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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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Mission:11 ボロック

フェラムを撃退し、少しの休息を取った後に任務を続行する。

施設に入ると、ある程度内部を調べていたエックス達から施設内のことを聞いたアクセル、ルイン、シナモン、マリノは通信妨害装置レーザーエネルギー制御室にいた。

「えっと、この反射板でレーザーを曲げて、あの装置に当てればいいんだよね?」

「うん、そうみたいだよ。そうすれば通信妨害装置のレーザーエネルギー動力炉にエネルギーが供給されて端末を動かせるようになるらしいね」

アクセルがレーザーと反射板を見つめながら尋ねると、ルインも頷いた。

「施設内での通信が出来て良かったですね」

もし通信が出来なければ操作の度にいちいちエックス達の所まで足を運んで状況を聞きに行かなければならないと言う面倒なことになっていただろう。

「そうだねえ、みんなレーザーに気を付けなよ?えっと…この反射板はこうなって、んで…あそこは……」

マリノが仲間に注意を促しながら4人が反射板を操作してレーザーを反射板に当てると、反射板がレーザーを反射していき、パネルにレーザーが当たる。

「よし、成功!!」

「こちらアクセル。僕達はレーザーエネルギーの供給に成功したけど、そっちはどうエックス?」

『ああ、こちらでもそれを確認した。次は南西の部屋に…』

「……ごめん、敵だ。警備用メカニロイドのトリニティキラーのようだね」

ルインが敵の存在に気付いて通信を切って全員が身構えると、トリニティキラーがメーザーを放ってきた。

「メーザーだ!かわしな!!」

「危な…っ」

メーザーを反射板の陰に隠れてやり過ごすアクセル。

威力は大したことはないが、光学兵器の中でも弾速が早く、人工皮膚に当たると大変なことになる。

「どうしましょう?ミサイルで攻撃しますか?」

「いや、危ないよシナモン。僕が変身してもいいんだけど、この部屋かなり狭いからな」

重装甲型のシルバー・ホーンドやマッドノーチラスは巨体の為にこの狭い部屋では動けないのだ。

「ここは私の出番だね。」

ZXバスターのエネルギーチャージを開始するルインにアクセルは焦り始める。

「え?ちょっとルイン…ま、まさか…」

「みんな屈んで!!ファイアーーーーッ!!!」

バスターから放たれたチャージショットが天井や壁を反射し、見る見るうちにトリニティキラー達を殲滅した。

「わあっ!ルインさん凄いです!!」

「ふふん、そうでしょ!これなら敵を一網打尽に…わあっ!?」

反射板で跳ね返ったチャージショットとエネルギー供給用レーザーにより、アクセル達は危険な目に遭う。

「ちょ、危ない!!シナモン、もっと低く屈みな!!」

リフレクトレーザーが反射板に当たる度に反射板の向きが変わり、供給用レーザーの向きも変わるためにアクセル達は命の危険を感じたのであった。

「こんな反射板が沢山ある場所でこんな攻撃したら危険に決まってるじゃないかーーーーっ!!」

「ごめんなさーいっ!!」

「あ、1体動いてますね。えいっ!!」

ミサイルを数発放って攻撃するシナモン。

チャージショットはミサイルが相殺してくれたので、何とか無事に部屋を出ることが出来たのであった。

「何で現役のイレギュラーハンターよりもちょっと前まで戦場と無縁だったシナモンの方が賢い戦い方してるんだよ…」

「まあ、結構ルインって無茶やるからねえ…」

「あうう…」

「?」

この後、スピードがあるアクセルとマリノが速攻で敵を片付けることでメカニロイドの攻撃から逃れて、全てのエネルギー供給用レーザーをパネルに当てることに成功したアクセル達。

「よし、これで終了だね。エックス、基地との通信は…」

アクセルがエックスに通信を繋げ、基地との通信が可能になったかと尋ねようとした瞬間であった。

『きょほほほ!皆さんよくもやってくれましたね。よろしい…最上階へご案内しましょう。中央エレベーターから上がってきなさい…この私が直々にお相手してあげましょう。きょぉぉ~ほっほっほー!!』

