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少女は 見えない糸だけをたよりに

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7-4

火曜日の朝もお弁当を届けるのに、生協食堂の前での待ち合わせが、何回か過ぎて、

「香波 いつも すまんな 負担じゃぁ無いのか? 無理すんなよ 生協だって安く食べられるんだから」

「いいの 少しでも、節約して それに、私の愛も入っているんだからね 夜もちゃんと食べてよー」

「うん いつも有難く それに、おいしいよ まわりのみんなも羨ましがってる それと、こっちのキャンパスは女の子 比較的少ないから 香波が注目の的になってる あの可愛い娘は何学部なんだって、聞いて来るヨ」

  私は、生協のメニューを見た時、驚いた。安くて、ボリュームもあるんだ。あんな値段じゃぁ、私にも作れないから、負けないようにボリュームのあるものを詰めているつもりなのだ。

 守衛さんとも、いつも、挨拶するから、顔見知りになって、その日は呼び止められ

「君は、ここの学生さんかい?」

「あっ すみません 私 ここの学生さんにお弁当を持って来ているだけなんです」叱られると思った。

「いや いいんだよ 不審者じゃぁないみたいだし いつも、元気よく明るく挨拶してくれるから 話かけたくなっただけだから」

「うふふっ 安心した 叱られるんかと思ったから」

「あぁー 悪い 悪い その学生は幸せじゃのー こんな可愛い笑顔で・・」

「うん 私も 幸せなんだー じゃぁねー これからも、元気にご挨拶できまーす バイバーイ」

 その夜、私は、お姉ちゃんと夕ご飯の用意をしていて、食卓に蛤のおツユを運んで「はーい ドレミのおすましでーす」と、お父さんにお出ししていたら

「なんだぁー そのドレミって」と

「香波ったらね 蛤を入れていたら 開くのを見て、笑い出しちゃってね それから、はしゃいじゃって」

「だってね 順番にパカンパカンって ドレミの歌みたいに おかしくってー」

「ふーん そんなの おかしいんだな」

「香波ちゃんたらね 今朝、出たらと思ったら、直ぐに、戻ってきて「お母さん 出たら、猫が居てね びっくりしたみいで、逃げていくときにあわてて、側溝にはまっちゃったのよー」と、笑いながら、わざわざ報告してくるのよ 本当に小さい子供みたいなの 可愛いらしいわー」

「そうか この頃 香波はいつも笑っているな― 眼が輝いている すごく 明るくてキラキラしておる」

「でも お父さん 私 今、とっても幸せなの 生きているんだと感じているの」

「そういう香波を見ていると ワシも元気が出てくるぞ」

「やっぱり 愛しの君に逢えると違うのねー」と、お姉ちゃんが、私は、下を向いていた。   
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