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ウルトラマンカイナ

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過去編 ウルトラリッパーファイト

 
前書き
◇今話の登場ウルトラマン

霧町英二(きりまちえいじ)/ウルトラマンリッパー
 Z95星雲出身であり、ウルトラマンジェムの師匠でもあるシルバー族のウルトラ戦士。腕に鋭利なヒレを持つ屈強な戦士であり、必殺技は半月状のエネルギーを放ち相手を切断するウルトラZギロチン。かつて別次元の地球を救うために戦った際、依代にしていた旅人の姿を借りている。外見の年齢は33歳。
 ※原案は黒崎 好太郎先生。
 

 
 テンペラー軍団の襲来から、約1年前。次々と地球に迫り来る怪獣や異星人達の脅威に対抗するべく、ウルトラマンジェムがその命を懸けて戦っていた頃。

「くそッ……! 弘原海隊長とも琴乃さんとも連絡が取れない! 一体どうなってやがるんだッ!」

 とある山奥の温泉街へと繋がる狭い山道を、1台のレーサーバイクが疾走していた。そのハンドルを握る金髪の少年――荒石磨貴(あらいしみがき)は、真紅のライダースジャケットをはためかせ、大自然に挟まれたアスファルトの上を駆け抜けている。

 山奥の温泉街に居た住民や観光客が全員、ブロンズ像にされてしまった。そんな奇妙な通報を受けたBURKが、異星人の仕業と疑い現地の調査に動き出してから、すでに3時間以上が経過している。
 今頃は現場に着いているはずの弘原海と琴乃からは定時連絡もなく、呼び掛けても応答すらない。そこで、学校帰りのウルトラマンジェムこと磨貴が、現場に急行しているのだ。

「待ちな!」
「……!?」

 すると。山道の中央に立っていた1人の青年が、掌を突き出して磨貴の前に立ち塞がってきた。30代と思しき精悍な顔立ちの青年は、真っ直ぐな眼差しで磨貴を射抜いている。

「誰だあんた!? 邪魔しないでくれ! こっちは大急ぎなんだッ!」
「誰でもない、ただの旅人さ。……それより、この先はかなり危険なんだ。命が惜しかったら、これ以上近付かない方がいいぜ」
「危険だから俺が行かなきゃいけないんだよ! だいたい、この道路はとっくにBURKが封鎖してるはずなのに……どうやって入って来た!? あんた、何者だ!」
「何者……か。そうだな、霧町英二(きりまちえいじ)……とでもしておこうか。とにかく、死にたくなけりゃさっさと引き返せ。歯ァ磨いて朝まで寝てろ」

 弘原海や琴乃と連絡が取れない焦りからか、磨貴は声を荒げて、英二と名乗る青年に怒鳴っている。一方、当の英二は涼しげな表情で「しっしっ」と手を振り、淡々と磨貴を帰そうしていた。
 そんな彼に痺れを切らした磨貴は、バイクのエンジンを噴かせて急発進させる。前輪を上げたウィリー走行で道路の横にある山肌に突っ込んだ彼は、そのまま滑るように壁を走り、英二の後ろへと回り込んでしまうのだった。

「もういい! あんたこそ怪我する前に、さっさと山を降りるこったなッ!」
「……」

 そして捨て台詞を残すと、瞬く間に英二の前から走り去ってしまう。そんな弟子(・・)の背中を見送った旅人は、ため息混じりに煙草を取り出すと――独り静かに、一服し始めていた。

「……まァ、言って聞くようなお利口ちゃんでもねぇよなァ。あのバカ弟子はよ」

 かつて別次元の地球を救うために戦っていた頃、地球で活動するための依代としていた旅人の青年。その姿を借り、弟子の様子を見に来ていたウルトラマンジェムの師匠――「ウルトラマンリッパー」は。

 この先に待つ「巨悪」の力を知るが故に、弟子を引き止めに来ていたのである。

 ◇

 そこから先は霧町英二こと、ウルトラマンリッパーが想定していた通りの事態に発展していた。

 温泉街の住民や観光客達と同様に、調査に赴いていた弘原海や琴乃も、ブロンズ像にされていたのである。それも全ては、生きた人間をブロンズ像に固め、自分の「作品」にしようと企む「ヒッポリト星人」の仕業だったのだ。

 その光景を目の当たりにした磨貴は怒りに身を任せ、ウルトラマンジェムに変身。
 だが未熟なことに加え、ブリリアントモードにも目覚めていなかったこの頃の彼では、ヒッポリト星人には敵わず。程なくして、彼が繰り出す「ヒッポリトカプセル」に囚われてしまったのである。

