合が行われる河川敷に来ていた
翠屋チームのFWがゴールを決めた時、ユーノはなのはに念話で話かける
『これって、コッチの世界のスポーツなんだよね』
『うん、そうだよ。サッカーって言うの』
なのははサッカーのルールを簡単に説明する
『ユーノくんの世界には、こんなスポーツなかったの?』
『あるよ、僕は研究と発掘ばっかりであんまりやってないけど』
『にゃはは、私と一緒だ。スポーツはちょっと苦手』
『大変だね、インドアコンビは』
イクスが念話で言う
『そういうイクスはどうなの?』
『私? スポーツは得意だよ。というかゴーレムマイスターって結構狙われやすいからね。近接戦闘もしっかり出来ないとダメだからソラやテッドに相手してもらってる』
『誰?』
突然出てきたしらない名前に疑問符を浮かべるインドアコンビ
『私の使い魔。今度紹介するね』
そんな話をしている内に2対0で【翠屋JFC】が勝利し、翠屋で勝利祝いをすることになった
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その日の昼下がり
街中に突如巨大な木が出現した
自宅でのんびりとしていたイクスはジュエルシードの発動を感じ、なのは達に念話を送る
『なのは!』
『イクスちゃん! 今』
『分かってる。ジュエルシードが発動したみたい、先に行っとくよ!』
そう送った後、ケルを連れ、窓から飛び出す
イクスは屋上から屋上へと目の前にうつる木を目指して跳ぶ
少し行くとビルの屋上にセットアップしたなのはが見えた
「なのは!」
「イクスちゃ…って、ええええええええええ!?」
ななははセットアップせずに自分の身体能力だけでビルの屋上を跳ぶイクスを見て驚いた声を上げる
「いっイクス…君はいったい…」
ユーノは若干混乱している
「そんなことより、ユーノ、どうすればいいの?」
イクスの言葉で我に返ったユーノは落ち着いて言う
「封印するには、接近しないとダメだ。まずは元となる部分を見つけないと……でもこれだけ広い範囲になると、どうやって探したらいいか…」
「だってさ、お願いね、ソラ、テッド」
『『了解!!』』
イクスが言うと念話で返事が返ってきた
「これ以上被害が広がるといけないから結界張っとくね」
そう言ってイクスは封時結界を展開する
すると全員に女の子の声で念話が飛んで来た
『イクス! 原因発見!』
「早っ!」
ユーノが驚きの声を上げる
『了解、そっちにテッドいる?』
『いるよ』
今度は落ち着いた男の子の声が聞こえた
『じゃあ、許可出すからクラッシュレイジでコア周辺を破壊して』
「「許可?」」
ユーノとなのはの声が重なる
「なのは、コアが露出したら急いで接近、そのまま封印するよ」
「待って! イクスちゃん!」
なのはが言う
「何?」
「ここから封印する。…出来るよね? レイジングハート」
《シーリングモード セットアップ》
レイジングハートの形状が変わる
宝石部分はそのまま、周りの金色の部分が形状変化をする
その形は砲撃に適した形、そしていつものように魔力フィンが発生する
『ソラ! テッド! コア周辺を破壊したらすぐに離脱して! インドア1の砲撃が飛んでくるよ!』
「ちょっ」
その時、なのは達の目の前の木に3m程四本足の赤い鱗を持つ翼の無い巨大な鉤爪を持つ竜が出現した
竜は鉤爪を振り上げる
―――クラッシュレイジ
振り下ろされた鉤爪は木に命中
バキバキと音を立てながら木が崩れる
目の前に光の球が浮かぶ
「さっさと封印よろしく!」
イクスに言われなのはは砲撃の構えをとる
「行って! 届いて!」
レイジングハートの先端から桜色の魔力砲が放たれる
《スタンバイレディ》
「リリカル・マジカル、ジュエルシード、シリアル10。封印!」
《シーリング》
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「ありがと、レイジングハート」
《グッドバイ》
レイジングハートは待機状態に戻る
(僕にも使えない遠距離魔法。この子、いったいどれだけの才能を持ってるんだろ)
「おーーい、主さまーーー!!」
ビルの上を跳んでやってくる2人の人影
