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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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本編
  幕間~士郎となのはとヴィヴィオのとある1日

side 士郎


私たち六課のメンバーの朝は早い。フォワードメンバーの朝練は7時から始まるため、なのはは5時半に起きる。私は自己鍛錬のため、4時に起き、日ごとにローテーションで剣、弓、銃と魔法の鍛錬を行い、部屋に戻ってなのはを起こし、食堂へ向かう。食堂で朝の仕込を行い部屋に戻る。戻るとたいていフェイトとランサーが言い争いをしているのでそれを止める。7時になるとヴィヴィオが起きるので、朝の支度を手伝う。そうして支度が終わるとヴィヴィオと二人でなのはを迎えに行き、三人で朝食、というのが朝の流れだ。だが、今朝はいろいろと違った。その理由は昨晩にさかのぼる………




……………………………………………………


始まりは唐突だった。


「パパ、でーとにいこう?」


ヴィヴィオのこの発言である。
私は努めて冷静に


「ヴィヴィオ、誰にそんなことを聞いた?」


と聞いた。予想ではそんなことを教える人物は一人しか心当たりがないのだが、


「はやておねえさん」


予想通りでした。


「いいか、ヴィヴィオ。そういうのはもっと大きくなってから好きな男の人と行くものなんだぞ?」
「え?おねえさんはママとパパとおでかけすることだ、っていってたよ?」


純粋すぎる目。ああ、これには逆らえんな………
と、丁度なのはが戻ってきた。


「ただいま~」
「あ、ママ。今ね、パパとママとでーとにいくおはなししてたの!」
「え、ええ!?」


驚いたなのはに、


(要は三人で外出したいそうだ)
(な、なぁんだ、そういうこと……)


しかし、問題がある。


「ヴィヴィオ、ママとパパはなかなか一緒にお休みが取れないんだ。だから三人では……」
「ダメ、なの……?」


泣きそうな目。どうにかしてあげたいのはやまやまだが、ここはしっかり言わなければならない。


「行くことは「できるよ!ヴィヴィオ!!」………またか」


もう慣れた。マスター乱入には。


「あ、はやておねえさん!」
「そうや。よい子の味方はやておねえさんやで~」
「はやてちゃん、いつの間に………?」
「そんなことはどうでもいいんや!ヴィヴィオ、明日ならママもパパもお休みやからな。行くなら明日やで!」
「ほんと?」
「ほんとや!部隊長権限でついさっきシフトいじってきたから間違いないで!」


いや、それは職権乱用だろう……だが、


「やったー!!」


喜んでいるヴィヴィオを見ていたら、まあ、いいか。という気にもなってきた。どうやら隣のなのはも同意見のようだ。


「じゃあ、ヴィヴィオはどこに行きたいの?」
「えーっとね、………」



……………………………………………………



で、ヴィヴィオの回答が『地球』だった。マスターめ、ここまで仕組んであったな。しかも


『翠屋には連絡しといたからな
                By はやて』


この用意周到さである。ちなみに翠屋はなのはの実家が経営する喫茶店だそうだ。


そして現在朝の5時。ヴィヴィオは絶対起きるような時間ではないのだが……楽しみで仕方なかったのか4時には起きていた。


「パパ、はやくはやく!」
「ヴィヴィオ、あんまり急かさないの。パパは持っていく物いっぱいあるから大変なんだよ?」
「はぁい……」


しかし、お土産にはケーキをつくっていけ、とマスターに言われていたのだが……夜に作っておいてよかったな。朝作ったら後2時間はかかっていた。


「よし、じゃあいこうか」
「しゅっぱーつ!」




……………………………………………………………



で、2時間ほど転移を繰り返して着いた先は、豪邸だった。遠坂邸や間桐邸に引けを取らない大きさの。


「ここが、翠屋……!?」
「違うよー。ここは私の友達の家」


ずいぶんとすごい友達だな………
と、向こうから手を振りながら駆けてくる少女が見えた。


「なのは~」
「アリサちゃん!久しぶり~」


どうやら彼女がなのはの言っていた友達らしい。


「昨日はやてから明日なのはがこっちに来る、って連絡もらってたからさ、待ってたのよ?」
「そうなんだ~。お土産あんまり用意してないよ~」
「いいわよそん……な…の?」


