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新オズのカボチャ頭のジャック

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第七幕その一

                第七幕  どんどん賑やかに
 ジャック達は水田に南瓜畑を毎日日の出からお日様が沈むまで観て回っていました、見ればどの水田も畑も立派なもので。
 しかも日一日と拡がっていきます、ジャックはその状況を見て南瓜のお顔のその目を細めさせました。
「順調って言っていいかな」
「ええ、とてもね」
 オズマはジャックににこりとして応えました。
「この状況はね」
「そうなんだね」
「水田も南瓜畑も拡がっていっていて」
 そしてというのです。
「その中身もね」
「いい状況だね」
「だからね」
 それでというのです。
「順調と言ってね」
「いいんだね」
「満足すべきよ」
 そのにこりとしたお顔で言うのでした。
「本当にね」
「それは何よりだね」
「だからこのままね」
「順調にいけるようにだね」
「していきましょう」
 こうジャックに言います。
「これからは」
「僕達はその為に来ているし」
「是非ね」 
 今はというのです。
「そうしていきましょう」
「それじゃあね」
 ジャックはオズマの言葉に頷きました、そうしてです。
 水田のところに行きますと緑の稲がお水の中に整然と並んでいてです。
 上に雀や蜻蛉が飛んでいて稲と稲の間を鴨が泳いでいてです。お水の中には泥鰌やタウナギ、蛙や田螺、ザリガニやヤゴがいます。
 そして水面にはです。
「アメンボやミズスマシもいるね」
「そうだね」
 かかしと樵が彼等に気付いて笑顔になります。
「ミズグモもいてね」
「ミズカマキリやタイコウチ、ゲンゴロウもいるよ」
「タガメまでね」
「あっ、タガメいますね」
 カルロスはこの虫を見て目を輝かせました。
「これは凄いですね」
「タガメって外の世界じゃ滅多にいないんですよ」
 ジョージもタガメを見て驚いています。
「本当に」
「日本じゃそうなんですよ」
 神宝も言います。
「とても奇麗なお水の中にしかいなくて」
「他のお水の生きものもそうらしいですが」
 ナターシャはこう言いました。
「私はじめて見ました」
「私もです」
 恵梨香もでした。
「こうして普通に見られるなんて」
「オズの国は何処も環境がいいからね」 
 ムシノスケ教授が言ってきました。
「だからだよ」
「ここじゃかなりいるけれどね」
 ガンプも恵梨香達に言います。
「外の世界じゃそうなんだね」
「はい、本当に」
「見れば田んぼのお水や水路にメダカもいますけれど」
「メダカもです」
「とても奇麗なお水の中にしかいないんですよ」
「このお魚も」
「そうなんだね、けれどここはオズの国だからね」
 かかしが五人に言いました。 
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