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星河の覇皇

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第八十三部第二章 撤退の果てにその二十一

「全く以て」
「左様ですね」
「そうした兵器は」
「どうにも使えず」
「実用化なぞ出来ないですね」
「そう思います、ですから」
 それでというのだ。
「技術部から見ても」
「兵器としてもですね」
「不自然ですね」
「どうにも」
「オムダーマン軍のその戦術は」
「はい、わかりかねています」
 どうにもという言葉だった。
「残念ですが」
「左様ですね」
「オムダーマン軍は魔法を使ったのか」
「そんな奇天烈な言葉がネットでは出ているとか」
「流石にそれは荒唐無稽ですが」
「それでもです」
「謎です」
 こう他のタイ軍の観戦武官達に話した。
「今のところは、ですが」
「敵わずですね」
「オムダーマン軍の戦闘のこともですね」
「全て見極めていきますね」
「兵器のことも」
「そうしていくので」
 だからだというのだ。
「兵器のことは任せて下さい」
「お願いします」
「そちらのことは」
「技術的なことは」
「そうさせてもらいます、しかしオムダーマン軍の魚雷は」
 技術士官はその謎の攻撃に使われたその魚雷のことも話した。
「やはり連合の魚雷と比べても」
「強いですね」
「負けていないですね」
「元々戦闘用の兵器の性能は高いですが」
「魚雷にしてもですね」
「性能が高いですね」
「ミサイルもビームも艦載機もですが」
 そうしたものもというのだ。
「中々強力です」
「長い戦乱の歴史の中で特化していますね」
「そうした進化を遂げていますね」
「まさに」
「はい、私はそのことに注目しています」
 まさにというのだ。
「実は」
「兵器に注目するとですか」
「その性能は決して悪くない」
「連合と比べても」
「エウロパよりも高いです、エウロパはかつてサハラ北方を侵略していましたが」
 そうして移住を進めていたのだ、エウロパだけでは手狭になっていたのでサハラを侵略し移住を進め人口問題の解決を計っていたのだ。
「その勝因はといいますと」
「サハラが小国に分裂しており」
「互いに争いが絶えず」
「内戦、内乱も頻発して」
「それで多くの国が弱体化し」
「そこを衝いてのことでしたね」
「エウロパの兵器は落ちます」
 サハラそして連合のものと比べてだ。
「エウロパ戦役を見ても明らかです」
「全くですね」
「サハラの兵器に比べてです」
「連合の兵器は落ちます」
「どうしても」
「それで勝てた要因は」
 つまりエウロパが百年に渡ってサハラ侵攻を進められた要因はだ。 
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