 救援に駆け付けたウルトラマンカイナをはじめとする5人の兄弟達でさえも、ヒッポリト星人には歯が立たなかった。
 カイナとアキレスは戦闘開始直後に、あらかじめ用意されていたカプセルに入れられてしまい。兄2人を救助しようとしたエナジーとアークも、次々と囚われ。ただ独りでヒッポリト星人に肉弾戦を挑んでいたザインまでもが、炎を纏う拳によって叩き伏せられてしまった。
 5兄弟がヒッポリト星人の姿を捕捉してから、1分も経たないうちに。彼らはカプセルの中に囚われ、戦闘不能に陥ったのである。

 そして。かつてウルトラマンエースと、その兄弟達が敗れた時のように。
 ウルトラマンジェムを含む6人の新世代ウルトラマンは、カプセルの中に「ヒッポリトタール」を流し込まれ――呆気なくブロンズ像にされてしまったのであった。

「……ったくよォ。揃いも揃って、世話の焼ける若造ばっかりで困るぜ」

 ガードレールに腰掛け、その惨劇を見届けていた英二は。やがて吸殻を携帯灰皿に入れると、ゆっくり立ち上がり――戦士としての鋭い貌で、ヒッポリト星人を睨み上げる。

「だから言ったのによ。……歯ァ磨いて、寝てろってさァ」

 彼の手には、赤い電動歯ブラシ「ブラッドブラッシャー」が握られていた。そのブラシが彼の歯に触れた瞬間――真紅の輝きが、英二の前身を包み込んでいく。

 彼をあるべき本来の姿へと、戻すために。

 ◇

 山奥の温泉街。その裏手を舞台に繰り広げられた死闘は、ヒッポリト星人の圧勝に終わっていた。
 ノズル状の口を揺らして、ブロンズ像にされた6人のウルトラマンを嘲笑う赤黒い巨人。その巨影は、沈黙に包まれた温泉街を覆い尽くしている。

『ハァッハハハ、ザマァねぇぜ! 何人掛かって来ようが、俺様のタールには誰も敵わねぇってこったなァッ!』

 そのうちの1人――ウルトラマンジェムの額を小突いた後。温泉街の方へと視線を移したヒッポリト星人は、下卑た笑い声を溢しながら、ブロンズ像にされた人々を舐めるように見下ろしていた。

『んー……それにしても、やっぱり地球人はいいねぇ。恐怖、悲しみ、苦しみ、悔しさ……ありとあらゆる負の感情ってヤツがこれでもかと顔に出てやがる。他の異星人だと、なかなかこうは行かねぇよなァ。フヒヒ、見てろよォ……今に全ての地球人を俺様の芸術作品にしてやるぜぇ』

 ブロンズ像にされた人々の表情は様々だった。ヒッポリト星人の姿に怯え、恐れ慄く観光客。自分の身体が冷たいブロンズ像になっていく光景に、絶望する地元民。先にブロンズ像にされた娘を抱きしめ、悲しみに暮れる母親。
 そして、何も出来ずブロンズ像にされていく中で、悔しさに口元を歪めていた弘原海と琴乃。彼らの貌を覗き込み、自身の美学を称賛するヒッポリト星人は、やがて苛立ちの色を帯びた眼差しでウルトラマン達の方へと振り返る。

『……それに引き換え、こいつらときたらみーんな同じようなツラ並べやがってよ。つまらねぇったらないぜ。……やっぱ壊しちまうか、見ててムカっ腹立つしよォ!』

 地球人達とは違い、悲しみや苦しみといった感情を顔に出さない光の巨人。ブロンズ像にされてもなお、その気高さを失わずにいる彼らへの怒りが、ヒッポリト星人の破壊衝動を駆り立てていた。

『よーし、じゃあまずはこいつからぶっ壊してやろうかなァ! あばよウルトラマンジェム! 変身する直前の、怒りに満ちていたてめぇのツラ……嫌いじゃなかったぜェッ!』

 そして、彼の矛先がジェムに向けられ。そのブロンズ像を打ち砕こうと、拳が振り上げられた瞬間。

『俺も、てめぇのツラは嫌いじゃねぇな。殴りやすそうでよ』

 背後に居た何者かが、その腕を掴む。何事かと振り返った瞬間、ヒッポリト星人は己の顔面に赤い鉄拳を叩き込まれていた。

『え? ……ぶぎゃあぁあッ!?』

 あまりの威力に吹っ飛ばされ、轟音と共に転倒してしまったヒッポリト星人は、慌てて立ち上がると予期せぬ「新手」に向けて怒号を上げる。
 腕を組み、両の足で雄々しく大地を踏み締めている、筋骨逞しいシルバー族の巨人。その勇姿はまさしく、ウルトラ戦士のそれであった。

 Z95星雲出身ということもあり、その深紅を基調とする容姿は、ウルトラマンゼアスに近しく。それでいて筋肉質な身体と、腕から伸びている鋭利なヒレは、よりワイルドな印象を与えている。
 青緑に輝く彼の両眼は、ヒッポリト星人の醜悪な姿を鋭く射抜いていた。

