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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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13-⑵

 再生オープン記念セールが始まった。金土日の3日間限定。メインは、ランプステーキと明石紅葉鯛のポワレ、それに子供向けには、卵と生クリームのキッシュ、ご年配の方には、ふわふわミートローフ。私達にしては、渾身のメニューだった。それも、格安の料金を設定出来た。ステーキと鯛は\900でミートローフとキッシュは\600の設定だった。それに、ご来店のお客様には、後日2割引きの券をお渡しするつもりだった。だけど、シャルダンは今回は何のチラシも入れていなかったのだ。

 舞依ちゃんから、店長、冒険し過ぎじゃぁないですか、と、言われたが

「大丈夫 晋さんとも蒼とも充分計算したから」と、私には、自信があった。きっと、評判になって今後につながると・・。

 新規オープンの花輪も沢山いただいて、取引先以外に、以前ホテルの時にお世話になった、食品会社と東京のレストランチェーンの社長さんからと思われるもの、地元の老人会、俳句の会、婦人会、そして、何故か最後に、明璃軍団というものまであった。堤さんが、立てるとこないぜって言ってきたので、昔の待合所に並べて、立てることになった。そして、店内には、松永さんのビストロナカミチとホテルの総支配人の名前の生花の盛花があった。

 金曜日、10時オープン初日に年配の方が大勢駆けつけてくれた。勿論、田中さんの姿もあった。その日は、清音も明璃ちゃんも手伝いに来てくれていたのだ。結局、時間前に受け入れて、満席になった。その後も、来てくれた人には、待合室でスープで対応した。清音が応対してくれて、サービスしていたのだ。

 お客さまは、それ以降も途絶えることなく、12時頃になると、待合室もいっぱいで帰る人も出てきたので、私は、せめて割引券をお渡しするように清音にも伝えておいた。結局、お昼の休みも無くて、夜の8時頃まで満席状態が続いた。皆が、働き詰めだったのだ。ようやく

「舞依ちゃんごめんね もう あがって 明日は朝営業開始だから 武君も 本当に、ごめんね 休憩も取れなくて」と、言うことができた。

「店長 いいの こんなに、お客様来てくれて、良かった 明日も、頑張ります」と言う舞依ちゃんと武君は無理やり帰らした。

「清音 ありがとう 明日 仕事でしょ もう あがって 助かったわ」と、声を掛けたが

「いいの 最後まで居るわ でも、明日、あっち行かなあかんので、来れへんねわ ごめん」

「いいの 明日は、光瑠が来てくれるって言ってたし 大丈夫よ」

 その時、蒼が顔を出した。その後ろから堤さんも

「大繁盛だね 昼間 通り掛かった時 すごい人だったね 明日は、ファミリーも多いだろー せめて、俺、駐車場の整理に来るよ」

「堤さん そんなことまで・・ 申し訳ないですよ」

「いいんだ 少しでも、手助けになれば」と、言って帰って行った。

「蒼 ごめん ご飯の用意できていないんだ」

「いいよ 忙しかったんだろう 明日 休みだし 焼きそばでも作って待っているよ」

「まぁ 優しい だんな様ね いいわね お姉ちやん」と、側で聞いていた清音ちゃんが言ってきた。

「清音 明璃ちゃんも 本当に もう あがってよ ありがとう 助かったわ」

「ハーイ 店長殿」と、二人は、顔を見合わせて、言いながら、新しい更衣室に消えて行った。

 そして、しばらくして、帰り際に、又、ふたりが顔を見せて、清音が

「あのね 明日は お姉ちゃんのとこに 泊っても良い? 明璃と」

「えぇー 何言ってんの まだ お布団もないし・・」

「いいの 毛布持って来るし ウチ等 大丈夫だよ 慣れているし お願い お姉様 私は向こう終わったらお手伝いに来るからさー 夜だって、大変でしょ」

「うー 泊るのは 良いんだけど・・」

「じゃぁね 新婚さんのお邪魔するの 悪いんだけど そうするね」と、言って帰って行った。

 あの子、そんなじゃぁなかったと思っていたんだけど、明璃ちゃんの影響なんかな・・。




 



 

  
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