彼女……アリサはこちらを見て固まった。


「お、お、お、お」
「お?」
「男連れぇ――!?しかも子供付き!?どどどどういうことよ!?」
「ああ、それはね………」



…………………説明中…………………



あの後お互いに自己紹介をし、現在に至る。




「そういうことなんだ~」
「全く、アリサちゃんは早合点しすぎだよ」
「そんなことないわよ!それよりなのは………」


そういうとアリサはなのはを連れて少し離れた場所へ。
内緒話をしているようだが急にボン!とでも音がしそうなくらい顔が真っ赤になった。


「あ、アアアアアリサちゃん!」
「なによ~ここまでしといてそういう関係じゃないって言い張るわけ~?」
「違うの!そんなこと……」


言い争いながら屋敷の奥の方へ行ってしまった。
何やらアリサの方は楽しそうだった。



side なのは


アリサちゃんに呼ばれて少し離れたところへ。
そこでアリサちゃんは小声で


「で?どこまでいってんのよ?キスは済ませた?それとも……もっと先も?」


と聞いてきた。後半は自分も赤くなっていたが。
だが私はもっと赤くなっているだろう。


「あ、アアアアアリサちゃん!」
「なによ~ここまでしといてそういう関係じゃないって言い張るわけ~?」
「違うよ!そんなこと……どう、なのかな」


裏の方まで来て、士郎君とヴィヴィオの姿は見えない。


「どういうことよ?」
「わからないの……私にとって士郎君はどういう存在なのかが」
「はぁ~。アンタやっぱり変わってない。そういうことに関してダメダメなところがね。だから可愛いのに彼氏が出来なかったのよ」
「そう言うアリサちゃんだって!」
「私は周りにいい男がいないだけ。士郎さんみたいないい男がいたら即刻かっさらってるわよ」
「かっさらうって……」
「それくらいでいなきゃいい男なんてつかまらないわよ?彼、モテそうだしねぇ。とられちゃうかもよ?」
「も、もう!」


私にとっての士郎君って、なんなのかな……?
大切な友達?……でも、ユーノ君やクロノ君に感じるものとは何か違う……。
でも、今考える事じゃないよね。今はヴィヴィオを楽しませるために来てるんだから!
そして、アリサちゃんの家を後にし、我が家に向かう。
ちなみにアリサちゃんへのお土産は


「アンタの浮いた話が聞けたから十分」


と言われてしまった。そんなんじゃないのに………


そうこうしてるうちに着いた。


「ただいま~」
「なのは!おかえりなさい!」


出迎えてくれたのはお母さん。


「ただいま、お母さん」
「お母さん!?」


士郎君驚愕の声。


「お姉さんではないのか……?」
「あらあら、嬉しいこと言ってくださいますね~。ところであなたは……?」
「お母さん。こちら同僚の衛宮士郎君」
「衛宮士郎です。つまらないものですがどうぞ」
「あら、わざわざご丁寧に……。なのはの母の高町桃子です」
「で、こっちの女の子が私と士郎君で保護してる……」
「ヴィヴィオです。こんにちは」
「はい。こんにちは」


挨拶も終え、お土産も渡した。お母さんは中の道場にいるお父さんとお姉ちゃんにもあって来なさい、と言ってくれた。お兄ちゃんは忍さんとドイツなので不在だ。



……………………………………………………



「ふう、今日はここまでにしようか、美由紀」
「はい!」
「お父さ~ん、お姉ちゃ~ん」
「おや?…なのは!」
「もう着いたの?早かったね~」
「朝早く出たからね~」


と、二人とも士郎君とヴィヴィオに目が行ったようだ。


「……なのは」
「何?お父さん」
「いつの間に結婚して子供まで作ったんだ!父さん聞いてないぞ!!」
「そうだよ!私よりなのはが先に処……じゃない、子供産むなんて!」


ああ、お兄ちゃんがいないからって安心してた……この二人もこうだったな。


「二人とも落ち着いて、話聞いてよ……」
「君!なのはがほしければ私を倒していくがいい!」


始まったよ……まあ士郎君に勝てるわけないと思うけど。
で、



……………………………………………………



(なぜこうなった?)
(ごめんね、うちのお父さん熱くなるとすぐこうだから……ちょっと本気でやっちゃって)
(魔力を感じないが……いいのか?)
(お父さん丈夫だから平気。それに負けないと調子に乗るから……)