『て、てめぇ何者だッ!?』
『俺か? ……俺はウルトラマンリッパー。そこのバカ弟子共が世話になった礼を言いに来たのさ』
『バカ弟子共、だと? てめぇもウルトラ戦士か……! だったら、てめぇも俺様のコレクションに加えてやるぜぇッ!』

 ジェムに戦い方を教えた師匠の1人である、ウルトラマンリッパー。その巨躯目掛けて、ヒッポリト星人は炎を纏う拳を振り上げ、真っ向から襲い掛かっていく。
 先ほどの戦闘で自分に挑んできたジェム達を、1人残さず叩き伏せた炎の拳。目の前にいる新手もこの力で捩じ伏せてやろう、という甘い考えであった。

 リッパーは当然のように、その灼熱の拳を掌で容易く受け止めてしまう。炎の高熱すらも通用していないのか、リッパーは涼しげな佇まいで、瞠目するヒッポリト星人と視線を交わしていた。

『なッ……!?』
『……礼を言いに来たと言っただろう? ありがとうよ。最近のバカ弟子共は連戦連勝だからって、ちょっと調子に乗り始めていやがったからなァ。ここらで一度、お灸を据えてもらう相手としてお前は実に理想的だったぜ……ヒッポリト星人』
『ふがあァッ!?』

 中腰の姿勢から放たれる、体重を乗せたストレートパンチ。先ほどの不意打ちとは比にならない威力に、ヒッポリト星人は再び転倒してしまう。
 今度は、すぐに立ち上がることさえ出来なかった。あまりの威力に足に力が入らず、尻餅をついたまま後退りするしかないヒッポリト星人を追い詰めるように、リッパーは悠然とした足取りで距離を縮めていく。

『今回のことがありゃあ、こいつらだって己の甘さを知って鍛錬にも励むようになるだろうさ。……で、お前はもう用済みってわけだ』
『ふざけんじゃねぇ! 俺様の芸術の邪魔はさせねぇぞッ!』

 だが、ヒッポリト星人にはまだ奥の手がある。ジェムをはじめとする新世代のウルトラマン達を完封してきた、ヒッポリトカプセルがあるのだ。
 彼は尻餅をついた姿勢のまま形勢逆転を狙い、リッパーの頭上にカプセルを出現させる。そしてジェム達を封じた時のように、素早くカプセルを急降下させたのだが。

『なッ!?』
『そんなもん、俺に当たると思うか?』
『ひぎゃあッ!』

 頭上に目線を向けていたわけでもないのに。ヒッポリト星人の所作から企みに気付いていたリッパーは、真横に側転してカプセルをあっさりとかわしてしまうのだった。
 そして反撃とばかりに、横薙ぎに蹴りを入れられてしまったヒッポリト星人は、満身創痍といった様子で命乞いをし始める。

『ま、待て! 待ってくれぇッ! 俺様は何も、地球人を滅ぼそうだなんて考えちゃいないんだッ! むしろ救いに来たんだよォッ!』
『ほう……?』
『お前ほどの戦士なら分かるだろう!? あんなひよっこ共じゃあ奴らには……テンペラー軍団には絶対に敵わねぇ! 遅かれ早かれ、この星は奴らに滅ぼされる! 絶対にだ!』
『……』

 その口から出てきた「テンペラー軍団」という単語に、リッパーは一瞬だけ足を止める。それは、この次元の地球にあらゆる災厄を呼び込んできた、最大の元凶を指す名であった。
 彼らの強大さと、今の弟子(ジェム)達の未熟さを知るが故に。リッパーは暫し、ヒッポリト星人の「言い分」に耳を傾けている。

『だからその前に、俺様の手で地球人共をブロンズ像にしてやろうってんだよ! 俺様のタールで肉体を覆われた生命体は、半永久的にブロンズ像の中で生き永らえるんだぜ!? 例え地球が奴らに吹き飛ばされても、地球人という種の存続は可能となる! こんな美味い話が他にあるか!?』
『……なるほど。そいつぁ確かに、ありがてぇ話だな』
『だろう!? ハハッ、あんたなら分かってくれると思ったぜ! 俺様にゃあまだまだ利用価値がある! こんなところで殺すなんてもったいねぇ! そうだろう!?』

 やがて、尻餅をついたまま手を差し出し、助けを求めようとしているヒッポリト星人に対して。リッパーは静かに、左手を伸ばしていく。
 だが、ヒッポリト星人に降伏の意思などなく。彼は狡猾に、逆転の一手を打とうとしていた。

(へへ……甘いなァ、ウルトラマンリッパーさんよォ。タールを出せる発射口は、カプセルの中だけじゃねぇのよ。実を言うと、俺様の掌からも放射出来るんだぜぇ? てめぇがこの手を取った瞬間、直接タールをぶちかましてやらァ……!)

