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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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8-⑸

 夏休みも終わりに近づいた時、地獄?の合宿が始まった。朝7時~12時、午後は1時~2時までと休憩はさんで3時~5時まで。

 練習はグラウンド10周から始まって、うさぎ跳び、腕立て伏せ。それからは、ポジション毎のノック。もう、男子、女子も入り混じっての練習だった。だから、私は、昂君と並んで交代で受けていた。ノックも穣先輩が出てきていてくれた。他のポジションの女子には手加減しているように思えたんだけど、私には、昂君へのノックと変わらない強烈なの。やっぱり あの人 私の事 にくいんだわ いじめて喜んでいる 私と昂君とのこと きっと 妬いているんだ クソー と、ずーとこらえて、飛びついていた。

 やっと、私達のところが終わったと、私、その場にへたり込んでしまった。昂君が「アァー」と言った瞬間

「こらー 真珠 なに座ってんだよー グラウンド1週 昂も付き合ってやれ」と、穣先輩の厳しい言葉が・・

「なにやってんだよー なんで、俺がお前に・・」

「ごめんね でも、ヘトヘトだったんだものー ウチの時だけ、あんなに強いのー」

「でも ちゃんと 捕ってたやん たまに、後ろにそらしてたけどな」

「うん やっぱりな 顔のあたりにくると、怖いから、そむけてしまうんや もう、お岩になるの嫌や」

「のりこえろやー 顔 歪んでも 面倒見るってゆうたやろー」

「昂」と、私 立ち止まってしまったら

「こらー なに べちゃくちゃ しゃべっとんねん 最後100m全力疾走」と、又、鬼の声が・・。

 そして、10時に15分の休憩があった。皆で木陰に入って、彩乃先生がスポーツドリンクを差し入れてくれたのだ。ふたりで1本。

「鈴花ぁー ウチ もう、バテバテやー 続くかなー 始まったばっかーやでー ウチのノック見てたー ウチにだけ あんなん」

「確かに でも、真珠 ちゃんと反応してたやん すごく、うもーぅなってるでー ショートの前のゴロでも、捕れてるしな ウチ等の要やー ガンバレ」

「鈴花 いつから、おだてるのん うまなったんや」

「うーん 真珠と付き合うようになったからかな」

 私は、思わず鈴花ちゃんに抱き着いていったら

「暑くるしいなー なにすんねん 抱き着く相手 間違ごーてるやろー」

 彩乃先生が、水が入ったバケツを持って、みんなに絞ったタオルを配っていた。

「みんな 気分悪かったら、遠慮しないで、直ぐに言いなさいよ」と、声を掛けながら・・。2年生の男子の中には「今年から いいよなー 彩乃先生の真心 いただきます これで、がんばれます」と、評判が良かった。

 午後からはシートバッティングとかをこなして、その日はなんとか終了した。昂君と一緒に帰っていたんだけど

「昂 ウチは疲れた ヘトヘトやーこんなに厳しいって思ってへんだワー」

「ウン きつかったなー でも、真珠 怪我しなかって良かった ゆっくり、風呂入って、筋肉ほぐしとけよ でないと、明日、体中痛くなるからな いっしょに入れたら、ほぐしてやるんだけどな」

「なに ゆうんねん そんなん できひんやん アホッ あー わかった 昂 ウチの裸 見たいんやろー」

「アホかー そんなこと考えてへんワー」

「ウソ ウソ 見たいくせにー 正直話なさい」

「しつこいなー おぉ 見たいでー 男やからな 頼んだら、真珠は 見せるんかー 青タンだらけの身体」

「うー アカン そやけど もう きれいになったでー」 と、そのまま、私は、黙ってしまった。昂君から、もし、言われたら・・どうするんだろう。

「なぁ 走ってる時、言ってたやんかー ほんまに ウチの顔 歪んでも 面倒見てくれるんかー?」その、返事は返ってこなかったけど

「弁当 旨かったよ あんな弁当 毎日でも喰いたい 元気が出たよ」と、別れ際に昂君が言ってくれた。それだけで、私は、疲れも吹っ飛んでいた。   





 
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