ソードアート・オンライン stylish・story
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第二十二話 真実
キリト、アスナ、シュウ、そしてユイの三人がユリエールに連れられてやって来たのは、第一層にある裏ダンジョンだった。ここのダンジョンは隠されている事もあるのか第一層のモンスターとは比べ物にならないほど強かったが攻略組みのアスナとキリト、そしてデビルメイクライのシュウにとっては根を上げるほどではなかった。と言うよりも・・・
「はあああ!!!」
「イィィィヤハァァァ!!!」
キリトとシュウが二人で競い合うかのように目前のモンスターを蹴散らしていった。残りの女性三人はそれを見守るように後ろで見ていた。
「パパ、おじさん。頑張って♪」
「ああ!スキル発動!!スターバーストストリーム!!!」
「おっと!こいつは負けてらんねぇな!スキル発動!!ミリオンスタッブ!!!Break down(砕けろ)!!!」
ユイの笑顔の応援に二人は答えたのかキリトはお得意の高速連撃を放ち、シュウは無数の突きからの強力な突きを放ちモンスターを倒して行った。その光景は二人の無双風景と言っても過言ではないだろう。
「何かすみません。お二人に任せきりで」
ユリエールが自分が全く戦っていない事を気にしているのかアスナに謝罪の言葉をかけるがアスナは気にしていないようだった。
「気にしないで下さい。あれはもう病気みたいなものですから」
数分後、眼前のモンスターを倒し終えたキリトとシュウは三人の所に戻るとさらに奥に進んだ。
~~~~~~~~~~~~
三十分後、さらに奥に進んだ五人はシンカーが居るはずの安全エリアが見える場所まで辿り着いていた。
「おっ、安全エリアだな・・・その中にプレイヤーが一人いるみてぇだ。どうやらあいつがシンカーだな」
シュウの感知スキルを生かした人物特定を聞いたユリエールは安全エリアに向かって走り出した。それを見たシュウ、キリト、そして途中で疲れて寝てしまったユイを背負っているアスナはその後を駆け足で追っていたがシンカーの言葉がエリア中に木霊した。
「ユリエール!来ちゃダメだ!その通路には!!」
「「っ!!」」
感知スキルの高いキリトとシュウは十字に交差する通路の死角にモンスターの名前が浮かび上がったのを確認すると急いでユリエールを交差点の直前で止めると・・・
ガキン!!!
大きな鎌の刃が地面に突き刺さった。ユリエールがあのまま普通に飛び出していたならどうなっていたか想像もしたくもないだろう。
その鎌の持ち主は再び死角に消えて行った。アスナはユリエールに目を覚ましたユイと一緒に安全エリアに退避するように促した。
二人が安全エリアに移動したのを確認するとアスナもレイピアを引き抜き、キリトとシュウの元に近寄った。そして三人が見たのは巨大な鎌を掲げ、黒のオーバーマントを羽織った骸骨のようなモンスターが目に入った。
(こいつは・・・骨が折れそうだな。識別スキルでも確認出来ねぇって事は今の前線より遥かに高いレベルのモンスターだな。そしてあの鎌はやっかいだ!!)
シュウが自己解析していると骸骨の赤い目が強く光ると三人に向かって鎌を振り下ろした。キリトとアスナは二人でその斬撃を防ごうと固まり、シュウはバックステップで避け様としたが・・・
「うわっ!!」
「きゃあ!!」
「キリト!アスナ!!」
キリトとアスナは斬撃に耐えられなかったのか吹き飛んでしまうと地面に倒れ伏しまい、シュウは・・・
ブワッ!!
