星河の覇皇
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第八十一部第二章 軍事の素養その三
「かなり低下します」
「そうなるのはな」
「閣下もですね」
「容易に想像がつく」
軍事に疎いと自覚している彼でもというのだ。
「やはりな」
「左様ですね」
「だからだ」
「このことについては」
「どうかと思うが」
「副主席としては」
「このこともだ」
軍隊のこともというのだ。
「アウトカースト層の権利獲得と拡大の為にだ」
「是非にですね」
「そう思っているからだ」
それが為にというのだ。
「軍にもと考えている」
「そうですか、ですが」
「素人をだな」
「多く入れては」
「ましてや五億もとなるとな」
それだけの数を入れると、というのだ。
「問題だ」
「左様ですね」
「これはだ」
クリシュナータは難しい顔のまま言った。
「軍隊としてはだな」
「絶対にです」
武官はまた言った。
「避けたいものです」
「素人を多く入れることはな」
「はい、如何にです」
「軍は規模が大きいだけいいとしても」
「素人を入れるとなると」
それはというのだった。
「お断りというのがです」
「本音だな」
「軍隊はプロフェッショナルの集団だ」
「はい、このことは革命でも問題になりました」
「フランス革命、ロシア革命だな」
「あの革命においては」
この二つの革命では、というのだ。
「貴族の粛清を行い」
「亡命者も多く出しな」
「深刻な人材不足を招きました」
このことは歴史にもあることだ。
「特に指揮官である士官の」
「それで軍全体の質もな」
「低下しました」
これが当時のフランス軍そして赤軍の問題であったのだ。
「そしてです」
「そのうえで苦戦もしたな」
「革命の後の戦いで」
「そうだったな」
「さらにです」
ここでさらに言った武官だった。
「ナチスでも問題になりました」
「ナチスが政権を掌握した時だな」
「突撃隊を軍隊とするべきか」
このことでだ、ナチスは深刻な悩みを抱えていたのだ。当時突撃隊はレームが統率し三百万のも数を擁していたのだ。
「そのことについて」
「問題となっていたな」
「はい、ですが」
それがというのだ。
「ヒトラーは彼等を軍隊としませんでした」
「党の私兵である彼等をな」
「正規軍をそのまま軍隊にしました」
「そもそもだ」
クリシュナータは武官に言った。
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