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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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3-⑸

 僕達は、居酒屋に居た。昇二が串カツ屋に行こうぜって、言い出した。例のごとく、美鈴は僕のとなりに座った、いつの日以来だろうか。

「美鈴 ナカミチ 復活するんだってな」と、僕は、切り出した。

「うん 進んでいる 松永さんは、元、店があった場所の近くにしたいって」

「うん ナカミチのファンは多かったからな 懐かしがる人も居るだろうな」と、昇二は言ったが

「でも それだけじゃぁないみたい 松永さんは・・私も同じ思いだけどね」と、美鈴は、少し、言い方が暗かった。

「それより、本当にあの時は みんな ごめんなさい」と、美鈴は謝っていたが

「どうして 美鈴が謝るのよ 事情があったんだから、仕方ないよ」と、光瑠がかばった。

「ある程度は、予想ついているから、もう、あの時の話はしないでも良いよ 美鈴 でも、本当に頑張ったと、みんな思ってるから」と、僕が言うと

「あの時なあ お母さんに、出て行くって言われて、お父さんを守るのって私しか居てへんと思って、もう、そればっかりしか頭に無かって みんなに迷惑かけたわ ごめんな」

「もう いいって 美鈴 あの時は、俺等も何にも出来なかったかもしれんけど、今は、少しは、手助けできると思うから、言ってくれよな なぁ 蒼」と、昇二が言ってくれた。

 ホテルに着くと、美鈴は

「やっぱり ここなんだ」

「うん 具合わるいのか?」と、僕が聞くと

「うー 私 隅っこで待っているね」と、言っていた。美鈴が勤めているホテルなのだろう。

 チェツクインを済ませて、美鈴のもとに行くと、男の人が寄ってきて

「松永さんの奥様から預かっております」と、バッグを美鈴に渡してきた。

「それと、お部屋にサンドイッチを用意しておきました。皆からの、しずかさんへの心づくしでございます」と、言っていた。

 美鈴はお礼を言って、早く行こうと促してきた。エレベーターの中で

「副支配人なの 私 来月いっぱいで、ここ、辞めるの」と、言っていた。

 部屋に入ると、美鈴は

「4人一緒なんだ」

「美鈴 蒼と2人だけだと、期待してたんでしょ」と、光瑠がからかったっていた。

「そんなぁー 期待だなんて 光瑠 意地悪 ただ、以外だったから」

「先に、お風呂入るね 浴衣疲れるし 美鈴 一緒に入ろー 君達、覗いてもいいよー 鍵かけとくけどね」と、光瑠が言うと

「バカヤロウ ちゃんと、女を磨いて来いよ」と、昇二が返していた。

 部屋は、4人用といっても、奥にツインが繋がっているファミリー用だった。僕と、昇二は又、飲み始めていると、いきなり、光瑠がバスローブ姿で

「ごめんね 浴衣、置く場所ないから」と、言ってベッドに投げ出して置いて行った。

「良かったな 蒼 ようやく会えたな 結婚の約束もしちゃえよ」

「まだだよ 自分で、稼げるようになってからな」

「そうか でも 誰かに取られちゃったらどうすんだよ そうだ 明日 天神さんに、お願いに行こうぜ 付き合うよ」と、言っていたが、僕も「そうだ 新しいミサンガを」と思っていた。

 美鈴等が出てきたとき、申し合わせたようにタオル地のルームウェアで、ふたりとも足が細く、白くて、中学の時以来、久々に見て眩しかった。

「ねぇ ねぇ 美鈴 ミサンガ 切れちゃったんだって 願いがかなったのよね」と、光瑠が言ってきた。

「丁度 今 明日 天神さんに次のお願いに行こうぜって話してたとこだよ」と、昇二が言うと

「次のお願いって?」と、光瑠が聞き返すと

「そんなの 秘密に決まってるじゃん わかるだろう 光瑠なら」

「そうかぁー だよね あっ そのサンドイッチおいしそう 又 お腹すいてきちゃった」

「そんなに食べると 太るぞー」

「昇二 うるさい 私を飢え死にさせる気か」と、光瑠も、はしゃぎ始めていた。


「光瑠は昇二が太った女は嫌だって、言われたから、気をつけているんだって だけど、スタイル良いんだよー」と、長い髪の毛を乾かしていた美鈴も加わってきた。さっきよりも、明るくなったみたいで、僕もうれしかった。

「思いだした しずかって美鈴のことなのか?」と、僕は聞いてみた

「そうだよ あの時 それまでの美鈴は捨てなきゃって思ったんだ だけど、今日から、又、美鈴に戻るよ みんなに会えたしね」

「そうだよ これから新しい生活が始まるんだよ 僕達と一緒にな」

「ねぇ 明日 天神さんの後、海遊館行こうよ 4人で遊びに行ったことないじゃぁ無い? 想い出づくりだよ」と、光瑠が提案してきた。

 みんなが、賛成して、時間が遅いので寝ようかってなった時、光瑠が

「蒼と美鈴は奥の部屋で寝なよ」と、言ってきたが、美鈴は

「そんなぁー 私達は、まだ・・」

「馬鹿ね 美鈴 そんなんじゃぁ無くて、二人だけで話もあるだろうし、手ぐらいは繋いで寝なさいよ」と、僕と美鈴は奥に追いやられてしまった。

 僕達は、しばらく、ふたりで黙ったまま、ベッドに腰かけていたが、美鈴が

「今日は、ありがとう 蒼 うれしかった」と、言って、僕のホッペにチュッとして、ベッドにもぐりこんでしまった。だけど、手だけを伸ばしてきたので、本当に手を繋いだだけで、寝てしまったのだ。かぼそくて、きゃしゃな手だったんだ。


  


  
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