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おぢばにおかえり

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第七十六話 次の日も会ってその十四

「そうですが」
「そこで止まってるんだね」
「止まってるも何もないですよ」
 私はそう思っています。
「新一君とは」
「そうなんだね、けれど後輩君高校二年だよね」
「はい、そうですが」
「もうそうした年齢の子っていけるって思ったらすぐに来るよ」
「何がいけるんですか?」
「それがわからない中村さんは相当だね」
 呆れた口調になっていました。
「本当に誰とも交際してこなかったんだね」
「はい、お付き合いするとしましたら」 
 それこそです。
「その人はです」
「お婿さんになる人だね」
「その人とだけお付き合いしたいです」
「そうなんだね」
「はい、そんな人とお会いしたいですね」
 出来るだけ早いうちにです。
「それで大学を卒業したら」
「その人に教会に入ってもらうんだね」
「お婿さんになってもらって」
 そうしてです。
「私が奥さんになって」
「そう思うならね」
「思う奈良ですか」
「中村さんを本気で好きになっている人を見てあげてね」
「その人をですか」
「絶対に傍にいるから」
「そうですか、どなたなんでしょうか」
 そう言われてもわかりません。
「その人がいてくれたら」
「そうしたらなんだね」
「本当に大切にさせてもらいます」
「そうしてあげてね、気付いたら」
「気付くですか」
「うん、お陰で誰も中村さんに声をかけられないからね」
 こうも言われるのでした。 
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