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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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誰、それ?

<ラダトーム>

「なぁ…俺達はこのまま直ぐにラダトームを出発する予定なんだよなぁ?」
リュカを中心に騒がしく城下町を歩いていると、カンダタが遠慮がちに聞いてきた。
「えぇ、もうここで得られる情報は無いと思うので、王様から貰った地図を頼りに、南へ行こうと思ってます」
パーティーリーダーのアルルが彼氏の腕に抱き付きながら、質問者のカンダタへ答える…先程のティミーによる『可愛い』発言が影響し、喜びの感情を抑えきれずイチャイチャラブラブ鬱陶しい。

「そ、そうか…だったら少しでいいから時間を貰ってもいいか?ラダトームを出る前に挨拶しておきたい奴が居るんだ…」
「お!?何だ、何だぁ!?愛人の所へでも行っちゃうのか?」
申し訳なさそうなカンダタに対し、リュカが違う事を承知でからかってくる。
「ち、ちげーよ!…バコタに…昔とはいえ、仲間だったバコタに挨拶しておきたいんだよ!」
カンダタもリュカがふざけているのは分かっているが、モニカの手前力一杯否定する。

「何だ…女の所じゃないのか………んで、バコタって誰?」
「だ、誰って…旦那がメガンテの首輪(偽)で脅した奴だよ!…憶えてないのか?」
「へー…アイツ、バコタって言うんだ!?………変な名前!そんな変な名前だから、グレて盗賊になっちゃうんだよ!…良かった、ティミーってキレイな名前で…こんな良い子に育ってくれたもん!」
以前と同じように、バコタの名前を貶すリュカ。
そして、その勢いで息子を褒める…言われた本人は、嬉し恥ずかしで顔を赤く俯いてしまう。
同じように俯くアルルと共に、イチャイチャラブラブ鬱陶しい。

「………ア、アルル…構わないかな、少し時間を貰っても?」
勇者カップルのイチャイチャラブラブに引きながら、出立を遅らせる事に許可を求めるカンダタ。
「えぇ構わないわ!少しと言わず、しっかりと挨拶してきた方が良いわね!」
「うん、そうだね。例え相手が牢屋に入っているとしても、お友達は大事にしないと!遠慮しないでゆっくりしてきなよ。僕達は宿屋で待ってるから!」
勇者カップルがイチャイチャラブラブしながら、カンダタに別行動を推し薦める。

「その間僕達はどうしようかアルル?」
「う~ん…そうね………もう辺りも暗くなっちゃったし、今晩は宿屋に泊まって、明日の朝一から出立ってのはどう?」
何と…アルルとティミーは出立を延期し、もう一晩宿屋へ泊まる予定を決定した!

「ちょ…辺りも暗いって…ずっと暗いからね!この世界は、ずっと暗いんだよ!」
流石の出来事に、リュカがツッコミを入れている!
「うっさいわね!今日は朝から頑張ったから疲れたのよ!…今日は宿屋に泊まって、心身共にリフレッシュするの!」

「朝から頑張ったって…まだ昼にもなってないんだよ!?」
「間違ってはいないでしょう…父さんが王様達を怒らせたり、爆弾発言で混乱させたりするから、身も心もボロボロです!リフレッシュが必要不可欠なんですよ!」
そこまで言うと、勇者カップルはイチャイチャラブラブしながら宿屋の方へと歩いて行く…早足で歩いて行く…


「お…お前等一発ヤリたいだけだろ!」
リュカのツッコミも虚しく、勇者カップルは遠い彼方へ…
「だ、旦那…どうしましょうか…?」
「………いいからお前は行ってこいよ…その…バ…バタコ?の所に…」
「旦那…バコタです…」
「うるせー、いいから行けって!」
息子カップルの身勝手さに呆然とするリュカ…
カンダタの相手をするのも疲れたらしく、手の甲を上にして『しっしっ』とばかりに振って、カンダタをバコタの元へと行かせる。

カンダタとモニカが別行動をとり、アルルとティミーも(宿屋へ)先行し、城下町に取り残されるリュカ達…
「あのティミーとアルルが、ああも変わるんだ…」
独り言の様に呟くリュカ。

