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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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6-⑼

 試合が近いので、男子はシートバッテイングをやると言うから、私等はグラウンドの隅っこのほうでキャッチボールをしていたんだけど、鈴花とオーカだけ、先生に呼ばれて、ピッチングエリアで穣先輩と並んで投げてみろって言われていた。オーカにはキャッチャーみたいに座って受けるように言って居た。オーカは最初、受け損なったりしていたけど、そのうち、なんとか。そして、あの子、座ったまま、投げ返しているのだ。

 グランドでは、2年の島本先輩が投げていた。うちの2番手ピッチャーなのだ。そして、サードには、昂が守っていたのだ。それまで、サードだった梶原先輩はショートにまわっていた。昂は1年なのにレギュラーを掴みかけていた。他の1年生は、ベンチの前に並んで、時々、交代して守備についていたけど。

 順番に、ひととおり、バッターに立っていて、最後に1年生。昂の番だ。当たりはいいと思うんだけど、全部、守っている人の正面でヒットは無かった。最後、外野まで飛んだかと思ったけど、センターの人が横に走って行って取られちゃった。私は、心の中で取るなーと叫んでいたんだけど。

 そして、先生が、鈴花に交代して、今度は「香澄 投げて見ろ」って「鈴花 あっちいって ヘルメット被って、バッター」って。先生、いきなりやんと、私は思っていたが、鈴花ちゃんは「はい!」返事して走って行った。

「ひとし 遠慮せんでいいぞ ぶつけてもかまわん なっ 鈴花」と、先生が。鈴花ちゃんはうなづいて、ボックスに立っていた。打つ時は左ききなんだー。だけど、空振りばっかーで・・

「鈴花 振りまわし過ぎ だから、振り遅れているんだ バットに振られているぞ もっと 左の肘を折りたため」と、先生が叫ぶと、いきなり「バシッ」と音がして、ピッチャーの横を抜けて、センター前に・・。「おぉー そうだ その感じな もう いっちょう」と、先生も少し、びっくりしていた様子だった。

 練習が終わって、グラウンド整備している時に、昂に近づいて

「残念だったね 当たりは良かったのにね でも、空振りはせんかったな」

「あぁ でも、大きな声じゃぁ 言えないけど キャプテンの球とは違うからな あれくらいの球なら打たんとな」

「そーなんや やっぱり 男の子の球はちゃうなー ビューってくるんやもんな」

「そらそやろ 同じやったら おかしいやろー」

「なぁ 昂 ウチにも 打つ方も 教えて―な 夜でも出来るやろー」

「うーん 夜なぁー 真珠に襲いかかるかもしれんでー」

「そんなんしたら バットで殴り返したる」

 その夜、私は、又、お母さんに おねだりしていた。

「ダメ! この前も、クラブとか買ってあげたとこじゃぁない ダメ もう、お金ないからね お金持ちの家に生まれないで残念でしたわね」

「そんなー ウチ お母様の娘で幸せなのよー お願いー」

「ダメ お父さんに頼んだらー 抱き着いていって、好きって言ったら すぐよ」

 そして、お父さんが帰ってくるのを待って、玄関まで迎えに行って、脱いだ靴を揃えて、顔と手を洗うと言うので、脱いだスーツの上着をもって、タオルを用意して側に立っていた。

「どうした 真珠 何か、企んでいるのか?」

「ううん 毎日、私達の為にご苦労様って思ってね」

 それから、ビールを持って行って、コップに注いであげていったら、

「いいから 早く言えよ 気持ち悪いんだよー」と、一口飲んで言ってきた。

「うん あのねー バット 欲しいんだー」

「バットって 野球のかぁ ふーぅ そこまで、入れ込んでいるのかー お父さんは、真珠には もっと 女の子らしくて、可愛いこと やって欲しかったんだけどな でも、慎也も言っていたよ 思ったより、頑張っているって だから、野球やっている真珠も恰好いいかなって思うようになってきた。応援したくなってきてな 続けろよ だから、わかった でも、高いんだろ つもりあるからな」

「ううん 安いのんでいいの 練習用だし」

「そうか じゃぁ 試合できるようになったら 良いの 買ってやるよ 頑張れよ」

 私は、お母さんが言って居たからってわけじゃあ無いけど、首に抱き着いていた「好き」って

 

  
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