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神機楼戦記オクトメディウム

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第11話 八雲泉美のガラホな日常

 携帯電話の目覚まし設定に登録したお気に入りの音楽の出迎えと共に、八雲泉美の一日が始まるのであった。
「う~ん……」
 自身の力による自然な目覚めでない為に多少は億劫な朝の覚醒の時ではあるが、それでも彼女はこの瞬間がありがたかったのである。
 それは、自分が愛用するガラケーとスマートフォンの中間の産物である通称『ガラホ』に備わった、アラーム機能により自身の意識を覚醒させてくれる事にはいつも感謝する所であるのだった。
 そして、彼女は折りたたみケータイの形状をしたガラホをパカリと開くと、アラームの停止ボタンを押して目覚ましの音楽を止めるのであった。
「よし」
 無事にアラームの起動を止めた泉美は、そのまま布団から出ると、着替えを済ませて朝の身支度を済ませた。
 後は朝食を摂り、そして学校へと向かうだけであるのだが、その前にまず毎朝の日課に取り掛かるのであった。
 彼女は目覚ましを止めたガラホを弄くる手をそのまま続行させる。その画面はデフォルトのガラホのものとは異なっていた。
 彼女のガラホには、ランチャーアプリの【Nova Launcher】を導入した事により、その画面はスマホのアプリ一覧が並んでいる状態にされていたのであった。
 これにより、泉美のケータイはアプリの扱いを便利にさせられているのである。
 そう、そこにはスマホでないにも関わらず、様々なアプリが導入されていたのであった。
 ガラホには『google play』で直接アプリをインストールする機能は備わってはいないが、これは『ガラホにはアプリが導入出来ない』というのとは全く違う意味合いを持つのであった。
 その方法はここで書くと長くなるので、もし興味のある人はネットで『ガラホにアプリを導入する方法』を検索して欲しい所である。本当にオススメします。
 スマホの電池持ちの難儀さと、本来の役割である携帯電話としての使い心地の問題を感じてガラホへと移行した泉美は、一度スマホのアプリの便利さを実感していたが為にガラホでも導入出来ないかとネットで調べてその方法を習得するに至ったのだ。
 そして、ガラホでアプリを使える新鮮さを今でも感じながら、彼女はアプリ一覧画面を操作していく。
 その際には、ガラホに備え付けられた十字キーで操作出来るのだから便利なのであった。そう、全てではないがアプリを物理的に備わった十字キーで操作出来てしまうのがガラホの強みなのである。
 そのようにして、泉美が今しがた選択したアプリは、ケータイの中でペットが飼えてしまうペットアプリの一種である【クラゲ育成アプリ】なのであった。
 このアプリは所謂『放置ゲーム』であり、定期的に簡単な操作をするだけで良いというお手軽な代物なのである。
 これも、こまめにクラゲに餌をやり、水を取り替える作業をするだけでクラゲを飼えるというスグレモノなのだった。
「さあ、パトちゃん。エサの時間でちゅよ~♪」
 そのように泉美は生き物に話し掛ける人特有(?)の赤ちゃん言葉で以てエサ投入ボタンを押していく。その様は、端から見ると危ない人という印象を持たれる事儲け合いだろう。
 すると、画面上部からエサが降ってきて、後はそれをクラゲが食べるだけであったのだ。
 そして、彼女はそのクラゲに『パトリシア』と名付けているのだった。特に意味はなく、ただ語感が良かっただけの事らしい。
「お水も交換しなくちゃね~♪」
 そう言って泉美は次に、水交換ボタンを押し、水槽の水の純度を100%にするのであった。
 実際に水棲の生き物を飼っていれば、彼等を傷つけないように一時的に他の水の中に移し替えるという手順が必要となるのだが、このアプリではそのような手間は必要なくボタン一つで可能なのだ。
 この辺り、実際に生き物を飼うよりも遙かにやりやすく、実際の命を預かる事もないのがペットアプリの利点であろう。実際にペットを飼いたい人は、まずはここから練習していくのも手かも知れない。
 そのようにして、ガラホの中でお手軽にペットの世話をした泉美は、いよいよを以て朝の洗顔や朝食といった通過儀礼へと向かっていくのであった。

