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とある星の力を使いし者

作者:wawa
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第53話

あの日は仕事がある愛穂と途中で別れて、寮に戻って寝る事にした。
麻生は頻繁にあの医者から呼び出しが来ると思っていたが、予想を反してあの日から一度も電話はかかってこなかった。
おそらく、医者として出来る限りはこちらで見るつもりなのだろう。
そして、本当に手が足りなくなったら麻生達を呼んで助けてもらう。
こう考えているのだと麻生は考える。
何事もなく日常生活を送っていると、放課後に電話がかかってきた。

「やぁ、今から病院に来れるかい?
 彼らの面倒を見てほしいんだけどね?」

「分かった、今からそっちに向かう。」

頼んだよ、と言って医者と通話を切る。
麻生は電話帳から愛穂の番号にかけて合流する。
前と同じように門の前で待っていると、愛穂がやってくるが肩には大型のスポーツバッグがかけられていた。
大掛かりな荷物を見た麻生は愛穂に聞く。

「何だ、その荷物は?」

「これはあっちの仕事に必要な物。
 ウチはもうすぐ警備員(アンチスキル)の仕事があるから途中で抜けるけど大丈夫じゃん?」

あの二人の面倒は大変だ。
だが、愛穂と一緒に面倒を見ればそれも少しは軽減されると思っていたが、どうも一人で面倒を見なければならないようだ。
それを考えた麻生は今から疲れたような表情を浮かべるが諦めた様なため息を吐く。

「まぁ仕事ならしょうがないな。」

「そう言ってくれるだけで嬉しいじゃん。」

そう言いあいながら病院に向かって歩き出す。
病院につくとカエル顔の医者に案内されて、二人の入室している病室に入る。
中に入ると一方通行(アクセラレータ)は扉に背を向けるように寝ていて、打ち止め(ラストオーダー)は退屈そうにベットの上で胡坐をかいていた。
扉が開く音が聞こえ、打ち止め(ラストオーダー)は身体ごとこちらに向けて、一方通行(アクセラレータ)は視線だけをこちらに向ける。
打ち止め(ラストオーダー)は二人がやってきた事が嬉しいのか笑顔を浮かべ、一方通行(アクセラレータ)は一度だけ確認すると再び寝始める。

「おお!!やっと来た、ってミサカはミサカは二人の訪問を歓迎してみたり。」

暇をつぶせる相手がやってきたのかテンションが上がる打ち止め(ラストオーダー)
麻生はこいつを一人で相手をしなければならない事を考えて少しだけ憂鬱になる。
医者はそんな事を気にせずに話を進める。

「さて、二人ともお風呂の時間だよ?」

「ようやくお風呂に入れるのか、ってミサカはミサカは久しぶりのお風呂にテンションを上げてみたり。」

打ち止め(ラストオーダー)はベットから飛び上がり、入浴の為の道具を取り出して準備をする。
一方通行(アクセラレータ)もゆっくりとベットから起き上がると面倒くさそうに道具を用意する。
医者は二人に聞こえないように麻生と愛穂に話しかける。

「これから他の患者の診察があるから後はよろしくね?
 気難しい二人だけど何とか頼むね?」

「任せるじゃん。」

「まぁ何とか頑張るさ。」

医者は風呂場の部屋の位置を教えて病室を出て行く。
それと入れ違うように一方通行(アクセラレータ)打ち止め(ラストオーダー)がやってくる。
四人は病室を出て、病人専用の風呂場の部屋まで移動する。
打ち止め(ラストオーダー)は元気に先頭を歩きながらお風呂♪お風呂♪、ってミサカはミサカは楽しみのあまりお風呂の名前を連呼してみたり、と楽しそうに歩いている。
その後ろを愛穂、さらに後ろに一方通行(アクセラレータ)と麻生が並んで歩いている。

