星河の覇皇
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第八十三部第三章 今だ目覚めずその七十七
「やはりな」
「気をつけることですね」
「最初からな、ではだ」
「これよりですね」
「ケーキを食べる、そして」
タンホイザーはさらに話した。
「夜だ、ワインを飲もう」
「ケーキと共に」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「ワインも楽しみだ」
「そのうえで、ですね」
「今日は休もう」
「そしてまた明日ですね」
「そうなる、明日も軍務だ」
「そちらに励まれますね」
「そうしたい、だが今思ったが」
今度はケーキや健康の話ではなかった、タンホイザーは自分自身のことについても妻に対して話したのだ。
「私の口調が変わったか」
「そうですね、結婚されてから」
「以前はより子供の様だったな」
「少年の様な」
「そうしたものだったな」
「ですがそれがです」
結婚してからというのだ。
「旦那様が言われる通りに」
「変わったか」
「はい」
まさにというのだ。
「そちらは」
「そうか、どうもな」
「結婚されて」
「そうなってきた」
口調、それが変わったというのだ。
「自分でも不思議だ」
「やはり結婚されると」
「それでか」
「それまでとは立場が違ってくるので」
「ただ結婚するだけではないか」
「その家の主としてのお立場が」
それがというのだ。
「出来まして」
「それでか」
「はい、ですから」
それ故にというのだ。
「口調もです」
「変わるか」
「そうかと、私の知っている方でも」
「結婚してか」
「口調がです」
「変わったか」
「やはり結婚はそれだけのものがあるかと」
口調が変わる、そこまでのものがあるというのだ。
「やはり」
「そうなのか」
「はい、ですから」
「特にか」
「気にされることはないかと」
「そうか、ではこのままだな」
「その口調でいいかと」
こう夫に言うのだった。
「旦那様も」
「ではな」
「ケーキをですね」
「ワインと共に楽しみつつだ」
「模型もですね」
瓶詰の帆船、それをというのだ。
「造られますか」
「そうしたい、そしてケーキを食べてな」
「お酒が深くなれば」
その時もというのだ。
「休まれますか」
「そうしよう」
こう言ってだった、そのうえで。
タンホイザーは模型だけでなくケーキとワインも楽しみ夜を過ごした、そしてケーキを食べて痛風という病気の話をしたことを思いだし。
シャイターン、彼の不在を見抜いていることから彼がどうした病なのかを考えた。流石にそこまではわからず。
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