◇ ◇ ◇

 その通過儀礼も終わり、彼女は後は登校するだけとなるのだった。後はいざ学校へ向かって歩を進めるだけなのだが、その前に彼女にはやる事があるのだった。
「さて、歩数計を起動させておかないとね♪」
 健康に気を配る彼女は、そう言って【歩数計】なるアプリを作動させるのであった。画面には大きく『0』の文字が出ている。無論、これが歩けば加算されて歩数を示す仕様である。
 そして、画面上部の左側に足跡のアイコンが点き、それが起動した証となっていた。
 そう、アプリにはケータイのバランス感知機能を活かした、歩数計として機能するものもあるのであった。
 しかも、100円ショップで売っているようなアナログ式の歩数計とは違い、デジタルに感知する為、その正確さも、後述するが使い方にもよるが確かなものなのだ。
 この事は、100円商品を愛用する千影が知ったら複雑な心境になる事儲け合いであろう。
(……千影さんにはナイショね)
 そう泉美は心に誓うのであった。憧れの人に、無駄な葛藤はさせまいという彼女の人知れない健気な配慮なのであった。
 そんな考えを脳内で巡らせた泉美は、もう一つの段階へと入る。
 それは、一旦【Nova Launcher】にしてあるホーム画面設定を、再び元のデフォルトのガラホのものへと戻すというものだった。
【Nova Launcher】は確かに便利であるが、本来のガラホに備わっているアプリではない為に、元のホーム画面で使える、ガラホの物理キー多くが使えない仕様なのである。
 その中には、ボタン一つで写真撮影モードにするキーも含まれているのだ。故に、泉美はその機能を一時的に復活させる為にホームの仕様を元に戻したという事なのであった。
「準備、完了ね♪」
 そう誰にともなく泉美は独りごちると、これらの操作を施したガラホを愛用の首から掛けるポーチの中へと閉まったのである。
 これを首から掛けて、泉美は学校への道を歩むという事なのであった。
 そして、先程の話になるが、ポーチに入れて首から掛ける事で、歩数計測の正確さが出るのだ。ケータイをバッグ等に入れて持ち歩いて歩数を計ると思うように歩数が計測されなかったという人は、一度これを試して欲しい所である。
 後は、教材が入った学生カバンを片手に持てば、これにて彼女の通学準備は出来たのであった。
「行って来ます、早乙女さん」
 玄関の前で、彼女の見送りに来た八雲家専属の執事である『早乙女真人』に対して挨拶をする泉美。
 その彼の様相は、黒のスーツにサングラスと、どこぞのエージェントだと言わんばかりの存在感を嫌という程醸し出しているものであった。
 だが、泉美はそんな彼が誠実な人格者である事は良く知っているのだった。故に、彼女にとって八雲家で数少ない心を許せる人なのだ。
「お気を付けて、泉美お嬢様」
 そう早乙女は言うと、恭しく一礼するのであった。やはりその様は無駄にピッチリしすぎていた。
 そう出発の挨拶を早乙女と交わした泉美は、意気揚々と八雲家を後にするのだった。
 その足取りは、いつものように心地良いものであった。天気は良いし、歩数計を起動させている為に、『どれだけ歩いたか』という普通では記録出来ない事を記録出来る為に、歩く事にすらモチベーションが沸き立たされるのだから。
 そんな状態で泉美は歩いていると、ふと目の前に広がる光景に目がいったのであった。
「あ、綺麗なお花……」
 泉美の眼前に、生け垣に咲く、桃色の綺麗な花が飛び込んできたのである。
 今では彼女は眼鏡でツリ目というお堅いガリ勉然とした風貌になっているが、彼女とて16歳の年頃の乙女なのである。故に、通学路にて咲いた可愛らしい花を写真に収めたいという願望は強いのであった。
 そうなれば話は早い。即ち、『シャッターチャンス』という奴である。
 すかさず彼女は首からぶら下げたポーチの中からガラホを取り出し、パカリと開く。
 続いて彼女はカメラのアイコンの入った物理ボタンをポチッと押したのである。すると、画面にカメラのレンズに映った光景が映し出される。そう、これで撮影モードとなった訳だ。
 ちなみに、そのカメラのボタンを長押しするとテレビ鑑賞モードへと映るのだ。このように、デフォルトの機能も便利で捨て置く事が出来ないのがガラホの強みなのである。
 そして、泉美はレンズから映し出される生け垣の綺麗な花を見据えながら、ガラホの位置を調整していく。
 ガラホは横向きにされ、物理シャッターボタンを丁度右手の人差し指で押せるという、さならが本物のカメラを持つような気分で以て握られている。
 その状態で彼女は物理シャッターボタンをぶれる事なく押したのであった。すると、『カシャアッ』と小気味良い音がガラホから奏でられたのである。そう、これにて無事に綺麗な花の撮影は完了したのだ。
 後は、この写真データをガラホ本体と内蔵の記憶媒体であるmicroSDカードの中身を管理する【ファイルマネージャー】なるアプリで整理してじっくり鑑賞するだけなのである。
「うん、良い感じ~♪」
 無事に可憐な花の姿を写真に収め、泉美はご満悦なのであった。
 ちなみに、このケータイで写真を取る機能は日本という諸外国の文化が介入しづらい環境で産まれたという、所謂『ガラパゴスケータイ』の産物の一つなのである。
 そういう言葉は諸外国のケータイ文化から日本のケータイ文化への侮蔑の意味も多分に含まれているのであるが、泉美はそんなのどこ吹く風であるのだった。
 要は大いに活用出来る機能が産まれたのなら、それを自分が大切にすればいいだけの事なのである。他の人がどう思おうが、自分が役に立てられればそれでいいのだというのが泉美の考えという訳だ。
 そのようにして、その後も泉美はガラパゴスな機能を満喫しながら学校を目指して歩むのであった。
「到着っと♪」
 そして、彼女は撮影を満喫しながらも余裕のある時間帯に穂村宮高校へと辿り着いていたのである。この辺りにも彼女の根が真面目な所を垣間見る事が出来るというものであろうか。
 その後は、彼女はまず歩数計の作動を一時止めるのであった。このアプリは割とバッテリーを喰う産物であり、ケータイを弄くるだけでバランサー機能に感知して歩数としてカウントしてしまうのだ。
 故に、彼女は学校の中では歩数計を停止させる事にしていたのである。授業の為に教室を移動する際の歩数も稼いでおきたい所だが、こればかりは妥協しないといけないだろう。
 後は、ホーム設定を再びデフォルトから【Nova Launcher】へと戻す。これは、休み時間の間にも有効にアプリを使いたいが為であるのであった。
 それらの準備を滞りなく行った泉美は、学園生活へと身を預けていく事になるのだった。

