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ドリトル先生と山椒魚

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第五幕その九

「先生ときたら」
「他のことでは客観的で思い込みもないのに」
「人間誰でも不得意なものはあるけれど」 
 それでもと言うホワイティでした。
「先生は極端だよ」
「自分は恋愛対象とは考えないのよね」
 ポリネシアの言葉も呆れたものでした。
「昔から」
「僕達と巡り合う前かららしいね」
 ジップは先生の若き日そして少年時代のことを思いました。
「サラさんが言ってたけれど」
「ずっともてないと思い込んでいて」
 老馬も聞いていることです。
「恋愛経験はないんだよね」
「その考えあらためて欲しいよ」
「少しでもね」
 素子ツオサレツの言葉は切実なものでした。
「そうなってくれたら」
「僕達も安心出来るのに」
「いや、僕と恋愛程無縁なものはないから」 
 全くと言うのでした。
「だからね」
「それでなんだ」
「それで終わりなんだ」
「全く何もしない」
「気付きもしないで」
「よく言われるけれど何もないよ」
 本当にと言う先生でした。
「僕と恋愛はね、そして日笠さんはね」
「お友達で」
「それでだね」
「何もなし」
「そうだね」
「サンドイッチのお礼はまたしないとね」 
 お友達として、というのです。
「そうするよ」
「成程ね」
「色々わかったよ」
「僕達これからも骨が折れるよ」
「何かとね」
 皆呆れて言います、そしてでした。
 そのお話の中で、でした。皆は窓の外を見て言いました。
「それはそうと暑いね」
「今日もね」
「日差しも強いし」
「まさに日本の夏だね」
「そうだね、日本の夏は厄介だけれど」
 その暑さと湿気がというのです。
「風情はあるよね」
「そうだよね」
「その風情がいいよね」
「日本の夏はね」
「絵になるよね」
「だから和歌にも詠われているし」
 昔からというのです。
「日本人は夏は夏でね」
「楽しんでいるね」
「そうしているわね」
「ずっとね」
「暑いけれど」
「そうだね、お祭りでは花火もあるし」
 これが打ち上げられてというのです。
「夏の食べものもあるし」
「お素麺に西瓜に」
「夏の食べものも美味しいよ」
「冷えたビールも素敵だし」
「麦茶もいいよ」
「日本は夏もいいよ」
 暑さがかなりのものでもというのです。 
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