1人は赤い髪をショートカットにした活発そうな少女
もう1人は同じく赤い髪をしたおとなしそうな少年
人と違う点といえばどちらも角が生えていることだろうか
2人はイクス達のいる屋上にたどり着く
「お疲れ様。ソラ、テッド」
「うん!」
「がんばった」
少女、ソラは元気な声で言い
少年、テッドは対照的な落ち着いた声で言う
「いくす、この人たちが「わお! おいしそうなフェレット!」わ!」
ユーノがソラにつかまれる
「ねえイクス、食べていい? 食べていい? 食べていいよね! いったっだきまーす!」
「コラ、食べたらおなか壊すからダメ」
イクスに言われぶーと膨れるソラ
未だにつかまれたままのユーノは真っ青になっている
「姉さん、貸して」
テッドに言われしぶしぶユーノを渡すソラ
「ごめんね、姉さん小さいもの見ると片っ端から口に放り込む悪癖があるから」
「う、うん」
テッドはなのはにユーノを手渡す
なのはは変わり果てた街を見てつぶやく
「いろんな人に…迷惑かけちゃったね」
なのはは膝を抱えてしゃがみこむ
ユーノはなのはを元気付けようとして言う
「なのは、おねがい。悲しい顔しないで、元はといえば僕が原因で…なのははそれを手伝ってくれてるだけなんだから」
なのははうつむいて返事をしない
それを見て痺れを切らしたイクスが大声で言う
「ああー! もう! なに勝手に自分のせいにしてるの!? なにもアンタだけの責任じゃないんだから!」
「そうだよ! 主さまの言う通りだよ!」
ソラもそれに乗って言う
「でも……」
「口答え禁止! そんなことをした罰にうにゅーの刑だー!」
イクスは問答無用でなのはの頬を引っ張る
「いくひゅひゃん、いひゃい(直訳:イクスちゃん、いたい)」
「だいたい、ロストロギア相手に今まで被害が無かったのは奇跡に近いんだよ? 管理局でもこんなこと中々出来ないんだよ? もっと自信持ちなさい!」
「いっイクス、その辺に…」
ユーノが止めようとするが
「やーい、へんなかおー」
ソラに阻まれた
「主様、そのへんで」
テッドに言われイクスはなのはの頬から手を離す
「なのはさん、主様の言う通りです。ロストロギア関連で今まで死人が出なかったのは貴女のがんばりのおかげです。自信を持ってください」
「テッドさん…」
「テッドで構いません」
「うん、ありがとう。テッドくん」
「は「あー! テッドだけズルイー! 私も私もー!」い」
ソラが駄々をこねる
「ソラちゃんもありがとう」
「えへへ」
なのはとソラ、テッドが友情を築いている間にイクスが口を開く
「なのは、結界を解除するよ」
「うん」
イクスが言うと結界が解除される
突然消えた木に道行く人の驚きの声が聞こえた
「じゃ、また明日」
そう言ってイクスとソラ、テッドはビルの屋上から違うビルの屋上へと跳んで行った
再びなのはの驚きの声が聞こえたがイクスは気にしなかった
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その日の晩
多くの人が寝静まった中、1つの人影が屋上から屋上へと跳んでいた
「全く、いっつも壊れたものを直すのは私の仕事なんだよね」
人影の正体はイクスだった
イクスはケルをセットアップし、事件の中心だった場所に来る
そして、その場で片膝をつき、右手をつき、目を閉じる
「我が内に眠りし魂よ、その力の一端をここに示せ」
イクスが言うとひび割れた道路や倒れた電柱、壊れた建物がが逆戻しになるようにして元に戻る
目を開けたイクスは「ふう」と息を吐き出し、行き同様に屋根の上を飛んで帰った
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同時刻、月明かりに照らされて2人の少年と少女、大きな狼が海鳴の街をみていた
「ホントにこの付近にあるのかい? 月斗」
「ああ、たしかにこの付近にあるのは間違いない」
「ロストロギア、形態は青い宝石、一般呼称は【ジュエルシード】行くよ、月斗、アルフ」
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