◇ ◇ ◇

 そして、一時限目の授業が終わった後、彼女はガラホにて執筆活動を行っていたのであった。
 実は将来の夢は小説家である彼女は、高校生である今からその為の鍛錬を始めていたのである。そして、そこでもガラホが活躍していたのである。
 普段は家では基本的にはパソコンを使い、『Text Analyzer』なる常時文字数を表示出来るツールを使って執筆を行っているのだ。常に書いた文字の数が表示される為に、書くというモチベーションを稼ぐにはもってこいなのである。
 ちなみに、その際には『ipa明朝』なるフォントを導入しているのだ。これにより、文字そのものの見やすさと、文字の配列が綺麗に整備されて非常に執筆心地が良くなるのである。
 しかし、起動とシャットダウンにタイムラグが発生するパソコンであるのだ。纏まった時間が取れずに、合間合間の時間を執筆に活用したい時というのは必ず出てくるであろう。
 そんな時に便利なのが『ポメラ』なるポータブルメモ帳なのである。これは、起動がボタン一つで数秒で出来てしまい、すぐに執筆を行えてしまう優れ物なのだ。
 ただし、このアイテムには『Text Analyzer』のように『常時』文字数を表示する機能は備わっていないのが唯一の欠点であるのだった。
 その為、泉美は用途に応じてパソコンとポメラを使い分けているのであった。幸い、ポメラ対応の記憶媒体はSDカードであり、彼女のパソコンにはそのSDカードスロットが存在する為に、一つのSDカードをパソコンとポメラで使い回すというどこか裏技染みた事が出来るのだった。
 だが、そんな臨機応変な使い回しも、学校へ通うとなると持ち込みづらい所であるのだ。
 ポメラはポータブルメモ帳と銘打っているが、実際はノートパソコンの半分程のサイズとなってしまっているのである。そのような代物を学生カバンの中へと入れて学校まで持っていくのは難儀というものであろう。
 そこで、ここでもアプリの出番となるのであった。そうアプリには執筆を行えるものも存在するという事だ。
 まず、泉美は【nicoWnn】なるガラホでの執筆を可能にする為のアプリを設定する。こうしないとガラホではほとんどの執筆アプリが機能しないのであるが、説明すると長いのでここでは省略する。
 続いて、【文字数カウント】なるアプリを起動するのであった。
 このアプリは色々探し回って、ガラホでは唯一『Text Analyzer』のように常時文字数を表示出来る機能の備わった執筆アプリであるのだった。
 そう、ここでは『ガラホでは』と断っておかなければならないだろう。
 今では無数に存在するアプリというものだ。その中で常時文字数を表示出来る執筆アプリなど珍しくないだろう。
 だが、ガラホではアプリのインストールに際して特殊な方法を用いる為に、その際に『不可能』となるアプリも数多く出てしまうのである。それが、常時文字数表示のアプリのほとんどに刺さってしまったという事なのだ。
 そんな中で、この【文字数カウント】なるアプリはその例外を勝ち抜いた希少な存在だったという事なのである。故に、このアプリは今後も大切にしなくてはと泉美は思う所であった。
 そのような想いの中、いよいよを以て泉美は【文字数カウント】にて執筆を開始していた。
 それも、ガラホの実物のキーを使ってである。スマホでは執筆の際には画面に表示されたタッチパネルのボタンを使わなければならないのだ。故に、長々と小説程の文章を書くにはそれだけで疲労困憊してしまう所なのだ。
 だが、ガラホならば実物のキーを用いるので、その安定感は雲泥の差であるのだった。もし、小説執筆さの快適さでケータイを選ぶという人がいるなら、是非ともガラホをお薦めしておきたい所である。
 ガラホのその性質を利用して、泉美は休憩時間を利用してせっせと小説の執筆をしていったのであった。
 そして、【文字数カウント】で書いたその文章は後でテキストファイルの中にコピーすればいいのだ。そして、それをパソコンやポメラで執筆している本体のテキストデータに投入すればいいだけの事である。
 そして、この休憩時間を用いて泉美が稼いだ文字数は350字程であった。
(まずまずといった所ね……)
 そう泉美が心の中で呟く通り、10分の休憩時間ではこれ位が妥当な所であるのだった。パソコンやポメラならば一時間を用いればうまくすれば3000字は稼げるが、キーボードではないケータイのキーではこれ位が限度なのであった。
 それでも、実物のキーが存在しないスマホよりは格段に書きやすいのであるから、この点には泉美は不満はなかったのであった。
(さて、二時限目に入らないとね)
 そうして、ガラホとしてはそこそこの文字数を稼いだ泉美。次の授業が待っている為に心機一転してそれに備えるのであった。

