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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第54話

 
前書き
ビルスの命が限界ギリギリ死ぬ寸前だったことを知らされたビルスの怒りによって…

ヒーローズでは混血もゴッドになれるのは分かったけど頑なにブルーにさせないのは純血の特権扱いしてるのか? 

 
この場にいるウイスとビルスを除いた全員が宙を舞いながら人は舞空術を使わなくてもあっさりと空を飛べるんだと言う現実逃避に似た心境を味わっていた。

少し前にウイスによって呼ばれた界王神がビルスの前に来るとビルスが尋ねる。

「おい、界王神。お前…バビディの件で死にかけたって本当か?」

それを聞かれた界王神は不思議そうにしながらも頷いた。

「はい、危ないところでしたが、悟林さん達に助けられました…」

「何やってるんだ!お前はーーーーっ!!!!」

あっさりと肯定したことでビルスの怒りが限界突破を果たし、気を解放したことでウイスを除いた全員が余波で吹き飛んだ。

「これは昔、太陽を3個壊した時と同じくらいキレてますね。いやはや、今の界王神様は凄いですね、破壊神の理性を吹き飛ばすなんて」

「ちょっとウイスさん!このままだとカプセルコーポレーションが吹き飛ぶから何とかして!!」

「美味しい物を食べられなくなるのは困りますしね。」

悟林の叫びにウイスはビルスに近付いて首に手刀を叩き込んで気絶させる。

ビルスが気絶したことで何とか全員地面に着地することが出来た。

「し、死ぬかと思ったわ…」

特にこの中では最も耐久力が低いブルマが息を荒くしながら言う。

ピラフ一味は壁にめり込んでいるが、トランクスと悟林、悟天が救出した。

ピラフ一味の中にマイを見た未来トランクスは安堵の息を吐いた。

「(この時代でもマイはいたのか、悟林さんがいるから多分俺達みたいな関係にはならないかもしれないけど、仲良くしてもらいたいな……マイやビーデルさん達は大丈夫かな?)」

この時代に来る際にマイとビーデル達は地下の秘密基地に隠れさせているが、ブラックが相手では時間の問題であろう。

とにかく未来トランクスと未来悟飯は服を借りて6時の夕食にレストランに向かうことに。

「この!馬鹿が!何自分から危険な場所に行ってるんだ!界王神としての自覚が足りなさ過ぎるだろ!」

「ぎゃああああっ!わ、私!何かしましたか!?止めて下さいーーーっ!!!」

お尻ペンペンで妥協したビルスが界王神の尻を叩いていた。

因みにどうやら本当に界王神と破壊神の命の繋がりについて知らなかったようである。

そして6時の夕食、サイヤ人が大半を占めるために凄まじい勢いで料理が減っていく。

「ぷはー、やっぱりここの料理は美味しい!」

「特に今日は孫君のとこの野菜をふんだんに使ってるからね、孫君達の作った野菜は本当に美味しいわ」

悟林がスープを飲み終えるとブルマが料理に使われている野菜がパオズ山の畑で採れた野菜を使ってくれていると言うことだ。

パオズ山の豊かな土壌で作られた野菜は味が濃くて人気なのだ。

「まあ、ビルス様。このサラダ、美味しゅうございますよ」

「おお!瑞々しくてトマトやレタスも甘味があっていいじゃない!ドレッシングをかけなくてもイケるぞ!それにしてもこの馬鹿が、ブラックだか何だか知らないがあっさりと殺されるなんて情けない奴だよ本当に」

「も、申し訳ありません…」

夕食に同伴していた界王神はビルスから怒られて身を縮ませている。

「界王神を名乗るならせめてデカブツの南の奴くらいには強くなるんだね、精進なさい…それにしてもそっちの世界ではふざけた奴がのさばっていられるとはな」

「まあ、破壊と言う点ではビルス様とやっていることは変わりませんけどね」

「おい!そいつは宇宙のバランスも考えず、ただ気に食わない奴を葬り去っているだけだ!知恵と威厳と歴史が違う!」

不真面目な点はあれど破壊神としての誇りはあるビルスからすればブラックの行為はただの殺戮でしかない。

「ほほほ…そうでしたね…」

「とにかく、未来の連中の世界だけの話とは限らんな…今後現れるブラックって奴がこっちの世界でも同じことをするかもしれん…おい、界王神。お前の周りに危険な思想を持つ神はいないか?」

