X ーthe another storyー
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第十六話 交流その一
第十六話 交流
護刃は体育の授業の後でだった。
高等部で体育の授業を受けた後の颯姫と会った、二人共上は白い体操服で下は黒い半ズボンである。
護刃は颯姫に会うと頭を下げて挨拶をした。
「こんにちは」
「ええ、こんにちは」
颯姫も挨拶を返した。
「貴女達は陸上競技をしていたわね」
「高跳びでした」
「いいジャンプだったわ」
颯姫はいつもの無表情で護刃に話した。
「タイミングもね」
「そうですか」
「ただ落下の時に」
颯姫は護刃にこうも話した。
「もっと顎を引けばね」
「いいですか」
「そうすれば落下の衝撃が頭部に及ばなくなって」
そうしてというのだ。
「身体への負担が少ないわ」
「下はクッションでもですか」
「衝撃は抑えた方がいいから」
身体へのそれはというのだ。
「だからね」
「それでなの」
「そう、落ちる時にね」
「わかりました、顎を引くんですね」
「そうすることよ」
「今度からそうします」
「ではね、しかし」
颯姫は護刃に話してからこんなことを言った。
「庚に言われたけれど悪い気はしないわ」
「私颯姫さんとお話出来て嬉しいです」
「嬉しいというか」
若しくはというのだ。
「何処かいいとね」
「思っていますか」
「貴女を嫌いではないわ」
無表情だが護刃に告げた。
「そのことが今わかったわ」
「私もです」
護刃は微笑んで応えた。
「颯姫さんとお話をしても」
「悪いとはなのね」
「若し天の地の龍でなかったら」
「もっとなのね」
「仲良くなりたいですね」
残念そうに述べたのだった。
「本当に」
「私はそうは思わないけれど」
それでもとだ、颯姫は言葉を返した。
「わかったわ、ただまたお会いしたら」
「その時はですね」
「お話をしましょう」
「はい、それじゃあ」
「そうしましょう、その子もね」
犬鬼も見て話した。
「元気そうね」
「この通りです」
護刃は犬鬼のことも明るい笑顔で応えた。
「元気です」
「それは何よりよ、ではね」
「またお会いしましょう」
「そうしましょう」
二人は言葉を交えさせて別れた、護刃は昼には中等部の食堂で食べたがそこには哪吒がいてだった。
二人で向かい合った、そして食べるが。
「美味しいかな」
「ええ、ここのカレーライスいいわよね」
哪吒にも笑顔で応えた、見れば二人共食べているのはカレーだ。
「程よい辛さでね」
「うん、だから僕も最近ね」
「カレーよく食べてるの」
「そうなんだ」
護刃に微かに微笑んで答えた。
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