奇妙な笑い声が施設内に響き渡り、アクセル達は顔を見合わせた。

「多分、今のがこの施設を守っているリベリオン幹部かな?」

「フェラムじゃなかったんだ…よし、ここでの汚名返上しなきゃ!!」

「ふん…上等だよ。返り討ちにしてやろうじゃないか!!」

「私も頑張ります!!」

中央エレベーターに向かい、上の階にいるエックス達と合流して最上階に向かう。

「きょ~っほっほっほ!死に損ないの皆様、ようこそ!いや、しかし。流砂に飲み込まれたのに生きているとは悪運の強い方々ですな。いや、寧ろ運が悪いのですかね?この私の前にやって来る羽目になったのですからね!きょほほほほほ!!」

最上階に来た途端現れたのは、背部に巨大なジェットユニットと音叉のような物を装備した恰幅のよいレプリロイドだ。

ラグラノ廃墟でエックスとゼロが見たイプシロンに従っていたレプリロイドの1体。

「お喋りな人だね。何者なの?」

エックスとゼロとは違って屋上から叩き落とされていたルインは姿も知らないので一応尋ねた。

「これは紹介が遅れましたな。私はボロック。全レプリロイドの輝ける理想…リベリオンが幹部の1人にございます」

「下らん…通してもらうぞ」

吐き捨てながら言うとゼロは何時でも動けるようにソウルセイバーを構えた。

「きょ~っほっほっほ!そうはいきません!ジャーン!皆さんご存知ですね。これは超フォースメタル」

「超フォースメタル!?」

ボロックの取り出した超フォースメタルを見た瞬間、エックス達の表情に焦りが浮かぶ。

ボロックの指の一摘まみ分くらいしかない大きさだが、超フォースメタルの脅威はシャドウとエンシェンタスで良く理解している。

「そうでーす。たったこれっぽっちの超フォースメタルですが…カチッとな」

早速とばかりにボロックが自身の拡張スロットに超フォースメタルを差し込むと、ボロックのエネルギーが急上昇する。

「きょ~っほっほっほ!御覧下さいこのパワー!きょ~っほっほっほ!それではこのパワーで皆様方をボコボコにして差し上げますね!出でよQビット!!」

天使を思わせるビットを召喚するボロック。

「ふざけないで!返り討ちにしてやるんだから!!」

ルインが先手必勝と言わんばかりにZXセイバーを構えてボロックに突撃する。

「きょほほほ…バトルラプソディ♪」

ボロックの歌が音叉によって強力な衝撃波となってセイバーを弾いた。

「嘘!?」

「ならばこれならどうだ!!」

ソウルセイバーによる回転斬りをお見舞いするゼロ。

衝撃波を無視してボロックに手痛い一撃を与える。

「ぐほおあ!?さ、流石は伝説のイレギュラーハンター…や、やりますえ…しかあし!!」

「くっ!!」

咄嗟にソウルセイバーを構えて防御体勢を取ったゼロだが、ボロックが再び衝撃波を放ってゼロをいくらか後退させる。

かわそうとしても衝撃波の元が歌声だから確実に喰らってしまう。

「きょ~っほっほっほ。ん?」

「そらそらそら!!」

「えーい!!」

油断していたボロックにマリノとシナモンの同時攻撃が炸裂する。

「ぐへええ!!な、何ですかその猫の前足をデフォルメしたようなファンシー過ぎるヘンテコな武器は…思わず唖然となってしまいました…」

「だろうな…」

にゃんこグローブのあまりの場違いすぎる見た目に誰もが初めて見ると唖然となってしまうだろう。

初見では大した武器ではないと思い、油断する敵が多く、もしルナがそこまで計算していたとしたら凄い。

「追撃行くよ。変身、シルバー・ホーンド!!それっ!!」

ホーンドに変身したアクセルは大きくジャンプして絶対零度の冷気の波をボロックに喰らわせる。

ジェントラー同様に炎属性のボロックには効果は抜群だった。