「オイ。」

すると、一方通行(アクセラレータ)は愛穂に聞こえないように麻生に話しかけてきた。

「何だ?」

「どォいう風の吹き回しだァ?
 テメェとは前の実験で戦った関係だ。
 それなのに今度は俺の面倒を見るとか一体何が目的だって聞いてンだよ。」

一方通行(アクセラレータ)は麻生が何か裏があって世話をしていると考えているのだ。
だが、麻生は素直に答える。

「別に目的とか何もない。
 ただ俺は桔梗にお前達の世話をしてくれって頼まれたから世話をしているだけだ。
 まぁ、個人的にお前に興味があるって言うのもあるが大方の理由はそっちで合っている。」

一方通行(アクセラレータ)は麻生の顔を凝視する。
麻生の顔に嘘をついているような感じはしなかった。
納得したのかその後、一方通行(アクセラレータ)は風呂場に着くまで何も聞いてこなかった。

「一番乗り!!、ってミサカはミサカは駆け足で入ってみる。」

風呂場に着くと打ち止め(ラストオーダー)は我先にと風呂場まで入る。
一方通行(アクセラレータ)はそのまま打ち止め(ラストオーダー)が上がってくるまで、待っていようとしたが愛穂が近づき、一方通行(アクセラレータ)に話しかける。

「ああ、そうだ。
 一方通行(アクセラレータ)も一緒に入るじゃん。」

「はァ?」

何を言っているんだ?、って表情を浮かべる一方通行(アクセラレータ)

「お前さんの他にもこの風呂場を使う人はいるじゃん。
 それなら二人一緒に入って時間を短縮させた方が良いじゃん。
 それにあの子が溺れる可能性も無きにしもあらずじゃん。
 お~い、打ち止め(ラストオーダー)
 こいつも一緒に入るけど問題ないじゃん?」

「ミサカは全然問題ないよ、ってミサカはミサカは即答で返してみたり。」

「てなわけでさっさと入るじゃん。」

愛穂が強引に一方通行(アクセラレータ)を押して無理矢理風呂場に入れる。
一方通行(アクセラレータ)は麻生に何とかしろ!!、という視線を送ったが麻生は無視した。
中に入ると観念したのか服を脱いで風呂に入る。
愛穂と麻生はそれぞれ壁に背を預けて一応、見守る事にする。

「ばしゃばしゃばしゃばしゃー、ってミサカはミサカは狭いお風呂の中でバタ足してみる。
 小っこい身体を有効利用した屋内レジャーかも、ってミサカはミサカは新たな可能性を提示してみたり。」

「チィッ、お湯が顔に・・・!
 オマエ風呂の中で自由自在に泳ぎ回ってンじゃねェよ!!」

「「反射」が使えないと不便だね、ってミサカはミサカは気の毒そうに視線を向けてみたり。
 それにしてもシャンプーが目に入って涙ぐむ最強の能力者ってどうなの、ってミサカはミサカは呆れてみる。」

打ち止め(ラストオーダー)の言葉を聞いた麻生は一方通行(アクセラレータ)はシャンプーで涙ぐむ場面を想像してしまい、珍しくクスクス、と笑っている。

「別に「反射」が全く使えねェ訳じゃねェよ。
 まァ、オマエらのネットワークを利用して演算処理してっからでかい顔はできねェけどな。
 ただな、ここで「反射」使っちまったらお湯まで肌から弾いちまってそもそも風呂場に来る意味がねェだろうがよォ。
 あと涙ぐンでねェよ別に目に入ったって痛くねェよ。
 確かにシャンプーが目に入るのはこれが初めてだけどよォ!」

「ばしゃばしゃばしゃばしゃー」

「ヨミカワァァあああああああああ!!
 何でこれの俺がクソガキのバタ足攻撃なンざ食らわなきゃなンねェンだよォォォ!!」

「ダメじゃーん。
 小さい子供の場合はお風呂で溺れる危険もあるんだから。
 誰かが監督してあげないと危ないじゃんよ。」

「じゃあ、オマエが監督すりゃ良いだろォがよォ!!」

「ダメじゃーん。
 そんな暴れん坊の相手してたら黄泉川さんは濡れ濡れの透け透けになっちゃうじゃんよ。
 ってか、ようやくお風呂に入れるようになったんだから、ちゃんと身体は洗っとけ。」

