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私はいじわる 小悪魔が住みついた

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5-⑺

 新学期が始まって、始業式の日。昂君は私がプレゼントした ブラウンと薄いブルーのストライブのマフラーをしてくれていた。私はもらったブローチを登校用の袋に付けていた。

 鈴花ちゃんは、相変わらず素足のままでジーンの短パンなのだ。

「鈴花 寒くないのー いつも、そんなので」

「うん 平気だよ ウチの家なー 暖房もクーラーもあんまり使わへんやろー そやし、普段から、冬でも夏でもこんなもんだよ 上は変えるけどな」

「だから いつも 元気なのかー ウチは軟弱やからなー」

「そんなことないよ 真珠 最近 なんか動きが素早いよ 猫みたいに、パっと動けるもん 足も引き締まってるって感じやでー なんか、してるんかー」

「そう ありがと 普段通りやでー」と、昂君とのことは内緒にしていた。少し、離れたとこで昂君に聞こえていたみたいだけど。

「あのさー おとんが冬休みにバスケットゴール立ててくれたんや 練習してんねんけどなー 真珠も一緒にしよー」

「なんで バスケットなん ウチ どっちみち チビやから バスケットやってもなぁー」

「真珠 すばしっこいから 通用するって それになー 中学に女の子はソフトボール部 無いんやんか バスケットでもええかなーって」

「なんやねん 一緒にソフトボールってゆうてたやん ウチ その気になってんやでー 鈴花 変わり身 激しいねん」

「あー 言ってたなぁー うん だったら、中学行ったら ふたりでソフト部 作ろーか でも、同じやったら、これからは、軟式野球かな」

「なに 言い出すねん 鈴花 もうー」

 帰り道、昂君が、ぶつぶつ言って居て

「なんなん 昂 何をぶつぶつ ゆうてんねん 気持ち悪い」

「あのさー お前等が野球やるってんねんやったら 俺もやろカナ お姉からは、サッカーやれって言われてるけど どうしょうカナってな」

「昂は 翠ちゃんの言うことには、逆らえないものネ サッカーにすればー そういうの シスターコンプレックスって言うんやで― もっとも、翠ちゃんって 素敵やもんネ ウチのあこがれや 優しいし」

「だけど 真珠のこと見守らなーあかんしー 野球を、もし、やるんたら、側にいるやん」

「昂・・ありがとー 優しいけどな 昂にしたら、珍しく、ハッキリせんやん」

「バカ お前のことやから よけいなんやー」

「昂・・」と、私は、抱き着きついていきたかったけど・・ お母さんの顔が・・こんな時もあかんのかなーと

 
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