「ぎょわあああああ!!?ぐぐぐ…こうなったら私の最大の技を見せて差し上げましょう!私の美声に酔いしれるがいい!!」

ボロックは超フォースメタルのエネルギーを全開にすると、Qビットと共に歌い始めた。

予想外の行動に全員が気を抜いた瞬間であった。

「あ、あれ?」

急に足から力が抜け、ルインが膝をついてしまう。

「ルイン?…ぐっ!?」

同じように体の不調を感じたゼロも膝をついてしまう。

「な、何だいこれ?急に体から力が…」

「か、体の機能が麻痺していきます…」

「ま、まさか…この歌声は、相手の機能を徐々に停止させていく技なのか…?」

「そうでーす!いくらあなた方が強靱なアーマーを纏っていても、私には通用しません。何故なら私はこの美しい美声による内部破壊という戦いを得意としているのですから。きょ~っほっほっほ!!」

「や、やばいよ…意識が朦朧として…」

「ぐっ…好きにさせてたまるか…!チャージショットだ!!」

チャージショットがQビットと背部の音叉に炸裂し、破壊されたことによってボロックの歌声の威力が急激に下がる。

「え?」

「くっ…お前の歌声は背部の音叉とビットによって増幅させていたんだろう?つまりビットと音叉さえ破壊してしまえば、お前はほとんどの攻撃手段を失う!!」

「きょ!?ま、まさか私の能力の弱点を見抜くとは!」

「お前の戦い方を見ていれば気付かん奴などいない!!」

ゼロの尤もな発言と同時に歌声から立ち直った全員がボロックに一斉攻撃を仕掛ける。

「バイタルスクラッチ!!」

「チャージセイバー!!」

「零式乱舞(コマンドアーツ)!!」

「ハイパーダイブ!!」

「阿修羅ナックル!!」

「ベルセルクチャージ!!」

「これで終わりだ!チャージコレダー!!」

全員がハイパーモードを使い、ボロックに向けて強烈な一撃を喰らわせる。

因みにチャージコレダーは無属性攻撃なので通用する。

「うぎゃああああああああ!!」

全員の攻撃を喰らったボロックはゴロゴロと転がりながら装置に激突した。

「ぐっ…レジスタンス共め…ここまでやるとは…あ、ああ!!」

エックスの足元に落ちている超フォースメタルを見て、ボロックは慌てる。

「イプシロン様から頂戴した。大事なフォースメタルが…んしょ…んしょ…んしょ…」

「「………」」

無言でボロックの眼前に武器を翳して牽制するゼロとルイン。

「ぎょ!?ぬうう……止むを得ない!ここはひとまず…撤退だーーーっ!!」

見た目から想像もつかないくらいの速さで転送システムに乗り込むボロック。

転送の光に包まれたボロックは次の瞬間消えた。

「何だ…歌声にさえ気をつければ大したことない奴だったな」

「まあ、見た目的にも戦闘に向いてそうには見えなかったしね」

「よし、とにかく。装置を止めることが出来たぞ。」

確認のために早速基地に通信を入れるエックス。

無線機のディスプレイにはガウディルとアル、ルナの姿が鮮明に映る。

『エックス!やったのか!?通信妨害が消えたグワ!!』

「ああ、ガウディル。装置は完全に破壊した。」

『やったなエックス!』

『お前らならやってくれるって信じてたぜ!!』

通信妨害波発信装置を止められたことにアルとルナは笑みを浮かべる。

「ああ…それに…超フォースメタルらしき物が手には入った!」

掌に簡単に納まるサイズなのにも関わらず、通常のフォースメタルよりも強いエネルギーを放っているフォースメタルをディスプレイに映るガウディルに見せる。

『グワ!?超フォースメタル!?でかしたエックス!そいつを分析すれば、奴らが何をしようとしているのか分かるに違いないグワ!早く戻るんじゃエックス!分析の用意をして待ってるグワ!!』