◇ ◇ ◇

「う~ん、二時限目も終わった~♪」
 そう言いながら泉美は軽く間延びをしてみせる。そして、執筆の続きをしてもいいのだが、彼女は今は別にやっておきたい事があるのであった。
(もうすぐ『これ』も読み終わりだからね……)
 そう泉美が示す『これ』とは、太宰治の『人間失格』の事なのだ。
 彼女はボランティアの方々が電子機器で著作権の切れた文学作品を読めるようにと築き上げた『青空文庫』なるものを利用してガラホにてそれを読んでいるのであった。便利な世の中になったね☆
 ちなみに、膨大な量のある青空文庫作品は、『青空文庫 一括ダウンロード』で検索すれば作者毎に全ての作品を一挙にまとめてダウンロード出来て快適なのだ。
 そして、それを読む為に泉美が愛用しているのが【青空読手】なるアプリである。
 青空文庫形式のルビ処理を行ってくれるアプリは沢山あれど、彼女が色々探して快適だと感じたのがそれという訳であった。
 ルビ処理をしてくれる事は勿論、文字も見やすく、加えて背景のグラデーションが非常に綺麗なのも魅力なので、使い心地は良好なのだ。
 そして、ここでもガラホ特有の活躍をしてくれる訳である。スマホでは直接文章が表示される画面を触りながら読む為に煩わしさがあるが、ガラホならば画面部分とキー部分とが分かれており、ここでもその仕様が役に立つという寸法なのであった。
 その快適なガラホを用いての読書で以て彼女は午前の休憩を利用して『人間失格』を読み終えたのであるが。
(う……ん)
 彼女の心は全くを以て快適とは程遠くなってしまったのであった。
(国語の先生が言っていた通り、これは怖い小説だったわね……)
 ここまでも鬱になる小説もそう多くはないだろうと泉美は思うのであった。どうりでこれは学校の教材として扱われるケースが少ないのだと泉美は納得する所だった。
 そんな、胸の内にモヤモヤがコールタールの如くこびりついている状態の所を、丁度良いタイミングで彼女の新しい友人である稲田姫子が通り掛かったのであった。
 それを見て彼女は頭の中を支配していた暗雲の中に光明が差し込む心持ちとなったのだ。
「あ、姫子さん。ちょっと読んでた小説で気分がメランコリーな事になっちゃってたから……今日も一緒に昼食を食べましょう」
 そう、彼女はこの憂鬱な気持ちを、何かと人なつっこい姫子と過ごす事で解消しようと思ったのだった。
 動機は些か不純なものがあるだろうが、友達からの誘いに断る理由もないだろう。特に姫子となれば。
「うん、勿論いいよ、泉美ちゃん♪」
 こうして姫子は四の五の言わずに誘いを承諾してくれたのだ。
 そして、泉美は思う。今ではこうして便利なガラホ位、いやそれ以上に掛け替えのないものを自分は手に入れたのだと。だから、それを彼女はこれからも大切にしていこうと心に誓うのであった。
【余談】
 ちなみに泉美はガラホでインターネットはやっていなかったりする。
 それは、彼女の料金プランが一ヶ月の間に一度でもネットをやると4000円上乗せされるというものだからであった。
 4000円払えばそれで使い放題な訳であるが、ケータイでのネットでは限界がある所が数多くあるので、それならパソコンでやった方がいいだろうと彼女は考えた次第である。
 八雲家は名家故に金持ちなのであるが、元来の貧乏性により、彼女は極力使いたくないと考えるのであった。 
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