「アソウォォォおおおおお!!!!
 テメェもこっち来てクソガキの面倒を見上がれェェェ!!!」

一方通行(アクセラレータ)はどうして自分の名前を知っているのか少し疑問に思ったが、一方通行(アクセラレータ)の叫びに答える。

「俺が風呂に入る意味もない。
 それにそんな狭い風呂場に三人も入れないだろ。」

「それなら俺と変われって言ってンだよォ!!」

「何でそんな面倒くさい事しないといけないんだ。
 しっかりお前が見守ってやれ。」

「クソッたれがッ!!
 どォして俺の周りには、まともに人の話を聞こうっつー思考パターンを持った人間が一人もいねェンだっつの。」

俺はまだ比較的に聞いている方だと思うんだが、っと麻生は密かに思ったが口に出すとまた面倒な事になりかねないので黙っておく。
すると、愛穂は壁から背中を離して言った。

「お二人さんに伝言じゃん。
 ちょっくらお姉さんは警備員(アンチスキル)の仕事に行ってくるから仲良く待っているように。
 いい子にしてたらお土産持ってきてやろうじゃん。」

「はーい、ってミサカはミサカは必殺バタ足攻撃で大量のお湯をぶちまけつつ答えてみたり。」

こンのクソガキがァァああ!!、という叫び声に背中を向けて、愛穂は足元に置いてある大型のスポーツバッグの紐を肩にかける。

「行くのか。」

愛穂の顔を麻生はじっと見つめる。

「麻生はあの子達の面倒を見てあげて。
 一応、大丈夫だと思うけど念には念をじゃん。」

「・・・・・分かった。
 これを渡しておく。」

麻生はポケットからお守りを取り出すと愛穂に手渡す。
見た目はどこの神社で手に入りそうな安全祈願、と書かれたお守りだ。

「もし愛穂に危険が及ぶならそのお守りが守ってくれる。
 それが反応したら俺にも何かあったて分かるからすぐに駆け付ける。」

愛穂はそう言うオカルト的な事はあまり信じていないが、麻生からの贈り物なのでありがたく受け取る。

「それじゃあ、行ってくるじゃん。」

「ああ、気をつけてな。」

そう言って愛穂は病院を後にした。
いつの間にかお風呂場から騒ぎ声が聞こえなくなっていた。

「クソったれが、ヒザ上までしかお湯が残ってねェぞ。」

「もはやバタ足すらできないかも、ってミサカはミサカはそれでも工夫次第で何とかならないかと首をひねってみたり。」

どうやら騒ぎ過ぎたみたいでお湯が無くなり停戦協定を結んだようだ。
麻生はため息を吐いてお風呂場にいる二人に話しかける。

「おい、お湯が無くて困っているのか?」

「あァ?そォだけどォよ。
 それがどうかしたのか?」

「いや、お湯くらい俺が用意してやるよ。」

麻生は壁を伝ってお風呂場の広さを調べ、湯船の広さも調べる。
お湯の温度を頭に浮かべて指をパチン、と鳴らす。
すると、二人の頭上に大きなお湯の塊が出現して落下してくる。

「おお!!凄い凄い!!どうやったの、ってミサカはミサカは見た事のない現象に驚きながらも聞いてみたり。」

「ったく、相変わらずバケモノな能力だな。」

二人は頭からお湯を被ったが怒る事はなく、打ち止め(ラストオーダー)は突然の出来事に驚きながらも楽しみ、一方通行(アクセラレータ)は少し呆れながら言った。

「でも良かった、お湯を無駄遣いしている事がヨミカワに知られたら怒られると思っていたもん、ってミサカはミサカはその事を想像してぶるぶる震えてみる。
 でもヨミカワは今日はもう病院には戻ってこないかも、ってミサカはミサカはちょっと楽観してみたり。」

「お前、愛穂から何か聞いているのか?」

「んーとね、ヨミカワの方からじゃなくてね、ってミサカはミサカは説明してみる。」

そして打ち止め(ラストオーダー)は次にこう言った。

「ネットワークからの情報でこの学園都市に「樹形図の設計者」(ツリーダイアグラム)残骸(レムナント)が運ばれているの、ってミサカはミサカは説明を始めてみる。」

この発言に麻生と一方通行(アクセラレータ)は言葉を失った。 
 

 
後書き
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