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銀河帝国革命

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内戦終結と銀河連邦共和国成立

 
前書き
大変長らくお待たせいたしました。そして突然で申し訳ありませんが、今回で銀河帝国革命は完結とさせていただきます。リアルが忙しくなり、纏まった時間が取れずにいるうちに、創作のモチベーションそのものが無くなってしまいました。
本当はこのまま未完結扱いにしようかと思いましたが、最後の気力を振り絞って何とか書けるだけ書きました。 

 
国共合作によって戦力の増強と民衆の支持獲得に成功した共和国臨時政府は、停滞した戦況を打破し国家統一を成し遂げるべく一大攻勢に打って出た。

帝国暦488年/宇宙暦797年12月25日、フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト大将とミハイル・トゥハチェフスキー中将率いる共和国軍はカストロプ公国に対し攻撃を開始。カストロプ自慢の全自動防衛人工衛星群【アルテミスの首飾り】の迎撃によって多大な損害を被りながらも進撃を続行しこれの破壊に成功する。
さらに共和国軍は間髪入れずにカストロプ公国首都に突入を実施。首飾り破壊の混乱から立ち直れていない公国軍は、装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将率いる装甲擲弾兵部隊の活躍によって撃破される。これを見て最早勝利は不可能と判断したカストロプ公王は脱出を図るも、圧政に耐えかねた民衆と臣下によって殺害、遺体は共和国軍に献上され、カストロプ公国は全面降伏となった。

帝国暦489年/宇宙暦798年1月10日、共和国軍のカストロプ公国侵攻を好機とみた銀河帝国正統政府執政ウィルヘルム・フォン・リッテンハイム3世侯爵は、共和国臨時政府の首都オーディンへの進撃を命令。アウグスト・ザムエル・ワーレン中将が戦力不足を理由にこれに反対するも、リッテンハイム侯爵はこれ聞き入れず作戦を強行する。結果、エルンスト・フォン・アイゼナッハ中将率いる正統政府軍がキフォイザー星系を出撃した。
正統政府軍の進撃を察知した臨時政府軍のナイトハルト・ミュラー少将は、総司令部に報告すると同時に貴下の艦隊を率いて出撃、会戦となった。前半は数に勝る正統政府軍が共和国軍を圧倒するも、ミュラー少将の卓越した指揮によって持ちこたえられていた。その後ヂュー・ドゥー中将率いる援軍の到着によって戦況は逆転、さらにリン・ビャオ少将率いる別動隊が背後を突かれたことにより正統政府軍の退路は断たれた。包囲されたアイゼナッハ中将はこれ以上の抵抗は無意味だと判断し降伏を宣言。これにより銀河帝国正統政府は致命的打撃を負ったのであった。

3月1日、銀河帝国立憲政府宰相オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵は、増大する共和国臨時政府の圧力に対抗するため銀河帝国正統政府との合流を画策する。正統政府執政のリッテンハイム侯爵は難色を示すも、合流派貴族たちの影響を受けた皇孫サビーネの説得やフェザーン独立国から援助の確約を受けたことにより合流を決断。その結果、銀河帝国立憲政府と銀河帝国正統政府は合流を果たし、新たに【ゴールデンバウム朝神聖銀河立憲帝国】が設立された。ここに反共和国勢力の結集が成されたのである。しかし攻勢を主張する旧リッテンハイム派と、持久戦を主張する旧ブラウンシュヴァイク派の派閥対立によって、帝国は発足直後から身動きが取れなくなってしまい、結果的に共和国臨時政府に戦力再編の時間と猶予を与えることとなった。

4月11日、国共合作後さらに影響力を拡大していく共産党に危機感を抱いた共和国軍宇宙艦隊司令長官ラーヴル・フォン・コルニーロフ上級大将は、元銀河帝国首相クラウス・フォン・リヒテンラーデ侯爵と共謀して首都オーディンでクーデターを強行。一時は主要施設の多くの占領に成功するも、ロマノフスキー上級大将(大将から昇進)率いる地上軍の抵抗により宇宙港と地上軍司令部の占拠に失敗する。さらにマリーンドルフ首相やエプレボリ外相、ビョークルンド食料担当相を筆頭に臨時政府首脳の殆どが脱出に成功していた。そしてカール・ハンソンの扇動によって民衆の心は反クーデターへと傾いていき各地で抗議デモが頻発、クーデター軍は首都の掌握もままならない状態であった。
結局ビッテンフェルト大将と率いる艦隊とオフレッサー上級大将率いる装甲擲弾兵部隊の帰還によってクーデターは瞬く間に鎮圧されたのであった。

4月18日、オーディンでのクーデター発生の報を聞いた立憲帝国はこれを逃せばオーディン攻略は難しくなると判断し一大攻勢を決断。全ての戦力を結集しオーディンへ向けて出撃した。これに対し共和国軍も戦力を結集させ、両軍はアルテナ星域にて会戦となった。戦況は背水の陣を引いた帝国軍が若干優勢ながらもビッテンフェルト大将とミハイル・フルンゼ大将率いる共和国軍も善戦しており、一進一退の戦いが続いていた。だがそれは共和国軍の作戦であった。