『おーい、エックス。早く帰ってきてくれえ…ガウディル博士のテンションが凄くてついてけねえよ…』

「はは…分かった…よし、戻ろう!!」

ルナの弱音に苦笑しながら通信を切ったエックスが全員に向けて言うと頷いた。

通信妨害波発信装置の停止だけでなく超フォースメタルを手に入れるという予想以上の結果を出したエックス達であった。

超フォースメタルを入手したエックス達は基地に戻り、解析準備をして待っていたガウディル達に超フォースメタルを差し出す。

「超フォースメタルか…これがどんな物か解析出来れば、いよいよリベリオンの企みが明らかになるだろう。ありがとうエックス、みんな。ここまで来れたのは君達の働きがあればこそだ」

「それにしても何だよあのボロックって奴は…あんな簡単にお宝を落としていきやがった…何か企んでるのは見え見えだったけど…」

「でも、あのボロックっていう幹部面白かったね。あそこまでお間抜けな奴だとやる気が削がれて大変だったよ。でもあんな奴に限ってしつこかったりするんだよね…」

「ボロック…ふざけた奴だったな…次に見つけたら叩き斬る」

「…………」

「ん?どうした?シナモン?」

分析の手伝いをしながらマリノ達の会話を聞いていたルナが黙りこんでいるシナモンに尋ねる。

「あ、いえ…超フォースメタルのことなんです。私はフォースメタルの力で回復能力を持っているので、何となく分かるんです。超フォースメタルは危険だって、こんな物が悪い人達の手にあったら駄目です。」

「そう言えば、シャドウもそうだったけど、超フォースメタルを装着した瞬間にあいつのエネルギーが飛躍的に増大したよね?あんなのを大量に造られたら、流石の僕達も苦しい戦いになるんじゃないかな…」

「あんな小さな超フォースメタルであれほど強くなるとは思わなかったぜ。小さいのがあるということは大きいサイズの超フォースメタルもあるってことだよな…?」

「あ、あまりそういうの想像したくないな。僅かな量だったらしいシャドウでもあれほどパワーアップするなら、通常のフォースメタルサイズをリベリオン幹部クラスが装着するとなると…うん、そんなことないはず…あんな莫大なエネルギーに耐えられそうなレプリロイドがいるわけないし…」

「でも…どうしてリベリオンみたいに技術を悪い方に使おうとする人達がいるんでしょうか?きっと超フォースメタルだって、ルナさんの発明品みたいな使い道があるはずなのに…」

「シナモン…そうだな、超フォースメタルにも平和的な使い方があるはずなんだ。あんな小さな超フォースメタルであれほどのエネルギーがあるなら、正しい使い方をすればより地球を豊かに出来るはずだ。」

「エックスさん…はい、そうですね」

「とにかく、超フォースメタルの解析まで、まだまだ時間がかかるだろうし。メンテナンス受けておこうよ」

「おう、そうして来てくれ。みんな武器を置いてってくれよ」

全員がメンテナンスを受ける前にルナに装備品を預けると、彼女は自室に籠って修理を行うのであった。

全員がメンテナンスルームでメンテナンスを受け、作業を終えてエックス達と休憩していたルナが全員に飲み物を出しながら今思い出したように口を開いた。

「そう言えば、エアシティでスパイダーを見かけた奴がいるって噂を聞いたんだけど」

「スパイダーを見かけただと?」

ギミアラ採掘場で死んだはずのスパイダーがエアシティで発見されたという噂があることにゼロは当然としてエックス達は目を見開く。

「ああ、あれ?私も気になってエアシティに行って聞いてみたんだけど、その噂はスパイダーに片思いしていた人が広めたんだって、スパイダーが死んでしまったって聞いてショックで電子頭脳に異常が出たんだってさ」

