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黒猫鉄火面(鳩山・民主党と小泉やパヨ左翼への地獄案内)/真面目な話は「猫眼石」参照

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牛頭馬頭レポート
  地獄二丁目、東条さんの楽しい日常生活

 
前書き
ちなみに地獄二丁目の牢名主的な立場でヤクザの組長みたいなもの(作中設定)。シノギで地獄の氷を切り出して、浄土ヶ浜に輸出している話(浄土ヶ浜から山本五十六がトラックで輸送にくる)とかは割愛しました。
余談ながら、ヒットラーは地獄のもっと深い場所で(得意の画才を駆使して)春画を描いて印刷し、ナチスの資金源にしている設定あり(スターリンのソビエト赤軍と抗争中)。それから地獄の一丁目(一番浅いところ)でハイデッガーがパラディソ楽園のヤスパースと電話で談笑とか、その辺も割愛。 

 
 その日は地獄の二丁目で、東条さんがまたしても切腹する日であった。彼は旧日本帝国軍を指揮した大首領である。
 牛頭馬頭は日本風のかみしもを着てコスプレし、気分を盛り上げようとする。そして白州に敷いたござの上で、東条さんは切腹スタンバイ。背後で介錯の馬頭が無言で日本刀を振りかぶっている。

 東条さんは短刀を前に、悔恨と苦悩に満ちた心情を吐露した。
「天皇陛下、改めて、力及ばずに申し訳ありませんでした。戦って死なせた兵士たちにも、至らない私を信じて最後まで戦ってくれてありがとう。
しかし、私の罪はただ単に負けたことだけではない。自国や他国に被害を出したことでもない。
一番の失敗は、不明さにある。自分なりに良かれと思ってやったが、まさか共産主義者どもの「敗戦革命」工作にのせられていたとは、夢にも思わなかった。アカの国賊だと勘違いして、まともな穏健派を弾圧しながら、一番最悪の本物のアカの工作員連中を野放しにして自分自身も国ごと踊らされて破滅した不覚さ、悔やんでも悔やみきれぬ。
やはり私は万死に値するので、またしても切腹せずにはいられないのだ!」

 そして東条さんは「日本万歳!」と叫んで、一文字に腹を切る。それだけでなく、もう一度振るって縦に切り裂き、伝説の「十文字切腹」を成し遂げた。
 すかさず馬頭が首を打ち落とし、両手で捧げて首級を示す。すると天空の浄土が浜から嵐のような万雷の拍手と「東条閣下万歳」みたいな歓声が響き渡った(一部はもらい泣きしているようでもあった)。
 やがて「活」のそよ風が吹くと、東条さんは何事もなかったかのように生き返った(ここは地獄である)。すでに馴染みの馬頭にリクエストした。

「よし。次はまた真剣白羽取りの稽古だな」
「OK!」

 極端ではあるが、地獄も天国も心の持ちようなのだとも言う。「何度でも武士道の死で、修行して無限に漢(おとこ)を磨ける」東条さんは地獄の楽しみ方を理解しているのだろう。
 たまに洪(ホン)と羅刹女や鬼女の風呂を覗いたり、セクハラしたりして「リアル半殺し」にされているのは内緒である(洪中将は戦時中の親日朝鮮人の貴族で、敗戦で東条と一緒に絞首刑になった人物)。

      @   @   @

 またまたの地獄三丁目ラジオで東条さんが出ていた。
 東条さんは旧日本軍を指揮していた人物だが、共産コミンテルンの謀略(「ヴェノナ文書」で明るみに出た)で大暴走して日本を自滅させて敵味方双方に被害を出してしまったことを悔やんで、地獄の二丁目で内省と苦行している。
 もう一人のゲストはシュミセン山から来たハヌマットさん。インドの猿神様で、東南アジアの仏教文化などでも人気があるらしい。牛頭とは古い友人で、一説では牛魔王と孫悟空のモデルだとか。

「いやー、お久しぶりにお目にかかります。近頃は貴国も成長軌道に乗ったようで、何よりですな」

 東条さんは東南アジアやインドを植民地支配から解放だけしても、近代化できずに貧困のままになってしまったことを気にしているらしかった。ハヌマットさんと和気藹々と団欒して、三丁目ラジオとしては穏健な運びとなっている。
 放送中にみんなで酒を飲み、はっちゃけている。

「よく馬頭君(羅刹で観音)に真剣白羽取りの稽古をしてもらうんですが、なかなか上手くいかない。たいていは頭に刺さったり、腹を横一文字されちゃったり。たまに「掴んだ!」と思ったら、指が切れてバラバラ落ちたりとかね(笑)」
「無茶するわー」
「まあ馬頭君にはたまに仏教哲学の講義なんかも聞かせてもらったり、人生は死んでも修行ですな」

「あんさんらは、牛頭と相撲とか、もう地獄でも浄土でも似たようなもんやな」
「かもしれませんなー。いやいや、そうじゃない。羅刹女がビキニとか露出ファッションで誘惑しやがるんですよ。しかも鞭を持った女王様スタイルですから、敵いません。実際に付き合わされると大変で」
「なんやー、やっぱり楽しんどるやんか」

 お猿のハヌマットさんがふざけて(酔っている)、放送不能なことをしゃべったらしい。「ピー」と音声がしばらく隠蔽された。


 ちなみにその次の回では李氏朝鮮の洪さん(旧日本帝国軍の中将)とスペイン・ファシズムのフランコ将軍がゲスト出演した。

「まさか、ここまで酷いことになるとは思ってませんでした。日本が負けたとき、薄々は予感してはいましたけれど、ここまでバカやらかすとは。
朝鮮韓国は歴史的に事大(強者勝者に迎合する)政治文化がありまして、やはり大陸の政治情勢に振り回されてきた事情があるんです。千回くらい大陸から侵攻されてますし、適当に様子を見て、強い側や勝ちそうな側につかないと危ない立場だったので。
たとえば漢民族の明の王朝が滅亡したときに、亡命者を匿って明に味方したら、満州族の清から恨まれてトコトン虐待されて。明治時代に日本が来たときには、とっくに滅茶苦茶の半死半生で、実は朝鮮や韓国に危害被害を加えたのは日本じゃないんです。だから当時の李氏朝鮮は中国やロシアの脅威から助かるために日本と従属同盟しただけで、そうでなかったら日本軍に志願なんかしてませんよ」

「アハハ、どんまい! まあ日本帝国とか割と優しかったみたいだし、朴チョンヒとかもなかなか頑張ったんだけどねえ。俺らみたいなのは死んだり負けたあとで「死体蹴り」されるのは世の常だから、ベストを尽くしたなら気にすることはないのさ」

 聞き手のフランコ将軍は横で笑って相槌を打っていた。自分自身が似たような経験をしているだけに、共感を含めた苦笑いしている調子だった。

 
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