X ーthe another storyー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十六話 交流その六
「これからは」
「そうしていこう」
「今からでもね」
「それではね」
両親の言葉に頷いてだった。
颯希は両親と共に夕食を摂りその後で三人で語り合った。そして地の龍の仲間達とも共にいる時間を過ごした。
遊人はそのことを笑顔で話した。
「いや、二人共です」
「変わってきていますか」
「そうなのね」
「颯姫ちゃんはまだ感情が出ていませんが」
それでもとだ、海鮮麺を食べつつ話した。
「哪吒君は生じてきていますよ」
「それは何よりですね」
「本当にね」
「お二人にそう言って何よりです」
共に食べる二人に笑顔のまま話した。
「僕にしても」
「はい、それでですね」
共に食べる者の一人である征一狼が応えた、食べているのは炒飯だ。
「僕達もですね」
「こうして一緒に食べたりしてね」
もう一人の火煉も応えた、彼女は八宝菜を食べている。今は三人で中華料理店で飲茶を楽しんでいるのだ。
「お話をしているわね」
「そうですね、お二人共です」
遊人は紹興酒を飲んでから話した。
「こうしてお話をしていますと」
「どうなのかしら」
「いい人達に巡り会えたとです」
こう火煉に答えた。
「思えます」
「そうなの」
「はい、心から」
「それは私もよ」
火煉は海老蒸し餃子を食べつつ応えた。
「貴方といるとね」
「どうでしょうか」
「楽しい時間を過ごせるわ」
こう言うのだった。
「とてもね」
「そうですね、礼儀正しく温厚で」
征一狼は桂花陳酒を飲んでから言った。
「いい人です」
「まさかです」
征一狼に連れられて来ている玳透も言った。
「地の龍がこんな人なんて」
「思いませんでしたか」
「もっとです」
蟹焼売を食べながら本人に答えた。
「邪悪な」
「そして卑劣なことも辞さないですね」
「とても近寄れない様な」
「人間だと思っていましたか」
「そうでした」
玳透は正直に答えた。
「全く違いますね」
「いや、そんなことしないですよ」
即座にだ、遊人は答えた。
「勝利は目指して煽ることもあるでしょうが」
「それでもですか」
「流石に邪悪と言われますと」
それはというのだ。
「僕も否定したいですね」
「そうした人ではないと」
「そうです、少なくとも君ともです」
玳透自身にも言うのだった。
「こうして普段はです」
「普通にですか」
「接していきたいですから」
「そうお考えですか」
「はい、そして」
それにというのだ。
ページ上へ戻る