星河の覇皇
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第八十六部第二章 教育改革その五十二
「カンボジアもです」
「我が国もですか」
「カンボジアはこのままでいいでしょうか」
「連合の中で」
「私達は小さいです」
カンボジア、この国はというのだ。
「人口も国土も」
「連合の中では」
「我が国は中の下程でしょう」
連合の中ではというのだ。
「どうしても」
「そこからですね」
「はい、人材を育て」
「そうしてですね」
「その人材で国力を発展させて」
そしてというのだ。
「連合での地位を上げるべきです」
「我が国は考えてみますと」
キャスターもこう言った。
「連合の中では地味ですね」
「常にそうですね」
「旧アセアン諸国の中にあって」
「連合では中心の一つとされていますね」
「ですがアセアンと言っても」
東南アジア諸国、連合の創設期からの主要国家の一角であり今の連合の中でそれなりのポジションにあるとされる国々だ。
「目立つ国は」
「決まっていますね」
「タイにベトナム、マレーシアにインドネシアに」
「フィリピンやブルネイですね」
「そしてシンガポール等ですね」
「そうした国々ばかり目立って」
それでとだ、教授はさらに話した。
「どうしてもです」
「我が国は」
「埋没していて」
「旧アセアン諸国の中でも地味ですね」
「どうしても」
実際にというのだ。
「そうなっています」
「全くです」
ここで同じ番組に出席しているカンボジアの現在の与党である分権派の国会議員が言ってきた。若い茶色の髪のアジア系の男だ。
「ずっと我が国はです」
「旧アセアン諸国の中にあるといいましても」
「地味な存在で」
「埋没していますね」
「はい、国力も連合での地位も」
そのどれもがというのだ。
「どうしてもです」
「地味で」
「それで、です」
「私の考えにですか」
「私は賛成です」
議員は教授に答えた。
「そう考えています」
「そうですか」
「はい、ですが」
「ですが?」
「私はエウロパの教育をそのまま連合に入れることは無理だと思います」
番組を観ていた大学生とその友人と同じことを言った。
「それは」
「そうでしょうか」
「はい、それはです」
どうしてもという口調で言うのだった。
「連合とエウロパは違うので」
「それは私もわかっていますが」
「あの国は分権国家です」
各国の権限が強い国だというのだ。
「三百以上の国家が共にある」
「そして中央政府がある」
「そうした国家であり政府の統制は弱いです」
市民達へのそれはというのだ。
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