4月21日、ブラウンシュヴァイク公領にセミョーン・ブジョーンヌイ中将率いる部隊が、リッテンハイム侯領にはゲオルギー・ジューコフ少将率いる部隊が奇襲攻撃を敢行。これは帝国軍の攻勢を見抜いていた国防相ウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツ元帥と参謀総長シュターデン上級大将が、遊撃戦に秀でていた旧労農赤軍兵士を中心とした奇襲部隊を編制、暗礁宙域を通り帝国軍を引き剥がしているうちに一気に帝国の中心であるブラウンシュヴァイク領とリッテンハイム領を攻略するというものであった。
作戦は大成功を修め、奇襲部隊は僅かばかり残った帝国軍を撃破、両領地の占領する。ブラウンシュヴァイク公とエリザベート・フォン・ブラウンシュヴァイク及びサビーネ・フォン・リッテンハイムの両女帝は服毒自殺を遂げ、リッテンハイム侯は戦死、それ以外の貴族も多くが逮捕か殺害されるという旧赤軍兵士たちによる苛烈な報復が行われ、これが後の禍根に繋がることになってしまうのだが、それはまた別の話……

4月23日、本拠地が占領され退路もなく袋のネズミと化した帝国軍は今後の対応を協議、総司令官フレーゲル大将は特攻を主張し強行しようとするも、メックリンガー参謀長がフレーゲル総司令を射殺しこれを阻止、その後協議の末メックリンガー、ワーレン、ファーレンハイトの三提督は降伏を決断する。これにより第三次アルテナ星域会戦は共和国軍の勝利、その結果帝国軍は壊滅し神聖銀河立憲帝国は崩壊したのである。
その後共和国軍は帝国軍残党の掃討しながら各星系を制圧していき、翌5月20日、共和国臨時政府はフェザーン独立国を除く旧帝国領の統一を宣言。後に【統一戦争】と呼ばれる一連の内戦は、共和国臨時政府の勝利に終わったのである。

帝国暦489年/宇宙暦798年6月1日、予てより新国家建設の準備を進めていた臨時政府は【銀河連邦共和国】の建国を宣言。それに伴い元首たる大統領選挙と共和国議会選挙の実施を発表した。大統領候補に真っ先に挙げられていたマーリンドルフ首相が政界引退を宣言したことにより、候補の乱立が懸念されていたが、銀河共産党(銀河帝国共産党から改編)書記長カール・ハンソンが大統領選への出馬を表明したことにより、候補の一本化が模索されるようになる。エブリポリ外相やパルメ労働相、ロマノフスキー地上軍総司令官など、様々な名前があげられる中、社会協同党代表幹事でもあるベルティ・ビョークルンド食料担当相と、社会革命党書記長でオーディン・ソヴィエト議長を務めるアレクサンドル・ケレンスキー司法相が最有力候補として決まり協議の結果、ビョークルンド食料担当相が統一候補として大統領選出馬することとなった。また立憲民主党・社会協同党・社会革命党・社会民主労働党・保守系無所属(旧帝政会)の臨時政府与党による統一会派【協調民主ブロック】が結成され安定政権樹立のための万全の体制で選挙に臨んだのであった。

9月1日、3か月に及ぶ長い選挙戦の結果、

ベルティ・ビョークルンド      →51.6%
カール・ハンソン          →39.2%
ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ→9.1%
ド・ヴィリエ            →0.1%

とビョークルンド食料担当相が勝利し、議会選では

社会革命党     →1010議席
立憲民主党     →650議席
社会協同党     →640議席
社会民主労働党   →40議席
旧帝政会系無所属  →340議席

協調民主ブロック合計→2680議席

銀河共産党     →1310議席
保守党       →610議席
復古主義者同盟   →160議席
友愛地球党     →5議席
共和国から民を守る党→4議席
無所属       →231議席

野党合計      →2320議席

と与党協調民主ブロックが勝利を果たし、翌9月2日、臨時政府の解体と新政府が樹立された。
また新政府は共産党に対し閣僚ポストの提示と政権への協力を要請するもハンソンはこれを固辞、共産党は野党第一党として活動することになる。

そして9月5日、国共合作の契約に基づき旧銀河ソヴィエト革命政府の領域において【オリオン腕社会主義ソヴィエト自治共和国】が成立。代表である最高議長にはハンソンの最側近であるレフ・ブロンシュテインが就任し、魏内閣にあたる人民委員にはヨシフ・ジュガジビリやマオ・ツォートンなど若い世代の幹部が就任、社会主義国家建築の為邁進することとなる。

天変地異から始まった混乱は帝国を崩壊させ、新たな秩序が形成された。だが、新国家には数多くの内政問題だけでなく、テロリストと化した帝国の残党や残された最後の領土であるフェザーン、今や超大国となった自由惑星同盟など、数多くの外敵にも囲まれている。
だがそれでも我々は前に進まなければならない。それが革命の先駆者たちの責務であり、人民が生き残る唯一無二の方法なのだから……


                                                                                       END


 
 

 
後書き
最後は駆け足で撮っ散らかった文章になってしまいましたが、これで銀河帝国革命は完結となります。長い間読んでくれた読者の方々には感謝しています。
リアルが本当に忙しくなってしまい、もう当分創作はしないだろうとは思いますが、もしまた機会があれば、読んでいただけると幸いです。
今まで本当にありがとうございました。 
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