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おっちょこちょいのかよちゃん

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61 石松の願い

 
前書き
《前回》
 かよ子は石松がこの世に戻って来た経緯を聞く。ある時、戦争を正義とする世界が日本赤軍という日本人の過激派と同盟を組んだという話をフローレンスとイマヌエルから聞いた石松達。石松は前世への派遣を望み、親分の次郎長の情によって派遣が認められこの清水へと帰って来たのであった!! 

 
 石松の話は終わった。
「それで某はお主らを見つける事ができたのだ」
「それでか」
「ねえ、ねえ、石松〜。アタシにゃどんな能力(ちから)があるのお〜?」
 まる子がボケるように聞く。
(自分で考えろよ・・・)
 杉山は心の中で呆れた。
「そうだな。お主は豪雨の時に何も感じずに出動しなかったな?つまり、見聞の能力ではない」
「でも、アタシゃお母さんやお姉ちゃんに怒られてばっかりだし、威圧の能力(ちから)でもないねえ〜」
「つまり、武装の能力(ちから)が備わっておるという事になる」
「私は見聞の能力(ちから)があるけど・・・」
 すみ子は己に備わっている能力(ちから)を顧みた。
「俺達にはおそらく武装の能力(ちから)だな」
 山口、川村、ヤス太郎も自身の能力(ちから)を確認する。
「あ、私もだ・・・」
 かよ子も先ほど気付いたように防御に特化した武装の能力(ちから)を持っている事を確認する。
「俺達は・・・」
「大野けんいち、杉山さとし、お主らは武装の能力(ちから)は武装の能力(ちから)だ。そして富田太郎、お主も武装の能力(ちから)を持っておる」
「そうだったのかブー」
「私はあ?」
 冬田が聞く。
「お主は、武装の能力(ちから)が備わっておるな」
「ありがとう~」
(大野君にとっていいパートナーとして戦えるかしらあ・・・)
 冬田は大野の右腕になれる事を想定し、大野から見直されて両想いになれる事を妄想した。
「そういえば威圧の能力(ちから)を持っている人が出てきてないけどいるの?」
 かよ子は石松に聞く。
「そうだな。威圧の能力(ちから)を持っている者は実は他二つの能力と比較すると希少なる能力(ちから)であるので所有者は少ない。だが、ここに一名おる」
 石松は長山の方を見た。
「え・・・?僕・・・?」
 長山は信じられなかった。
「いかにも」
「でも僕は何も発揮できてないよ・・・」
「一見そう見えるかもしれぬが、お主の頭の切れる才能からなる発案で皆を肯かせておる。それに某が知る限りではもう一名おる」
「それって・・・?」
 かよ子は聞く。
「山田かよ子、お主の隣の屋敷に住む男・三河口健だ」
「え、三河口のお兄ちゃんが・・・!?」
 かよ子は驚いた。
「まさに。お主らがオリガや丸岡と闘った後に丸岡を威圧させて遠くへ吹き飛ばしたというのを聞いておるな?」
「う、うん・・・。でも、どうして知ってるの?」
「ふと、あの者と単独で会った時に聞いておるし、イマヌエルがたまたまこちらの世界に来た時にも聞いた。お主らが知らぬところでも某は他の者と度々連絡を取っておる」
(そっか、だから札幌から帰る時に東京で寄り道して赤軍や異世界の人間を追い払ったって言ってたんだ・・・)
 かよ子は思った。
「それだけではない。あの男は能力(ちから)を持つ者でも稀有な存在だ。なんと見聞、武装、威圧、三種類の能力を全て宿しているのだ」
「ええ!?そうなの?」
「いかにも」
 かよ子は母が杖を所有する事になった話を聞いた時、三河口も人とは違う能力を持っているが、強力すぎるという事を話していた事を思い出した。その三つの能力を持っているからこそ、彼は自分の能力が強すぎると言っていたのだとかよ子は改めて理解した。
「でも、あのお兄ちゃんが武器を持たないのはなんで?」
 かよ子はさらに石松に質問する。
「それはだな、あの者が自覚する通り、能力の影響力が他の者と比べて大きい。今は武器に頼らずとも能力のみでいけるという事である」
「そうなんだ・・・」
「もう某の話を語っていると日も暮れてしまっておるな。お主らの親も心配しているからそれぞれの屋敷へ帰るとよい」
「うん、じゃあねえ!」
「おう、またな!」
 皆はそれぞれ帰宅していく。かよ子は思う。
(あのお兄ちゃんが凄い能力(ちから)を持っているなんて・・・)
 かよ子は三河口がこの清水に来た理由や経緯などをいずれは知りたいと思った。

 かよ子は帰宅すると明日からの学校の準備をする。そしてテレビを見ながら夕食を食べ、そして風呂に入り就寝とするいつもの生活だった。だが、それでも己の使命を忘れたわけではない。日本赤軍や戦争を正義とする世界の人間によって壊された元の日常を完全に取り戻すにはその人間達を倒さなくてはならない。そしておっちょこちょいも治したい。かよ子の誓いは固かった。

 森の石松は秘密基地のある高台より清水の街を見渡す。
(親分、フローレンス、イマヌエル・・・。某が選んだあの子達ならきっと役に立ってくれます・・・。そしてこの世や我々の世界の平安を維持する原動力になるでしょう・・・)
 石松は平和を司る異世界の同志たちの事にそう誓う。自身が嘗てこの世の人間だった頃の事、討ちに遭い帰り着く事ができず、別世界の人間となってようやく戻ってこれた清水。戦争の悲劇を乗り越えて漁港の場として再び栄えたこの地を日本赤軍や戦争を正義とする世界の者に支配され、滅ぼされてたまるかという気持ちを持ちながら石松は何処(いずこ)かへと去るのであった。

 翌日、またかよ子は学校へ足を運ぶ。そして学校でまる子やたまえ、とし子といった友人と出会う。好きな男子・杉山とその親友・大野と出会う。秀才少年・長山と出会う。
 そしてまた、時は進んでいく。 
 

 
後書き
次回は・・・
「文化祭準備始まる」
 三河口の通う高校では文化祭の準備が始まる。三河口のクラスは焼き鳥と鶏の唐揚げの模擬店を行うことになる。一方、かよ子は全校清掃にて杉山や大野達と一緒に校庭の清掃を行う・・・。 
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