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ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者

作者:黒神
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番外1 日常


「・・・闇慈先輩」

「ん?どうしたの?小猫ちゃん」

アーシアがこの学園に入学して数日がたった。アーシアはその後一誠の家にホームステイすることとなった。そしてクラスも一誠達と同じクラスになり、クラスメイトと馴染んでいた。そして何も大きな問題が起こらずに部室で闇慈がくつろいでいると小猫が話しかけてきた。

「・・・闇慈先輩。約束をまだ果たして貰ってません」

「約束?(・・・ああ!!あの事か)」

第十話参照。

「・・・もしかして忘れましたか?」

「覚えてる!!覚えているからそんなに恐い顔にならないで!?小猫ちゃん」

小猫の顔は少し険しくなり、魔力が少しずつ漏れ始めた。闇慈はリアスから小猫は怪力の持ち主だと聞かせれたことを思い出すと急いで闇慈は小猫を落ち着かせた。

「生チョコの約束だよね。覚えてる。今日は流石に無理だから明日持ってきてあげるからそれで許して?」

「・・・約束ですよ?先輩。破ったら・・・」

「それ以上は言わないで?小猫ちゃん。じゃあ明日の昼休み迎えに行くね?」

「・・・(コクッ)」

闇慈は約束を胸に刻みつけ、家に着くと早速、簡易の生チョコを作り始めた。

~~~~~~~~~~~~

翌日。昼休みになると闇慈は弁当と昨日作った生チョコを入れたタッパを持ち小猫のいる教室に迎えに行った。

(流石に小猫ちゃんの教室で食べるのは無理があるから屋上に誘うかな)

そして教室に着き、ドアを開けると・・・

「あ!闇慈先輩!!」

「今日はどうしたんですか?」

教室にいる女子達が集まってきた。

(あれ?どうしてこんなに集まってくるの?祐斗じゃないのに・・・)

実は闇慈も祐斗と同じ位人気があるらしい。長身で心優しく成績も上位に入ってそしてなによりイケメンなのが理由らしい。その事を本人は知らないため少し動揺したようだ。

「えっと。塔城小猫さんはいるかな?」

「はい!小猫さんならあそこに」

一人の女子が指さした先には外を眺めながらぼんやりしている小猫がいた。

「ありがとう」

闇慈はその子に優しく微笑んだ。

「いえ。闇慈先輩のお役に立てて嬉しいです」

「では、失礼するね」

闇慈が了承をとると小猫の元にやって来た。

「・・・闇慈先輩。遅いです」

小猫は昼食も取れなかったのか少し不機嫌そうだった。

「ごめんごめん。じゃあ行こうか?」

「・・・(コクッ)」

闇慈と小猫が教室を出ようとすると・・・
「小猫さんって闇慈先輩と付き合ってるの?」
「二人ともお似合いだな~・・・でも羨ましいよ~」
などと周りの女子達は小声で話していたみたいだった。

~~~~~~~~~~~~

闇慈は小猫を連れ、誰も居ない屋上に来るとベンチに腰を下ろし、昼食を食べ始めた。小猫は売店のパンを口にし出した。

「・・・闇慈先輩。それって手作りですか?」

小猫は何かに気がついたのか闇慈に問いかけた。闇慈が食べていたのはサンドイッチだ。恐らく今日の朝作ったものらしい。

「うん。僕は料理が好きだからね」

「・・・意外です」

「よく言われるよ」

闇慈はそのままサンドイッチを再び食べ始めたが・・・

「・・・(ジーー)」

「・・・」

「・・・(ジー-)」

小猫がエサを欲しがる仔猫ような目でサンドイッチを見ていた。

「・・・欲しいの?」

「・・・(コクコク)」

闇慈はサンドイッチを一つ小猫に手渡すと、小猫は美味しそうに食べ始めた。

「美味しい?小猫ちゃん」

「はい。美味しいです」

そう言うと小猫は小さくではあったが笑みを浮かべた。闇慈はその事を見ると笑いがこぼれた。

「・・・どうしたんですか?闇慈先輩」

「いや。小猫ちゃんが笑った所を初めて見たからね。良い物が見れたよ」

「・・・」

小猫は顔を赤らめながら再びサンドイッチを食べ始めた。

「それじゃあデザートと行こうか?小猫ちゃん」

闇慈は持って来たタッパを取り出しフタを開けると小さな正方形の生チョコが10~12個ほど入っていた。

「・・・これも闇慈先輩が?」

「そうだよ。と言っても簡単な生チョコだけどね」

「・・・いただきます」

小猫は闇慈が持って来たつまようじで生チョコを刺し、食べた。すると小猫からまた笑みがこぼれた。

「どうかな?小猫ちゃん」

「・・・美味しいです」

「そう。良かった」

タッパに入っていた生チョコは一気に無くなってしまった。それだけ美味しかったのだろう。

「満足した?小猫ちゃん」

「・・・はい。あの・・・闇慈先輩」

「何?小猫ちゃん」

「・・・また作ってきてくれませんか?」

小猫は赤らめながら上目遣いで頼んできた。この時闇慈の心の中では・・・

(やっぱり小猫ちゃんは可愛いな。まあその笑顔が見れるのならお安いご用だけどね)

「・・・闇慈先輩?」

「良いよ。流石に毎日は無理だけど。週に一回は作ってきてあげる」

「・・・っ!!ありがとうございます、闇慈先輩」

その時の小猫の笑顔は本当に可愛かったと闇慈は思ったらしい。しかしその後、闇慈の料理の腕の良さがリアス達にも知れ渡り、部員全員にチョコを作るハメになったと言う。
 
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