オズのボームさん
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第五幕その一
第五幕 統一される前のオズの国
皆はオズの国の歴史書を整頓していきます、歴史書を保存している地下三階の入り口から徐々にです。
堆く積まれている本を整頓してそうしてです。
お掃除もしていきます、そうして奇麗にしていきますが。
その中でトロットは歴史書の一冊を開いて言いました。
「オズの国の歴史って長いのね」
「うん、そうだよ」
ボームさんが答えました。
「オズマ姫のご両親が統一するまでもね」
「そうなのね」
「外の世界で言うと古代エジプトが成立して」
このとても古いお国がというのです。
「第一王朝という国が成立する頃にはね」
「もうあったのね」
「文字もだよ」
こちらもというのです。
「オズの国にはあったんだ」
「そうなのね」
「ただその文字はね」
その頃のオズの国の文字はといいますと。
「今の英語じゃないよ」
「アルファベットじゃなかったのね」
「そうだったんだ」
「じゃあどんな文字だったの?」
ベッツイがボームさんに尋ねました。
「それじゃあ」
「うん、象形文字や楔形文字だったんだ」
「エジプトとメソポタミアの」
「そうだよ、そうした文字が使われていてね」
それでというのです。
「パピルスや粘土板に記録が書かれていたんだ」
「そうだったのね」
「そうだよ、ただパピルスは外の世界だと歳月が経つとなくなるけれど」
「オズの国では違うのね」
「ずっと残るんだ、そしてオズの国は戦争も災害もないから」
だからだというのです。
「記録されたものは残るんだ」
「そうなのね」
「だから残された記録をね」
「それをなのね」
「本に書いて」
そうしてというのです。
「英語にしてね」
「記録しているのね」
「古い時代のものね」
こうベッツイにお話します。
「そうしているんだ」
「成程ね」
「オズの国は統一されるまでも歴史があるんだよね」
かかしも言ってきました。
「これがね」
「そうそう、それぞれの国でね」
樵も言います。
「エメラルドの都、マンチキン、ウィンキー、ギリキン、カドリングでね」
「五つの国はまずは地域で」
国ではなくです。
「それでね」
「皆国でなかったけれど」
「街や村ごとに暮らしていてね」
「中には気の荒い種族もいたよ」
「ガーゴイルやカバキリンや巨人達がね」
「けれど楽しく暮らしていたよ」
それぞれの国になるまでもというのです。
「そうだったよ」
「長い間ね」
「誰かが何かをしたりね」
「何が起こったのか」
「ずっと書かれているね」
「どんな人達が誕生したのかまで」
「そう、オズの国の歴史は長くてね」
ムシノスケ教授も言います。
「それで記録もだよ」
「長いのーーですーーね」
「そして多彩でね」
教授はチクタクに応えて言いました。
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