「パパ~がんばって~」


木刀を両手に持つお父さんと士郎君。ヴィヴィオの応援がある士郎君に対し、先に冷静さを取り戻したお姉ちゃんと私からの応援が皆無のお父さん。それどころか向けられるのは冷ややかな視線。父親勝負だったらもう勝負はついている、という状態だ。


「自己紹介もまだなのに申し訳ありませんが、やられてください」
「ふっ、御神流継承者の私に勝てると思うなよ!」


いや、お父さん。英霊に勝とうとしないでください。
で、結果は……



「く、こんなにあっさりやられるとは……」
「パパ、すご~い!」
「お父さん、簡単にやられたね……」


士郎君圧勝。というか勝てたらお父さん生身でSランク魔導士を倒せちゃうよ……。



「少しは冷静になりましたか?」
「ああ。おかげでね。そういえば名前を聞いていなかったね」
「衛宮士郎です。よろしくお願いします」
「士郎……同じ名前だね。私は高町士郎だ」
「私はなのはの姉の美由紀で~す」


それぞれの自己紹介も終わり、事情とその他もろもろを説明する………


「へぇ~。保護児童なの」
「だから話聞いてって言ったじゃんか……」
「それにしても衛宮君、君の剣を見てて思ったんだが、君は剣は得意じゃないね?」


お父さんの言葉に反応したのはお姉ちゃんだった。


「え?どういうこと?お父さんを倒すような腕前なのに?」
「ええ。その通りです。非才の身ですので多くの戦法を求めた結果、剣、弓、槍、槌、戦斧に銃などとにかくいろいろなものに手を出しています。最も得意なものは弓ですが」
「アレで、本気じゃないの……?」
「士郎君はうちの部隊の切り札だからね~」
「あれ?それってなのはじゃなかった?」
「私は表向きの切り札だよ。本命は士郎君」
「確かに魔法を行使せずにあれだけの戦闘力があり、しかも本命の弓じゃないことを知ればうなずけることではあるな」
「パパ、おなかへった…………」


ヴィヴィオの発言は会話の流れ的に場違いだが、時間的にはあってるだろう。
そういえば私もお腹減ったかも………


「朝食の用意が出来ているはずだ。そろそろ行こうか」


お父さんが言うと私たち5人はリビングに移動した。お母さんの料理久しぶりだな~



side 士郎(衛宮)



出された朝食をいただいて、私は久々に思う。


上手いっ………


彼女の料理は素材を生かしつつ、薄すぎず濃すぎずのしっかりとした味付けがされていて、なおかつ見た目もとてもきれいだ。ヴィヴィオも、


「おいし~い!」


と、喜んでいる。
私が作らないと絶対に食べないピーマンやニンジンなどもしっかり食べている。


「お母さんの本業はパティシエなんだけど、料理も上手でしょ?」
「あら、なのはも中学の時は当時の私よりいい線行ってたじゃない?」
「中学の時のこと言われても………」


和やかな家族の談笑風景。それを見た私はどんな顔をしていたのだろうか。ヴィヴィオが心配そうに声をかけてきた。


「パパ、どうしたの?」
「いや、なんでもないんだ、ほらヴィヴィオ、冷めないうちに頂こうか」
「うん!」


いずれはこの子もこんな風景の中に……そう、思わずにはいられなかった。




……………………………………………………


ところ変わって、現在翠屋。


「衛宮君!シュークリーム3個追加!」
「こっちはショートケーキ2つ!」
「了解しました!」


私はなぜか厨房に……


「おまたせいたしました~」
「あら、可愛いお手伝いさんね」
「お嬢ちゃん、お名前は?」
「ヴィヴィオです」
「ヴィヴィオちゃん、偉いわね~」
「お待たせいたしました~」
「あら、なのはちゃんもお久しぶりね~」
「はい!お久しぶりです」