 リッパーが自分を助け起こそうとした瞬間、掌から噴射されたタールによって、ブロンズ像にされてしまう光景を夢想しながら。ヒッポリト星人は下品な笑みを噛み殺し、無力な敗北者を演じていた。

 しかし。

『え?』

 リッパーが差し伸べた左手はヒッポリト星人の掌ではなく、上腕部を掴んでいた。
 次の瞬間、その腕はリッパーの腕部にあるヒレの刃によって、バターのように両断されてしまう。

『ふんッ!』
『……ッ!? ひ、ぎゃぁあぁあッ!?』

 エネルギーを宿したヒレ状の刃で、相手を切り裂く「ウルトラZスラッシュ」。
 その一閃によって片腕を斬り落とされたヒッポリト星人は、絶叫を上げてのたうち回る。そんな彼の醜態を、リッパーは冷酷な眼で見下ろしていた。

『て、てめぇなんてマネしやがるッ! それでもウルトラの戦士かよッ!? 誇りってものはねぇのかッ!?』
『ハッ、まさかてめぇに誇りを説かれるとは思わなかったぜ。……お上品な相手じゃなくて、残念だったな』

 予想だにしなかった斬撃を受け、ヒッポリト星人は苦悶の声を上げながら必死にリッパーを糾弾している。だが、当のリッパーは悪びれもせず、不遜な笑みすら浮かべているようだった。

『……何か勘違いしていやがるようだから、一つ教えてやるぜ』
『な、何ィ……!?』
『今のてめぇの話は所詮、テンペラー軍団にはどう足掻いても敵わないという前提の上にしか成立し得ない、机上の空論でしかねぇのよ。俺は懸けてるのさ。こいつらなら必ず、テンペラー軍団からもこの地球を救えるってな』
『バ、バカな……! それこそ、天地がひっくり返ってもありえねぇぜッ! それほどの強さを持っていながら、奴らの力が分からねぇのか!? 俺様にすら負けるようなひよっこ共になんざ、勝てるわけねーだろうがッ!』
『……だからこいつらは、今から(・・・)強くなるのさ。そのための「教訓」が、お前との戦いだった。さっきも言っただろう? てめぇは、もう用済みだってよ』
『ち……ちくしょぉおおッ! なんてひでぇ野郎だ、この人でなしがァアッ!』

 この男には話など通じない。今になってそれを理解したヒッポリト星人は自分の卑劣さを棚に上げ、半狂乱になりながら残っている腕を振り翳し、リッパーに殴り掛かっていく。
 すでに破られている炎の拳が、その巨体に迫ろうとしていた。

『……ヌゥンッ!』

 そんな彼を、「介錯」するべく。リッパーは腕を×字に組み、エネルギーを溜めると――その両腕を上下に伸ばし、半月状の光刃を形成して行く。

『ウルトラZ……ギロチンッ!』

 やがて打ち出された、縦一文字の一閃「ウルトラZギロチン」。その光刃は真っ向から迫るヒッポリト星人の巨体を、瞬く間に両断してしまうのだった。

『……ふん。てめぇの2枚おろしなんざ、豚の餌にもならねぇな』

 まさしく苦しむ暇もない、一瞬の介錯。その閃刃に倒れたヒッポリト星人の骸を見下ろし、リッパーは鼻を鳴らして踵を返して行く。

 今回の元凶であるヒッポリト星人が倒れたことが影響しているのか。ジェムをはじめとするウルトラマン達や、温泉街の人々を覆っていたタールも、徐々に溶け始めていた。
 全てが元通りになるのも、時間の問題と言えるだろう。ヒッポリト星人を巡る今回の事件も、これでようやく解決となったのだ。

『今のこいつらは、確かにひよっこさ。……それでも最後まで諦めず立ち向かい、僅かな可能性でも勝利を信じて戦って来たこいつらなら、いつかその心を以て不可能を可能にする。それが、「ウルトラマン」なんだよ』

 だが、今回の事件はこれから始まる「本当の戦い」の序章に過ぎない。

 それを知るリッパーは、ブロンズ像から復活しつつある弟子達を一瞥すると――敢えて何も語ることなく、この場から飛び去って行くのだった。ウルトラマンジェムをはじめとする彼ら6人なら、必ずこの地球を守り抜けるのだと信じて。

 ◇

 ――そして。復活後、真っ二つにされたヒッポリト星人の遺体から全てを察したジェム達6人は、改めて己を鍛え直すようになり。

 この日の事件から約1年後、テンペラー軍団の侵略を見事に打ち破って見せたのである。その瞬間を見届けていたリッパーが、安堵の笑みを浮かべていたことなど知る由もなく。
 
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