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星河の覇皇

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第八十六部第三章 学園の理事長としてその一

                学園の理事長として
 八条は学園の理事長でもある、とはいっても多分にそれは名誉的なものであり中央政府国防長官としての職務が多忙でそちらの仕事はしていない。
 だが教育に関わっている者としてエウロパの教育改革を見て由良に言った。
「ギルフォード総統はやはり不世出の英雄だ」
「それで、ですか」
「教育についてもだ」
「この通りですね」
「素晴らしい改革案を出してきた、この通りに動けば」
「それで、ですね」
「エウロパは人材面からだ」
 その教育の成果でというのだ。
「恐ろしいまでの発展を遂げる」
「そうなりますか」
「エウロパは今後多くの優れた人材が出る」 
 こう由良に話した。
「そしてそれがだ」
「連合にとってはですね」
「これ以上はないまでの脅威だ」
 それになるというのだ。
「その職業は様々にしても」
「そしてそれがですね」
「私にとってもな」 
 八条は地球の自身の邸宅の中にいる、そこで私服でくつろぎつつ話した。
「脅威に思う」
「連合にとってはですね」
「そうだ、そしてこの改革をだ」
 エウロパの教育改革をというのだ。
「我々は止めることは出来ない」
「他国なので」
「そしてエウロパの発展もな」 
 ひいてはそれもというのだ。
「どうしてもな」
「止められないですね」
「敵国が強大化する前に攻める」
 八条はここでこうも言った。
「確かにそれもだ」
「ありましたね」
「人類の歴史ではな、そしてだ」
「今もですね」
「サハラでは常だ」
「左様でしたね」
「脅威は大きくなる前に潰しておく」
 八条は真剣な顔で述べた。
「ローマも行った」
「大カトーですね」
「彼はカルタゴの脅威を喧伝した」 
 かつて二度に渡りローマと戦いその時は忠実な同盟市となっていた都市国家だ、連合では末裔と称する人々が復活国家として国を持っている。
「何につけてもカルタゴを滅ぼさなくてはならない」
「常にそう言ってでしたね」
「カルタゴの脅威を喧伝してだ」
「そして戦争を引き起こしてですね」
「そうしてだ」
 そのうえでだったのだ。
「ローマはカルタゴを攻めてだ」
「カルタゴを滅ぼしましたね」
「実際にな」
「実際にカルタゴがローマと戦うつもりだったか」
「おそらくその意図はなかった」 
 二度に渡って激しい戦争を行ったがというのだ。 
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