ヴィヴィオとなのははウェイトレスをしている。
なぜこうなった……………





………………………………………………………………



きっかけは私のお土産のケーキだった。
それを食べた桃子さんが


「うちで働いてみない?」


と言い出した。マスターめ、ここまで計算しているとはな。最初は断っていたのだが、その時に電話が。厨房のバイトの子が急用で来られなくなってしまったらしい。そこで今日だけ、という条件で引き受けると


「わたしもやりたい!」


と言い出すヴィヴィオ。さすがにそれは……と言おうとしたら桃子さんが


「じゃあウェイトレスさんしてもらおうかしら」


と言い出した。そしたらなのはが


「じゃあ私も手伝うよ」


というわけで……




……………………………………………………



現在に至る。それにしても……ヴィヴィオもなのはも世代を問わずに大人気だな……


「二人の事が気になるのかい?」


いつの間にか士郎氏が隣に。客足が引いてきたからだろう。


「ええ。まあ」
「そうか。……衛宮君。なのはは、普段どうだい?」
「とてもしっかりしていますよ。保護者としての自覚も出てきたみたいですし」
「無茶は、していないかな?」
「ええ。今はそれを諭す側の立場ですからね。……やはりあの時のことを?」


家族はどう思っているのか、少し気になってあの事を聞いた。



side 士郎(高町)


「……やはりあの時のことを?」


どうやら彼は知っているようだ。あの事を。
そして、剣を通して見えた彼の技の異常なまでの錬度。それはなのは以上の無茶無謀に挑んだであろう証拠に他ならない。そんな彼にだからこそ……
なのはのことを頼むべきだ。そう、思えた。


「ああ。またそういうことがないとは言い切れない……。なのははああいう性格だからね。だから、君に頼みたいんだ。あの子が無茶しないように、見守ってあげてくれないか」


すると彼は不敵に微笑み、


「安心してください。なのはもヴィヴィオも、二人まとめて守ると決めています。それが、わたしの存在意義ですから」


ああ、彼ならきっとなのはを守ってくれる。だから、彼のところになら、嫁にやってもいい、と思った。



side なのは


三時を過ぎ、お客さんもまばらになったので翠屋を後にし、最後の目的地に向かう。
その前に……


「はい。お土産、忘れないでね。ヴィヴィオちゃんも」
「ありがとうお母さん」
「ありがとうございます!」


六課へのお土産分のシュークリームをもらい、ヴィヴィオにはお手製クッキーを持たせてくれた。


「衛宮君」


お父さんはいつになく真面目な顔で士郎君と話していた。


「なのはを……頼んだよ」
「はい。彼女の事は私が守ります」
「そうか。よかったよ。なのはにも君のような相手がいてくれて」


何の話?模擬戦の相手かな……?
はてなマークを浮かべる私とヴィヴィオにお母さんは


「二人とも、勘違いって大変だからよく覚えておきなさいね」


妙に悟ったかのような物言いだった。



……………………………………………………



そして最後の目的地にして帰るための転送ポートがある場所でもある月村邸へ。
月村邸は侵入者よけのセキュリティがとにかく凄いので、家主に出てもらわないといけない。そのセキュリティを見た士郎君が、「割烹着の悪魔……」とか呟いてたけどなんのことだろうか?
で、その家主が……


「なのはちゃん!久しぶり!」
「すずかちゃん!」


月村すずか。アリサちゃんと同じく6歳の時からの親友である。


「相変わらずの警備システムだね……」
「最近お姉ちゃんが残していったのを少し改造したんだ。より厳重になったよ」
「これ以上にする意味ないと思うけど………」


と、ここですずかちゃんが士郎君とヴィヴィオに気づく。


「なのはちゃん、この男性とこの子は……?」
「同僚の衛宮士郎君と私が保護責任者やってるヴィヴィオ。二人とも、紹介するね。私の友達の月村すずかちゃんだよ」
「はじめまして。ヴィヴィオです」
「え、衛宮士郎だ」


士郎君が若干、いや、かなり引きつっている。何かあったのかな……?


(どうしたの?)
(彼女から、ちょっとマッドサイエンティスト的なものを感じてな……)


確かにすずかちゃん探究心は旺盛だけど……そこまでかな?