「き…危険な思想ですか…?」

「例えば人間を極端に嫌っているとか…心当たりはございませんか?」

「いえ、そう言うのは特に…」

「はあ、期待はしていなかったが、収穫なしか」

ウイスの問いに対して界王神も覚えがないらしくビルスはガッカリする。

取り敢えず界王神は食事を終えると第10宇宙の界王神と会う予定があるらしく、すぐに界王神界へと戻っていった。

「そうだ、トランクスさんと悟飯…未来に行く前に私が2人に修行をつけてあげる」

「え!?本当ですか!」

「うん、2人にはゴッドに変身出来るようになってもらうから…まずはゴッドのパワーを体感しよう。みんな、協力してくれる?」

「「はーい!」」

「オラと悟林とベジータ、悟天、悟飯に2人のトランクス…うん、大丈夫そうだな」

「チッ」

「何?嫌なの?」

「…今回だけ特別だ。」

悟空とトランクス、悟天は協力してくれるそうで、ベジータは舌打ちの後に了承した。

外に出て早速未来トランクスと未来悟飯を超サイヤ人ゴッドにするとそのパワーに驚愕する。

「これは…こんな世界があったなんて…」

「これがゴッドのパワーですか…!」

「でもこれで終わりじゃねえぞ」

「ゴッドよりも更なる上の世界がある」

「2人にも目指してもらうからね」

悟空とベジータが超サイヤ人ブルー、悟林が神のオーラを纏って潜在能力を解放すると超サイヤ人ゴッドよりも桁違いのパワーを解放した。

蒼神化と究極神化は未来トランクスと未来悟飯に大きな衝撃を与えた。

超サイヤ人ゴッドのパワーでさえ2人には衝撃的だったのに更に上があるなど思いもしないだろう。

「2人共、精神と時の部屋に行くよ。あそこでみっちり鍛えてあげる」

「「はい!」」

「トランクス、修行が終わったら重力室に来い。修行の成果を見せてみろ」

「父さん…はい!」

過去の師匠だけでなく、父親まで相手に誘ってくれたことに未来トランクスは嬉しそうだ。

「悟林さん!俺も行くよ!」

「僕も!こっちの兄ちゃんと一緒に修行したい!」

トランクスと悟天がもっと2人と接してみたいのか修行を申し出た。

「「駄目だ(よ)!」」

チチとブルマは却下…しようとしたが、溜め息を吐いた。

「と言いてえとこだが、仕方ねえな…未来の悟飯。悟天と仲良くしてやってけれ」

「未来のトランクスもトランクスをお願い、この子一人っ子だからあんたをお兄さんのように思ってきてるのかも」

「「分かりました」」

神の神殿に向かうとピッコロが出迎えてくれた。

「来たか…事情は知っている。大変だったようだな」

「ピッコロさん…」

「だが、良く生き延びた…!流石は俺の弟子だ…!」

背中を叩きながら微笑むピッコロに未来悟飯は目頭が熱くなるが、すぐに表情を引き締めた。

「ありがとうございます。精神と時の部屋を使わせて下さい!」

「私と悟飯、悟天、トランクス君とトランクスさんの5人だよ」

「そうか、悟林。やるのなら徹底的に鍛えろ」

「勿論、みんな。この部屋でしてきた修行がただのお遊びだったと思えるくらいには厳しくするからそのつもりでね」

「「「「はい!」」」」

元気のいい返事に満足して悟林は4人と共に部屋の中に。

相変わらず真っ白な空間だが、戻るのは外の時間で朝の7時。

今なら半年くらい修行出来る。

「まず2人は超サイヤ人ゴッドへの変身が出来るようになること。神の気は外に漏らさないで体の内側で高める。その状態で超サイヤ人の要領で変身するの…超サイヤ人ブルーは超サイヤ人ゴッドの状態で超サイヤ人になることで変身出来るんだけど…まず、2人はゴッドに自力でなれるようになってから、なれるようになったら基本的な修行をやっていこう。基本を疎かにしたら後で痛い目に遭うからね」

「体の内側で気を高める…分かりました…やってみます!」

未来悟飯と未来トランクスが早速言われた通りに体の内側で気を高めていく。

「2人は超サイヤ人3を極めてもらえるかな?思い付く限り何でも良いよ」

「分かったよ悟林さん!悟天、フュージョンだ!」

「うん!」

「「フュージョン…はっ!!」」

フュージョンポーズを決めてゴテンクスとなる2人。

悟林は超サイヤ人ゴッドに変身すると構えた。

「おいで、ゴテンクス君!」

「「今日こそ悟林姉ちゃんをギャフンって言わせてやるぜ!」」

「はいギャフン」

「「俺が自力で言わせるんだから言わないでよ悟林姉ちゃん!」」

ゴテンクスは早速フルパワーとなって超サイヤ人3に変身して悟林に突撃する。

悟林は神通力でゴテンクスの拳を逸らして後頭部に手刀を叩き込む。

「「痛って~っ!」」

痛がるゴテンクスに悟林が追撃の気弾を放ってくる。

ゴテンクスは慌ててそれをかわして悟林に再び突撃していった。

攻撃は簡単にいなされて逆に殴られてしまうが、手加減はしていないのにすぐに起き上がってこれる辺りブウと闘った時よりも遥かにパワーアップしているのが分かる。

良く見ると体も以前よりガッシリとしているし、ゴテンクスの超サイヤ人3は6分にまで伸びていた。

未来悟飯と未来トランクスも基本戦闘力が充分にあり、超サイヤ人ゴッドに変身したこともあるおかげですぐに超サイヤゴッドへの変身、神化を会得した。

しかし、問題はここからで悟林と同じように超サイヤ人ゴッドの状態で超サイヤ人に…超サイヤ人ブルーへの変身がどうしても出来ないのだ。

どれだけ気を高めても一瞬、蒼いオーラが混じるだけですぐに霧散してしまう。

仕方ないため、未来悟飯には超サイヤ人ゴッドの要領で潜在能力を解放する方法を教え、神の気を纏った潜在能力の解放を会得させる。

「くそ…どうして超サイヤ人ブルーになれないんだ…!」

「…もしかして地球人の血が邪魔をしているのかもしれない…」

悟空とベジータが変身出来て自分達には出来ない。

恐らくそれは自分達に流れる地球人の血ではないかと推測する。

「それじゃあ俺は超サイヤ人ブルーになれないと言うことですか…」

「いや、一瞬だけブルーのレベルにまで上がったから不可能じゃないと思う。取り敢えずトランクスさんはゴッドに慣れて、ゴッドのパワーも相当に強力だから慣れておいて損はないよ」