「これは奴の剣圧・・・カハッ!!」
バックステップで避けたシュウは鎌から発せられてた剣圧によって体勢を崩され、壁に激突してしまった。
「クソッ・・・俺とした事が!!」
シュウはゆっくり立ち上がると50%削られたHPをヒールクリスタルで回復し、二人の元に寄ろうとしたが骸骨のモンスターは二人の前に立ちはだかる一人の少女に鎌を振り下ろそうとしていた。
それはユイだった。ユイはシンカーとユリエールと一緒に転移結晶で脱出してる筈だったがユイはキリトとアスナの事を気に掛けたの転移しなかったみたいだった。シュウは急いでユイの救出をしようと試みたが距離があり過ぎる。
「ユイ!!クソ!間に合わねぇ!!」
しかしシュウやキリトとアスナの眼には信じられない光景が入る事となった。
鎌の斬撃は眼に見えないバリアのような物に阻まれてしまい弾き飛ばされてしまった。そしてユイのカーソルにはこう示されてあった。
「「「Immortal object(破壊不能オブジェクト)!?」」」
それは建築物などの破壊する事が出来ないという事を示す【Immortal object】だった。次に見たのはユイが炎を纏う大剣を持ち、骸骨モンスターを燃やし尽くしている光景だった。
シュウはモンスターが居なくなったのを確認するとユイに近づく。そしてキリトとアスナも痛みに耐えながらゆっくりと立ち上がる。
「ユイ・・・」
「ユイ・・・ちゃん」
「ユイ・・・お前は」
「パパ、ママ、おじさん・・・全部、思い出したよ」
~~~~~~~~~~~~
安全エリアに移動するとユイは全てを話した。
ユイの正体はこのSAOのAI・・・人格を持ったプログラムだと言う事。
SAOが正式稼動し始めた日からプレイヤーのメンタルをチェックしていったが恐怖、絶望などの【負の感情】がプレイヤーを支配して行き、それと同時にユイの心も蝕まれていった。しかしそんな時に見つけたのが喜び、幸せ、安らぎなどの【正の感情】を持っていたキリトとアスナだった。ユイは二人に接触するためにフィールドを彷徨ったみたいだった。
「ここのGMアカウントでさっきモンスターを消去した事がシステム内で自動チェックされています。私の事も時期に消去されるでしょう。パパ、ママ、おじさん。ありがとう。もう・・・お別れです」
ユイが別れの言葉を発し、彼女の眼から涙が流れると体が光り始め、粒子となり始めた。
「ユイ!行くな!!」
「嫌ぁ!!これからなのに!!これから仲良くみんなで暮らそうって約束したじゃない!!」
キリトはユイの手を取り、アスナはユイを優しく抱き締めるが粒子化は止まらなかった。そして等々、ユイは完全に粒子となりアスナの腕の中から消えてしまった。
「う、う、うあああ!!!」
アスナは現実を受け入れる事が出来ないのか涙を流す。キリトも身体を震わせていた。
そしてシュウも現実の酷さに黙っている事しか出来ずに自分の非力さに握り拳を作る。
(俺は何も出来ねぇのか・・・?何も出来ねぇのかよ!!何が真紅の狩人だ!!何がデビルメイクライのシュウだ!!目の前で苦しんでいる妹やその家族すら俺は救える事は出来ねぇのかよ!!!)
シュウはガタンとコンソールとなっている台座を殴りつける。
しかしシュウはそのコンソールを見てハッと何かを思いついたのかそのコンソールにデータを打ち込んで行く。
「お兄ちゃん?」
「今ならこのコンソールを通してシステムに割り込むことが出来るかもしれねぇ!!ユイを助けるにはこれしかねぇ!!頼む!間に合ってくれ!!」
シュウは父親の後を継ぐために電子情報処理などのプログラミングを専攻していたためこう言った物はお手の物だが、このシステム相手に何処まで通用するか分からなかった。しかし・・・
バチン!!
「うおっ!?」
「シュウ!!」
「お兄ちゃん!!」
システムに弾かれてしまったのかシュウの体がコンソールから離れてしまい、それと同時にウィンドウも閉じてしまった。
弾き飛んだシュウの元にキリトとアスナが駆け寄る。シュウ自身に外傷無かったようで何かを握っている右手をアスナの胸元に差し出し、両手にそれを置く。差し出したのは涙の形をした水晶のような物だった。
「お兄ちゃん。これって・・・」
「ああ。ユイのプログラムがシステムから消去される瞬間に切り離し、オブジェクト化した物だ」
シュウの説明を聞いたキリトは眼を見開き、尋ねる。
「じゃあ・・・これは!!」
「・・・【ユイの心】だと言って良いだろうな。すまねぇ!!俺がもっと早く気付いていれば、ユイは!!!」
シュウが悔しいのか歯軋りをするがアスナは首を横に振る。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。ユイちゃんはここにいるから。そしてユイちゃんに笑顔でいるように言われちゃったからもう私は泣かないよ」
そしてキリトが続ける。
「ありがとな、シュウ。ユイの心を取り戻してくれて」
「キリト、アスナ」
「それにお兄ちゃんも笑顔にならないとユイちゃんも悲しむと思うよ?」
アスナの言葉とユイの心を見たシュウは何かを決心したような表情を浮べて笑顔になる。
「そうだな。俺もユイのために頑張らねぇと!!」
そして三人は転移結晶でそのフィールドから脱出した。
後書き
もうそろそろでSAO編は終了です♪
それとシュウがALOにインしたときの種族を全く考えていませんでした!!
SAOではダンテのようなスタイルをしていたので、ALOではバージルのようなスタイルで行こうと思います!!何か良い案がある読者様は是非、意見を下さい!!お願いします!!
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