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オズのケーキ

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第四幕その七

「王様とは違うところがあります」
「それは何じゃ?」
「リンキティンク王は明るい曲専門ですね」
「うむ、わしが作詞作曲してな」
 そしてというです、リンキティンク王はマユに答えました。
「全部明るいポップスやそんな感じじゃ」
「私達は違いまして」
 アイリもお話しました。
「歌と踊りも七人一緒ですが」
「明るい曲とは限らないんだね」
「確かにそうした曲が多いですが」
 アイリはかかしの言葉に答えました。
「バラードとかしっとりとした曲も」
「歌うんだね」
「そこにダンスも入れます」
「そうしているんだね」
「はい、ですから」
「そこはリンキティンク王とは違うね」
「色々なジャンルの音楽を歌い踊ります」
 そうするというのです。
「いつも」
「そうなんだね」
「ただ、ラップは」
 アイリはこちらの音楽のお話もしました。
「私達も歌いますが」
「どうも王様には負けますね」
 ミナミが少し困ったお顔で言いました。
「どうも」
「王様はラップも得意だからね」
「そうですよね」
「うん、歌にね」
「ダンスもですね」
「もうとびきりのリズム感覚で踊るから」
 ラップのそれをというのです。
「本当にね」
「私達以上ですね」
「君達がそう思うこともね」
「当然ですか」
「確かに王様は明るい曲限定だけれど」
 それでもというのです。
「その歌とダンスはね」
「凄いですね」
「ミュージッカーさんと並んでね」
 それこそというのです。
「明るい曲、ラップも含めてね」
「オズの国随一ですね」
「そうだと思うよ、僕も」
「あとです」
 ナナミが言うことはといいますと。
「私達の歌とオズの国の昔の歌は違いますね」
「ええ、私達の時はね」
 どうだったかとです、ケーキがナナミに答えました。
「カエルマンさんが最初の冒険に出た時は」
「かなり前ですね」
「貴女達はその時オズの国にいなかったわね」
「はい、まだ」
 そうだったとです、ナナミはケーキに返答しました。
「この国に生まれていなかったです」
「そうだったわね」
「その頃のオズの国の音楽は」
「まだジャズも主流じゃなかったわ」
「そうでしたか」
「ゴスペルとかブルースとかもね」
 こうしたジャンルの音楽もというのです。
「主流じゃなくて」
「本当に全く違うんですね」
「今のオズの音楽とはね」
「そうでしたね」
「オズの国はアメリカの影響を受けるから」
 このことを指摘したのはブリキの樵でした。
「音楽もね」
「アメリカの音楽がですね」
「そのまま出て来るからね」
「だからですね」
「その頃はジャズもなかったし」
「ゴスペルとかもですね」
「ロックもなかったよ」
 この音楽もというのです。 
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