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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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大は小を兼ねる

「マリー……これからアナタに魔法を教えてあげる!」
結婚式も1ヶ月後に迫り、主役として忙しいはずなのに、ポピーお姉様は私を連れ、砂漠の国『テルパドール』へとやって来た。
其処から更に東へ…魔法の絨毯に乗り、暫く行った所で初めてここへ来た目的を教えてくれた。
「まぁ…魔法ですの………それより、此処は何処ですか?」
「此処は砂漠よ!」
イラッとくる!
そんな事は解ってる…遭難してないかって聞いてんのに!!
「大丈夫、ちゃんと帰れるわよ!」
私、顔に出やすいのかしら?ポピーお姉様には直ぐに心を読まれます。

「それで、私に魔法を教えて頂ける様ですが、何故にこの様な砂漠まで赴いたのですか?」
「そりゃ~…広いからよ!しかも何もない!」
「………あの…もう少し具体的に…」
「つまり、マリーには『イオナズン』を教えてあげようと思ってるの!その為には、何もない広い場所が必要でしょ!?…此処なんかピッタリじゃない!」

どうしよう…何て言えば伝わるだろう…私の気持ち…
「あの…何故に『イオナズン』なんですか?『イオ』にして頂ければ、こんな所まで来る必要はありませんのに…」
「まぁ!?さすがマリーちゃんは賢いわね…でも、その考え方はお兄様寄りね!」
大いなる侮辱ですわ!
思考がお兄様寄りとは………

「それにマリー…考えてご覧なさい。もう、この世界には魔王の驚異は消え去ったのよ!つまり、今後私達の敵になりうる相手とは人間なのよ!」
え!?人間同士での争いに備える為に、私にイオナズンを教えるつもりなの!?
「あ、あの…お姉様…私、人殺しは…ちょっと…」
「安心なさい!私もアナタに人殺しをさせたい訳じゃ無いわ!…いい、想像してごらん…アナタが『イオ』を憶えた後で、アナタにケンカを売るゴロツキが現れるの。勿論、話し合いは通じないから、『イオ』を唱えて撃退するわよね!アナタも殺す気は無いから、撃退しても命は取らない…そうするとゴロツキ共は、何れ復讐をしに再度現れるのよ!しかも以前よりは少し強くなって…」
「はぁ…つまりはイオナズンで殺しちゃえって事ですの?」
「違うわよ!何故、連中は復讐しに現れたかを考えるの!」

「………何故…ですの?」
「それはね、アナタとの力量の差がそんなに無いからよ!だから『次こそは!』って、再度襲って来るの…」
「つまり力量の差を圧倒的にする為、イオナズンから憶えちゃえって事ですの?」
(パチン!)
「その通り!さすがお父さんの血を引く娘ね!賢いわぁ」
ポピーお姉様は、指を鳴らして私を褒める…
これは喜ぶべき場面かな?


それから私は小1時間ほど、ポピーお姉様と砂漠の真ん中で『イオナズン』の練習をした。
因みに私が発動させた『イオナズン』は、お姉様が青ざめるほどの威力で、砂漠に500メートルほどのクレーターを出現させてしまった。

「す、凄い………桁外れの魔力ね………いいマリー、もし(ゴロツキ)に襲われたら、先ずは何もない空間にイオナズンを唱えて、相手を脅しなさい。間違いなく怯んで逃げ出して行くから!そうすれば人を殺さず、戦いに勝利出来るわよ」
ふむ、なるほど…殺す為の魔法ではなく、脅す為の魔法か…
その為には威力が大きい方が迫力がありますねぇ…
流石はお姉様ですわ!考えてらっしゃるぅ!
「私もね…この考え方をお父さんから学んだのよ」
はぁ?あの男から学ぶ事があるの?

「お父さんて、直ぐ人をおちょくるクセがあるじゃない…だから乱闘に巻き込まれるのだけど、相手は本気で襲って来てるのに、お父さんって全然本気出さないじゃない!笑顔で相手の攻撃をかわすから…相手も思うのよね…『この男が本気を出したら、俺なんかは瞬殺じゃね?』って」
えぇ~あの人そんなに強いの?
何時もチャラついてて、強そうには見えないんだけど…まぁ、一応はドラクエ5の主人公だし…それなりには強いのかな?
「ふふふ…マリーは知らないのね…お父さんが本気を出して戦ったら、この世界で勝てる者は居ないわよ!私は何度か見た事がある…その恐ろしいまでの強さを…」

「で、でも…お兄様の方が強いですわよね!?だってお兄様は伝説の勇者様なんですよ!専用の武具で戦えば…」
「100%お父さんには勝てないわ!良くて引き分け…」
えぇ~!!勇者より強いって、どんなチートだ!
きっとみんな勘違いしてるに違いない…
要所要所で圧勝するから、世界最強伝説がでっち上げられたに違いないわ!
だって、あのアホが最強なわけ無いもの!!



さて、1ヶ月などアッと言う間に過ぎ、昨日ポピーお姉様もラインハットへ嫁いでしまった…
今生の別れでは無いし、何時でも会う事が出来るのだから、悲しくならないと思ってました。
しかし、してやられました…
式での『花嫁からの手紙』で号泣してしまいました。
流石はポピーお姉様です…人の心を揺さぶるのが上手い!
お姉様を奪ったヘタレ王子が憎くなり、泣きながらケーキ(一口サイズのカップケーキ)を投げ付けてしまいました…
結婚式の最中に、泣きながら主役にケーキを投げ付けるなんて、前代未聞です。

お母様に叱られそうになったんですが、お父様まで面白がってヘタレにケーキ(ホールごと)を投げ付けた為、私は怒られずに済みました。
因みにお父様は、お母様・ヘンリー陛下・ドリス様・お兄様・オジロン様・マーサお祖母様にこっぴどく叱られてました。
当たり前です!
やっぱあの男バカです…そう、思ってたんですが、ポピーお姉様がコッソリ教えてくれました。
「マリー…後でお父さんにお礼を言いなさいよ!ワザと騒動を起こして、代わりに叱られてくれたんだから!」
本当でしょうか?
私の身代わりにって!?
…にしては、やりすぎではないでしょうか!?
よく分かりません…
一応お父様にお礼は言ったんですけど…
「え?別に庇ってないよぉ…僕もケーキを投げようと思ってた所で、先を越されたからさぁ………娘の真似じゃつまらんと思い、インパクトを付けてみたんだよ!あはははは…ちょ~うける~!」
………この人が分かりません!!



 
 

 
後書き
きっとリュカさんの事だから、ゲラゲラ笑いながらケーキを投げたんだぜ。 
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