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ドリトル先生の野球

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第七幕その三

「勘違いも甚だしいね」
「それでそれを誰も批判しないとかね」
「間違えてるって言わないなんて」
 オシツオサレツの二つの頭も傾げられています。
「そのことが一番おかしいよ」
「当時の日本のスポーツマスコミってどうなったのかな」
「巨人の選手だから注目されていいとされていたのなら」
 老馬はまさかと思いつつ言います。
「もうどうしようもなかったんだね」
「僕達でもわかるのに」
 ダブダブが最後に言いました。
「そこを言わないなんて変だよ」
「あれだね、裸の王様だよ」
 先生はここでこの童話をお話に出しました。
「本当にね」
「ああ、あの童話だね」
「そういえばそのままだわ」
「間違えてるのに誰も言わない」
「誰が見ても間違えていることは明らかなのに」
「そう、誰が見ても間違えていることを間違えていると言わないと」
 それならというのです。
「これ以上おかしくて滑稽なことはないよ」
「全くだね」
「先生の言う通りよ」
「マスコミの人何してたの?」
「当時のチームも」
「野球選手が格闘家のトレーニングを積むことは間違ってるって」
「野球選手には野球選手のトレーニングがあるって指摘しないとか」 
 皆でどうかと思うのでした。
「やっぱり日本のプロ野球はおかしかったんだ」
「巨人の選手ならいいとか」
「間違えてると言われるどころか持ちあげられる」
「そんな風だったなんて」
「日本もおかしいところがあって」
 先生はこうも言いました。
「北朝鮮みたいなおかしな国を日本よりずっと好きな学者さんやマスコミの人がいたり」
「巨人をそこまで持ちあげる人がいたり」
「そんなところがあるのね」
「日本には」
「とてもいい国なのに」
「そんな困ったところがあるの」
「そうなんだ、常識で考えておかしいよ」
 先生はここでまた首を傾げさせました。
「北朝鮮みたいにおかしな国ないね」
「漫画に出て来る国?」
「特撮ものの悪役?」
「もうそんな感じの国ね」
「あんな変な国ないよ」
「他にないわよ」
「そんな国と日本を比べたら」
 どう考えてもというのです。
「日本は天国だよ」
「それでも昔は素晴らしい国って言ってたのよね」
「実際に訪れてその中を見ても」
「そんなこと言ってたんだよね」
「沢山の人達が」
「その国を訪れてその国の実態を見抜く」 
 先生は一言で指摘しました。
「それが学者に求められる能力だよね」
「日本の学者さんの多くはそれがなかった?」
「据え膳みたいなおもてなしを受けて」
「それが全部と思っていたのかしら」
「その時点で学者としてどうかだね」
「うん、それで日本の経済侵略とかアジア再侵略とか軍国主義反対とか徴兵制反対とか言っていたんだよ」
 そうしたことも言っていたというのです。
「そして北朝鮮のあの軍隊には言わないしね」
「あそこ徴兵制どころじゃないし」
「国民皆兵みたいな国だし」
「いつも悪いことしてるし」
「侵略国家そのものじゃない」
「核兵器開発してるしね」
「しかも日本の皇室にも反対で」
 先生はもう訳がわからないというお顔になってお話しました。 
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