「そうか…その人はよっぽど好きだったんだな、スパイダーのことが……」

スパイダーの死によって電子頭脳に異常をきたし、妄想と現実の違いが分からなくなってしまった人物にマッシモは同情したように言う。

「それにしてもギガンティスのレプリロイドは不思議だよね。ショックで現実と妄想の区別がつかなくなっちゃうなんてさ。正直今でも戸惑うことが多いよ」

「そうだな、ギガンティスのレプリロイドは他よりもより人間的な思考パターンを持っているようだ。」

目の前にいるマリノやシナモン、マッシモも他の場所のレプリロイドよりも人間臭さを感じさせることがある。

特にイレギュラー的な思考を持たずに盗賊家業をしているマリノを見れば他の場所のレプリロイドとの違いを強く感じさせる。

「うーむ、今回の事件はギガンティス製レプリロイドの人間的思考が原因なのかもなあ…あ、アクセルとシナモンには俺特製甘いカフェオレだぜ」

「ありがと」

「ありがとうございます!」

2人の味覚は設定年齢相応なので甘いカフェオレ。

気の抜けない砂漠での任務だったのでこの一杯は至福の一時であった。

「そこまで喜んでもらえると嬉しいぜ。それじゃあ俺はちっと寝るから」

「あ、うん、お休み…ねえ、みんなに相談があるんだよね」

【?】

「ルナにさ、お返ししたいんだよね。日頃の」

「あ、私もお返ししたいです!」

アクセルの言葉にシナモンが同意して、ルインも頷いた。

「確かにね、武器のメンテナンスに美味しいご飯まで作ってもらってるんだからお返ししないと罰が当たるよね」

「しかし、肝心の礼はどうする?ギガンティスでルナの嗜好に合いそうなのは見つかるのか?」

「そうだな、新しいメンテナンス道具は…要らないな」

ルナは遥か昔から愛用している工具がある上に彼女が使いやすいように独自に手を加えているので、どうしようもないくらい破損しなければ買い換えないだろう。

エックスは再び悩みだす。

「そんなに難しく考えなくて良いだろ?ルナがやってることで役に立ちそうな物を考えなよ」

「うーむ、ギガンティスで彼女がメンテナンス以外でしてるのは……料理だ!料理で何か役に立ちそうなのはないかな?」

「器具も愛用してるのがあるから要らないでしょ?」

「確かにな」

マッシモのアイデアも良かったが、器具も愛用しているのがあるので不要だろう。

「じゃあエプロンはどうですか?」

「エプロン?」

「はい、ルナさんが使っているエプロン…凄く汚れていたので、新しいのが必要なんじゃないでしょうか?」

「それだ!」

エプロンなら使い捨てになるから新しいのを用意しても問題ない。

「でも、今のギガンティスで日用品なんて売ってるかね?」

リベリオンの反乱で需要があるのは武器や戦闘用アイテムにフォースメタルに非常食類なので日用品はかなり厳しいのではないだろうか。

「大丈夫!私に任せて!布さえあれば私が出来るから!みんなは布をかき集めてきて!!」

【了解】

ルインが準備を始めて、アクセル達はセントラルタワー中から布をかき集めてきた。

布を選別してルインは早速裁縫を開始し、しばらくして出来たのは橙色のシンプルなエプロン。

何となくルナには橙色が似合いそうだと思って縫ってみた。

「はい、完成」

「おー、あんた不器用そうなのに意外だね」

「マリノ、後で向こうでO☆HA☆NA☆SHIしようよ」

「じょ、冗談だよ冗談。そんな怖い顔で笑うなよ…」

不吉な笑みを浮かべてにじり寄ってくるルインにマリノは顔を引き攣らせながら逃走した。

「それじゃあ、早速持っていこうか」

「はい!」

早速アクセルがシナモンを連れてルナの所に向かい、彼女に手作りのエプロンを差し出した。

「これはエプロン?」

「そう、最近ルナが使ってた奴が汚れてきたじゃない?だから全員で材料集めてルインに縫ってもらってエプロンにしてもらったんだ。」

「ゼロ達もかよ…何か悪いな…どれ早速…どうだ?」

「とても良く似合ってますよ!」

橙色のエプロンはルナの雰囲気に合っていてとても似合っていた。

「へへ、サンキュー。俺、これは大切にするからな」

「大丈夫だよ、汚れたら新しいのを用意するから」

「でも、どんなに汚れても俺はこいつを大切にするよ。ギガンティスで出来た仲間やアクセル達からのプレゼントだからな」

エプロンを大事そうに畳みながらルナは嬉しそうに笑った。

喜んでもらえたようなので、この任務は大成功のようだ。 
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