魔法少女リリカルなのは・限界状況に挑む少女達(難易度大幅UP)
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最初にして最凶の物語
前書き
因みに、完全に見切り発車です。大体、本編準拠でやりますが……
ユーノ・スクライアは走っていた。全力で。
(くそ、何だアレは!?)
心の中で毒づく。
彼の背後には、全長10mを超す巨大な化物が迫っていた。
場所は97管理外世界「地球」
1ヶ月前、彼は偶然にもロストロギアを発掘した。
ロストロギア……数多の世界を急速に発展させ、突如として滅亡させてきたオーバーテクノロジーの総称。彼が発見したロストロギアは「ジュエルシード」数は21。危険度としてはAランクに相当する。ランクAに相当するロストロギアの取り扱いは、一般的に「極力注意し、速やかに管理局に提出」が妥当だった。
つまり、十分に危険ではあるが過剰に警戒する必要は無いという物。
しかし、ユーノ・スクライアはそれをよしとしなかった。本能的に悟ったのだ。
「これはランクAどころのモノでは無い」と。
故に、彼は発見後一時間以内に、管理局行きの船に急いでそれを載っけた。
恐らく、その判断は正しかっただろう。ただ、運の悪い事に運搬船に重大なトラブルが発生した。彼が発見したジュエルシード21個は全て、海鳴の町に降り注いだ。
その情報が入ったとき、彼はすぐさま「地球」に向かった。管理局のお役所仕事を待っていては取り返しがつかなくなると。
判断としては最適だった。ただ、実力的に妥当だったかというと……悲しいまでに無力だった。転移の際魔力を消費したとはいえ、彼我の実力の隔たりが余りにも大きすぎた。
「がはっ!」
何かが脇腹を掠めたと認識した瞬間、そこに風穴が空いていた。
……彼が弱い訳では決してない。寧ろ、魔導師としては非常に優秀な部類に入るだろう。だが、相手が悪すぎた……
「まずい……逃げ、なきゃ……」
血を流しすぎた頭で、朦朧としながら彼はある「二つ」の事をした。
一つは変身魔法。寧ろ、これは延命処置的な意味合いが強い。
もう一つは
「誰か……助けて」
不特定多数の、魔法の素養がある人物全てに向けてのSOSシグナル。
たった一回、されど一回。そのシグナルは運命の魔法少女「高町なのは」の道を大きく変える事になった。
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