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イベリス

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第一話 卒業してその五

「そこは絶対よ」
「そういうことね」
「そう、そうしたこと気をつけながら」
「高校生活やっていくのね」
「そうしなさい、あといじめとかあったら」
 その時はというと。
「録音でも録画でもしてね」
「証拠にしておくの」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。
「やっていくのよ」
「いじめがあってもなの」
「あんたがいじめ受けても」
 咲は中学まではいじめられた経験がない、だが母は親として娘である彼女を心配してそれで今言うのだ。
「そうしたらいいのよ」
「やり返す方法はあるのね」
「そういうことよ、それと部活はどうするの?」
 母は今度はそちらの話をした。
「一体」
「部活?」
「また漫画研究会?」
 ビールを飲む娘に問うた、飲んでいるのは家の中の内緒のことだ。
「そっちにするの?」
「いや、それはね」
「まだ決めてないの」
「高校調べたら漫研あるけれど」
「それでもなの」
「アルバイトも考えてるし」
 それでというのだ。
「だからね」
「決めてないの」
「うん、そこまではね」
「そうなのね」
「けれど高校はお洒落して」
 そしてというのだ。
「それからね」
「部活もなのね」
「今はその次位に考えているから」
 だからだというのだ。
「あまりね」
「考えてないのね」
「ええ、けれど高校に入ったらお洒落して胡散臭い人には気をつけて」
「それでなのね」
「やっていくわ」
 こう母に答えた。
「それでね」
「やっていくわね」
「そうするわ、そして入学してからね」
「部活とかアルバイトも」
「考えていくわ」
「そういうことね」
「じゃあ明日早速ね」
「美容院行くのね」
「そうしてくるわ」
 母にビールを飲みながら笑顔で話した、そしてだった。
 咲は実際に次の日朝起きて暫く経つとまずは美容院に行った、そうして美容院の人に対して言った。
「似合う様にです」
「任せてくれますか」
「はい」
 こう答えた。
「お願いします」
「それでは」  
 美容院の人も頷いてだった、咲を髪の毛の色はそのままのストレートのロングヘアにした、すると咲は眼鏡をかけたままだったが。
 自分の今の姿を見て驚いて言った。
「これは」
「如何でしょうか」
「全然違いますね」
「そうなりましたよね」
「三つ編みの時とは」
「はい、お客様のお顔立ちとお顔の形それにスタイルを見まして」
 そうしてというのだ。 
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