「それより聞いてよなのはちゃん。この間警備用散弾銃のゴム弾の素材の研究してたらいいのが出来て……」


訂正。士郎君は正しかった。暫く見ないうちにすずかちゃんはそっち方面に突っ走ってしまったようだ。




……………………………………………………




あの後30分近く銃器の部品云々を聞かされた。その後は他愛ない話をし、気が付けばもう帰る時間。


「じゃあ私たちそろそろ帰るね」
「うん。衛宮さんもヴィヴィオちゃんもまた来てくださいね」
「うん!」
「ああ。そうさせてもらうよ」


雑談の際のすずかちゃんを見て、士郎君も最初の警戒はある程度無くなったようだ。若干は残っているみたいだが。


そうして私たちの一日地球旅行は幕を閉じた。



side フェイト



「きょうね、ママとパパのうまれたところにいったの!すごくたのしかった!」


ヴィヴィオは帰ってくるなり私とランスに興奮冷めぬ様子で今日の事を教えてくれた。


「そっか、地球に行ってきたんだね。実は、フェイトさんとランスさんもそこにいたことがあるんだよ」
「ほんとう?じゃあつぎはみんなでいきたい!」


そのことを聞いて私たちはみんなで笑いあった。お仕事が一段落ついたらここのみんなで行こうね、と言って。



……………………………………………………



ヴィヴィオが寝た後、それぞれいつものように就寝。
でも、今日はなのはが変だった。


(フェイトちゃん、起きてる?)
(まだ起きてるよ)
(あのね……ううん、ごめんね、なんでもない)


悩んでるのは確かだ。なのはの親友として放っては置けない。



(なのは、悩みがあるんでしょ?見てればわかるよ。なのはの悩みならいつでも相談に乗るよ)
(フェイトちゃん……ありがとう。じゃあ、聞いてくれる?)
(うん)
(士郎君の事なんだけど……私にとって士郎君の存在ってなんなんだろう、って)


士郎の存在……?


(クロノ君やユーノ君に感じるのとは別の何かを感じるんだ。でも、それがなんなのかわからないの)
(どういうこと?)
(なんだろう、一緒にいるといろんな気持ちになるの。嬉しかったり、恥ずかしかったり、すごく安心できたり、もやもやしたり……)


何だろう、私にも覚えがある。それはつい最近の事だが。私は悩んではいないし、今は前より毎日が楽しくなっているからあまり気にしていない。でも、なのはは違うようだ。


(私もわからないや。相談して、って言っておきながらごめんね……)
(ううん、いいの。少し楽になったから。それじゃ、おやすみ)
(うん。おやすみ)


なのはの迷い。それは私がランスに感じている感情と同じもので悩んでいるようだった。
この気持ちの正体。私はわからなくてもいい、と思ってるけどなのはが答えを求めてるなら一緒に探すのもいいかな、とも思えた。



side はやて



今日、シフトをいじってなのはちゃんを士郎と出かけさせたが……自分の気持ちに気づいただろうか。
ここんとこ悩んでるみたいやったからな。いつもどこか上の空やし。
ヴィヴィオの事もあるし、早く吹っ切ってほしかった。フェイトちゃんも同じだが、こちらは気づかずとも楽しんでいるようだ。……まぁ、初恋だろうし、わからんのも無理はないんやけどな。



…………にしても、年下のスバルやティアナよりそういうことに疎いってどうなんや。
男たちも男たちで士郎は全く気づいとらんし、ランスはランスでわかっていながら楽しんでるところがあるからなぁ……。
まったく、二人とも厄介なのに惚れてもうて、キューピッド役は苦労するわぁ~。


当事者たちの親友と主、というポジションの彼女は仕事よりこっちで疲労がたまっていた。



………それでいいのか機動六課よ。 
 

 
後書き
新年初投稿です。



~補足~



士郎ズの会話。


お父さんは嫁にもらってくれ、と思って話している。
士郎は物理的障害から守って平和に暮らせるようにしてあげてくれ、と言われていると思っている。


二人の空気から言い分の違いを悟る桃子さん。流石です。


さて、読者の皆様に伺いたいのですが、こういった話は間に挟んだ方がいいですか?それともさっさと話を進めて事件解決後にまとめてやったほうがいいですか?

ご意見ください。待ってます(=^・^=)


では皆さん、今年もよろしくお願いします!(^^)! 
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