星河の覇皇
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第八十二部第四章 破竹の進撃その二十八
「こちらもな」
「あとドーナツにワインも危なそうですね」
「チョコレート菓子も」
「ティーセットにワインも」
「それもですね」
「ワインは魔法の酒だ」
この時代連合でよく言われている言葉だ。
「赤ワインは肉やパスタに合うが」
「洋菓子にも合いますからね」
「それと中華料理にも」
「大抵の国の料理に合って」
「白は白で魚介類には何でもですしね」
「和食にはこっちですし」
「とかくワインは色々な色がありますが」
赤や白だけでなくロゼもある、この時代は青や黒、緑、紫、黄色と実に多彩な種類のワインがある。尚色のあるワインは基本赤ワインの系列の味である。
「色に気を付けますと」
「ワインはどんな料理にも合います」
「むしろ合わない料理はないですよ」
「洋菓子にすらですし」
「あんな悪魔的な酒はないですね」
「まさに最強の酒です」
「それで私も飲んでいるが」
そのワインをというのだ。
「アイスクリームにも合うからな」
「ついつい飲んで」
「アイスクリームも食べてしまって」
「そうしてですね」
「今に至るんですね」
「ご覧の有様だ」
軍曹は自分を指差して兵達に話した。
「肉が付いた」
「それで、ですね」
「連合に帰られるまでですね」
「暫くはですね」
「アイスクリームを絶って」
「トレーニングをされますね」
「あとテニスもするか」
このスポーツもというのだ。
「暫く振りに」
「そういえば一等軍曹テニスされましたね」
「高校時代そっちの選手でしたね」
「そうでしたね」
「聞いた限りだと」
「そうだった、それで入隊してからもだ」
それからもというのだ。
「私は下士官候補兵から入ったが」
「あっ、そっちでしたね」
「一般じゃなくて」
「下士官候補学生でもなくて」
「候補学生だったら私の年齢だったらだ」
今は三十代だ、高校を卒業してすぐに入隊して今に至るのだ。
「もう士官にされている」
「候補学生絶対にそうなりますよね」
「二年で伍長になって」
「そっから殆ど一年でどんどん昇進して」
連合軍の下士官の階級は多い、上から曹長上級軍曹軍曹伍長となるがそれぞれ一等から四等まで存在する。
「あっという間に曹長ですからね」
「それか伍長になって四年か五年で部内士官の試験受けて士官」
「どっちかですからね」
「本当に出世早いですよ」
「候補学生は」
「俺達と違って」
「俺達一般は」
それで入った者達はと言うのだった、自分達で。
「もうそれこそですよ」
「四等伍長になるのに早くて四年」
「遅くて十年ですご」
「候補兵なら三年、遅くて六年でも」
「俺達は十年ですよ」
下手をすればというのだ。
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