「お疲れの所申し訳ないですけど、この程度なら可愛いもんですよ。リュカさんの傍若無人ぷりに比べたら、あんなバカップルは物の数では無いですよ!『人の振り見て我が振り直せ』と言いますし、もう少し節度ある大人に変わってもらいたいですね!」
一人勇者カップルの一方的な行動に疲れ切るリュカ…
すると弟子のウルフが、大きめの嫌味を込めて師匠の日頃の行いを指摘する。

「僕は良いんだよ!僕のキャラはこんなんだし…でも、アイツ等は真面目っ子ってキャラじゃん!ダメだろ…アレは…」
「あはははは、勝手だなぁリュカさんは…」
腹を抱えて笑い出すウルフ。
すると、つられる様に皆も大爆笑する…
ただリュカは、勇者カップルが歩いていった方を力無く見つめ、ただ呆然とし続けていた。
《人間って変わるんだなぁ…でも、父親に似てきたって言ったら怒るんだろうなぁ…》







<アレフガルドの平原>

月の明かりも、星の輝きもない漆黒の世界…
町などは人々の営みによる明かりがある為、移動には不便は無いのだが、人工的な明かりから離れアレフガルドの地を移動すると、この世界の暗さを体感する事が出来る。
先頭を歩くアルルが松明を掲げているのだが、4.5メートル先を照らすのもやっとで、その闇の深さに難儀している。

「本当に暗いわね…これじゃ敵の接近に気付かない恐れがあるわ…」
何時もの様にリュカが大声で、スキマスイッチの『全力少年』を歌う(しかもラダトームで使用したギターを勝手に拝借し、演奏しながら熱唱する)中、勇者カップルが真面目に事の重大さを話し合う。
「危険だね…松明を増やした方が良くない?」
「うん…でも、照らせる範囲が限られているから、あまり意味があるとは…」
「そうか…やっぱり警戒しながら進むしかないんだね」
昨日は半日以上頑張っていたクセに、まったく疲れを見せない若いカップルが、真剣に話し合っている。

「じゃぁさ…進む先にメラを飛ばして、燃やしていけば明るく安全に行けんじゃね?」
昨日程バカップルをしていないアルルとティミーの会話に、歌うのを中断し口を挟んだのはリュカ…
「また馬鹿な事を…この先に何があるか分からないのに、めったやたらにメラを使ったら、大惨事になるかもしれないじゃないですか!」
「そうですよ!それに、そんな無意味に魔法を使って、いざ戦闘になったら魔法力が尽きました…って事になったら大変でしょ!」
勇者カップルはイチャイチャしてはいないのだが、それでも仲良くリュカの意見に凄い勢いでダメ出しする。
「ちょっと言ってみただけなんだから、そんなに怒らなくてもいいだろ!」
アルルとティミーの総攻撃に、口を尖らせ拗ねる最年長者…

「でも…魔法で何とかするって考えは良いと思います!」
するとマリーが何かを思い付いて、リュカの提案を支持し始めた。
「ま、魔法って…メラは危ないわよ!下手すると森林火災とかの原因になるかもしれないし…」
何時もの常識人に戻ったアルルが、マリーの意見も否定する。
「ちっちっちっ…私が言ってるのは魔法でって事よ!何もメラ限定じゃ無いわ!」
右手人差し指を立て、左右に振りながら否定された事を否定するマリー…誰もがその態度にイライラする。(ウルフは除く)
「つまりどういう意味なの!?勿体ぶってないで、早く説明してよね!」
「んも~…アルルお義姉ちゃんはお忘れですかぁ?つい最近、光る魔法を目撃した事を!」

周囲のイライラは止まらない。
ウルフだけは嬉しそうに彼女を見つめる…
果たしてマリーは何を言いたいのか…
つい最近目撃した光る魔法って…?



 
 

 
後書き
ここまでが「二次ファン」で掲載したエピソードです。
これ以後のエピソードは、完全なる書き下ろしになり、作者以外誰も続きを知りません!

以前からの読者さんも、「暁」からの読者さんも、どうかお楽しみにしていて下さい。 
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