「そうですね、ゴテンクス…だっけ?相手してくれるか?」

「「OK!行くよ兄ちゃん!!」」

超サイヤ人ゴッドには超サイヤ人ブルーにはない強みがある。

そこを極めれば超サイヤゴッドのパワーもあって確実に未来悟飯のサポートとしても優秀だろう。

超サイヤ人ゴッドに変身したトランクスは超サイヤ人3のゴテンクスを相手に激しい組み手を展開した。

「トランクスさん!ゴッドは凄いパワーの他にも神通力が使えるからそれを上手く活用して!」

「神通力って…界王神様みたいな感じですか!?」

「そう!攻撃を逸らしたり、金縛りで相手を動けなくしたりとか色々やれるから頑張ってみて!」

未来トランクスとゴテンクスの隣で超サイヤ人ゴッドに変身している悟林と未来悟飯が神通力による駆け引きをしている。

神通力で拳の軌道を逸らしたり、地面を爆発させたりなどした目眩ましをしながら色々と工夫しながら闘っていた。

「ところで姉さん、過去の俺は学者になれたのか」

「勿論、悟飯には勿体無い可愛いお嫁さんと娘さんもいるよ。」

「それって、ビーデルとパンかい?」

「ん?何で知って…あ、もしかして未来の悟飯の奥さんと娘さんって」

「そう、ビーデルとパンだよ…この時代でも出会えたのか…過去の俺も学者になれたようだし、嬉しいもんだなぁ」

「ねえ、普通は嫉妬しない?」

「しないよ、こう言う風に言うのはおかしいかもしれないけど、俺…過去の俺のことを弟のように思っていたから」

この時代の悟飯を羨むのではなく、夢を叶えて幸せになったことを心底喜んでいる様子にどこの時代でも悟飯と言う人間は底抜けのお人好しなのかもしれない。

「今ではすっかり学者って感じになってるよ。子供の教育は甘すぎるようだけどね」

「子供はやんちゃなくらいが丁度良いよ。平和な時代ならね」

「いや、パンちゃんはサイヤ人だからね?死人を出さないように厳しくしないと」

「姉さん、程々にした方が良いよ」

「それは今後のパンちゃん次第と言っておくよ」

そんな2人の様子を未来トランクスとゴテンクスが見ていた。

「「悟林姉ちゃん、結構パンちゃんに厳しくしてんだぜ?悟飯兄ちゃんやサタンさんがデレデレだから」」

「俺の世界のパンちゃんは赤ちゃんの時でもやんちゃと言うより結構大人しかったんだけどな…」

「「不思議だなぁ…こっちとあっちの悟飯兄ちゃんも全然違うし」」

環境の違いによる性格の差などゴテンクスが知るわけもなく、未来トランクスとの修行を再会した。

少しずつだが、超サイヤ人3の限界突破への道が見えてきたのかゴテンクスのテンションは上がっていったのだが、6分経過でフュージョンが終了して倒れこむのであった。

因みに外界では悟空とベジータも重力室で修行していた。

「あいつら、きっと…凄え成長して出てくっぞ…!」

悟空とベジータは300倍の重力下で腹筋や腕立て伏せなどの基本的な特訓を繰り返している。

「当然だ…!特にあいつらは俺の息子だ…強くなってもらわねば困る…!だが、問題はあいつがブルーになれるかだ。悟林がなれないことを考えれば地球人の血がブルーへの進化を妨げているのかもしれん」

未来悟飯は恐らく悟林と同じ進化を遂げるだろう。

しかし、未来トランクスはそうはいかない。

「でもよ、未来のトランクスならなれるんじゃねえか?」

確かにベジータの懸念は理解出来るが、超サイヤ人2の力をベジータレベルにまで引き上げることが出来た未来トランクスなら或いはと思う。

しかし、もしベジータの予想が当たっていれば地球人の血がトランクスの成長の足枷になってしまう。

出来ることならゴッドを超えた進化を果たしてもらいたいとベジータは修行に没頭しながら思うのであった。 
 

 
後書き
取り敢えず混血の超サイヤ人ゴッド超サイヤ人が超サイヤ人怒りってことで。

精神と時の部屋での修行内容は主に神の気の扱い方に慣れることです。

ゴッドって最初は単純(何かアニメでは回復してたけど)な戦闘力強化って感じだったけど映画でブルーとは違う強みがあるのが良かった。 
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