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オズのケーキ

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第七幕その四

「本当に」
「そうなんですね」
「ただね」
「ただ?」
「まだ和菓子はね」
 こちらはというのです。
「作りはじめたばかりで」
「それで、ですか」
「まだ自信がないわね」
「中華菓子はどうですか?」
「そちらは結構自身があるわ」
 こうナターシャに答えました。
「桃饅頭や月餅や杏仁豆腐はね」
「そういったものはですか」
「前から作ってきたし。ただ和菓子はあの奇麗さもね」
「出さないといけなくて」
「それがね」
 どうにもというのです。
「ケーキとはまた違った芸術的な」
「そうしたですね」
「宝石みたいな奇麗さが」
 和菓子のそれがというのです。
「自然まで活かしたそれがね」
「難しいですか」
「和菓子はよくあんな素晴らしいもの造られるわ」
 ケーキはこうまで言いました。
「食べるのが勿体ないと思う位でしょ」
「そうですね、もう和菓子の奇麗さは」
 それこそとです、ナターシャも答えました。
「独特過ぎて」
「本当に宝石みたいね」
「しかも鮮やかな色でなくて」
 その色使いのお話もしました。
「淡い色でもね」
「奇麗に使っていて」
「奇麗過ぎるから」
「それはですね」
「そう、だから」
 それでというのです。
「それを出せるか」
「自信がないですか」
「そうなの、茶道で使う様なお菓子はね」
 和菓子でもというのです。
「それはね」
「じゃあどら焼きとかはどうですか?」
「羊羹とかきんつばは」
「そうしたものは」 
 ここでフェアリーの人達も言ってきました、皆森の中のフェアリーの野菜畑で苺や西瓜を採っています。その中でのお話なのです。
「どうですか?」
「あとお団子は」
「そういったものは」
「色々な色の団子は少し」
 どうもとです、ケーキはフェアリーの人達にも答えました。
「自信がないけれど」
「他のものはですか」
「そうでもないですか」
「そうなのですね」
「和菓子のあの奇麗さを出せるかが自信がなくて」
 それでというのです。
「どら焼きや羊羹については自信があるの」
「ではういろうは」
 ナターシャはそちらのお話をしてきました。
「そちらは」
「白、黒、抹茶、小豆、コーヒー、柚子、桜ってあるわね」
「はい、どうですか」
「そちらはね、まだね」
「自信がありますか」
「カエルマンさんも最近お好きで」
 それでというのです。
「よく作っているから。それにういろうの色は一色ね」
「そうですね」
「一色だけならまだね」
「出せますか」
「それがね」
 どうにもというのです。 
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