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ロックマンZXO~破壊神のロックマン~

作者:setuna
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第五十一話 極寒の流氷

タワーを抜けて野宿をした後にしばらく歩いたアッシュとグレイは氷のある極寒のエリアへと到着したのだが、あまりの寒さに体を強張らせた。

「寒っ!?」

ロックマンの状態だからこそ、死ぬほどの寒さは感じないものの、それでも寒いものは寒い。

するとミハイルから通信が入った。

『聞こえるかね?儂じゃ、ミハイルじゃ。またえらい所に足を踏み入れたのう。あちこちにある氷の塊を壊せれば道も拓けるのじゃが…とはいえ、墜落現場へ繋がるエリアは限られておる。何とかして、そのエリアを突破してくれたまえ。頼んだぞ、ロックマン』

「簡単に言ってくれるわねー、あの爺さんは…酸素ボンベの出番ね」

アッシュは小型の最新型の酸素ボンベを口に含むとグレイには携帯食を渡す。

「これは?」

「ハンター御用達の携帯食よ。あんたはレプリロイドだから水の中でも酸素の心配はしなくてもいいけど、エネルギーの消耗が激しくなるから水から出てヤバいと感じたらすぐに食べなさい。良いわね」

レプリロイドは完全な機械だが、食物摂取が可能なのだ。

それをエネルギーとして変換することが可能なので、アッシュはグレイに携帯食を渡したのだ。

「ありがとう」

「不便だよなー、ヒューマノイドもレプリロイドも」

水の中にいても何も変わらないモデルAからすれば理解不能だ。

「とにかく、こんな所はさっさと出るに限るわ!行くわよグレイ!!」

「うん、行こうアッシュ」

先に進んで襲い掛かるイレギュラーを蹴散らしながら進むが、氷の足場に慣れていないグレイは足を滑らせて水の中に落ちてしまう。

「ちょっとグレイ!大丈夫!?」

「だ、大丈夫…冷たい…」

「そりゃあ、極寒のエリアだからね」

水から顔を出したグレイの言葉にアッシュは頷きながら答え、アッシュも一瞬戸惑ったものの、意を決して水の中に飛び込んで移動する。

「あ、そうだ。ディアバーンに変身すれば少しは寒さが和らぐんじゃないか?あいつは炎属性だし」

「それ採用!トランスオン!!」

「トランスオン!!」

アッシュとグレイがディアバーンに変身すると水の抵抗を受けることなく進めるだけでなく、炎の矢で氷のブロックを破壊出来る。

そして水から出て奥のシャッターを潜り抜けて次のエリアに出ると、氷のブロックが行く先を塞いでいたので早速ブロックを飛び蹴りで蹴り砕く。

そして水の中に入ると、地中からメカニロイドが飛び出して触手が二人に遅い掛かる。

二人はトランスオンを解除してグレイはバスターショットを構えてホーミングショットのレーザーサイトを出して触手を一網打尽にし、触手が破壊されたことでコアが飛び出し、そこをアッシュがレーザーショットを構えて至近距離でショットを連射していく。

レーザーの連射性能の低さも至近距離なら大した問題にはならない。

コアを破壊されたメカニロイドは沈黙し、急いでアッシュとグレイは水の中から飛び出して氷の足場でイレギュラーと接触しないようにしながら移動する。

そして奥のシャッターを抉じ開けると氷のブロックで通路が塞がれた場所に出た。

「あれ?ここのブロック、一部だけ壊されてるわ」

「他にもイレギュラーの残骸がたくさんある…」

「これは…相当なやり手だな…何か強力なセイバーで斬られたような傷がある…ほとんど一撃だぜ」

「もしかしたらロックマンかもしれない、気をつけて進もう」

グレイがそう言うと二人は慎重に先を進んでいくが、先に進んだ先客が相当暴れたのか所々壊れており進みにくい場所が多い。

途中でいくつかの扉を見つけて中を確認するが、何らかの装置があり、全て破壊されていた。

「本当に何なのかしら…きゃあっ!?」

「アッシュ!?」

床が崩れてそのまま落ちていくアッシュにグレイは手を伸ばすが間に合わず、イレギュラーの生き残りが現れ、氷弾を発射して氷が床の穴を塞いでしまう。

「くそっ!」

グレイは咄嗟にチャージバスターで破壊し、床の氷を砕こうとするが、アッシュに止められた。

「アタシに構わないで先に進んでて!アンタ結構長い時間、水の中にいたからエネルギーが少なくなってるはずよ!急いで出なさい!!アタシのボンベの酸素にはまだ余裕があるから、何とか別のルートを探して追いかけるわ!!」

アッシュは結構深い場所に落ちたらしく、壁もないので壁蹴りで上に登ることも出来ないので何とか出口を探すことにした。

「…分かった、先に行ってる!」

「ええ」

グレイは奥にあるシャッターと扉を抉じ開けると、広い部屋に出た…のだが、行き止まりであった。

「行き止まり…道を間違えたのか…」

「誰だ?」

「!?」

声に反応して飢えを見上げると、部屋の浸水していない場所で自分を見下ろす真紅のアーマーの青年がいた。

「その姿…お前、ロックマンか!?」

「ああ、そうだ。お前もロックマンだな?ヘリオス達以外にも妙なロックマンがいたなんてな」

青年…ヴァンはグレイを見た。

見たこともないライブメタルのロックマン。

プレリーからこのようなライブメタルの存在など聞いたことがないため、敵が作った物かモデルOのように突然生まれた物か。

しかしモデルAはライブメタルであるためか、ヴァンの異常性に気付く。

「なあ、グレイ!逃げた方が良くないか!?こいつ…何かヤバいぞ!?」

「逃げるわけにはいかない!こいつや他のロックマンを倒せば僕は自分の正体を知ることが出来るんだ!」

チャージバスターを発射するも、ヴァンはそれを腕の一振りで弾き飛ばす。

「なっ!?」

「腕の一振りで弾きやがった!?」 

「………なら!」

信じられない事態に唖然となるが、グレイはバスターを構えてレーザーサイトを出してホーミングショットを発射、更に時間差でチャージバスターを撃つ。

「…………」

ホーミングショットもチャージバスターも腕の一振りで弾かれ、それを見たグレイは威力よりも手数を重視してショットを連射する。

ヴァンは両腕を動かして全て弾き、グレイとの距離を詰めると強烈なダッシュストレートを叩き込んだ。

「がっ!?」

強烈な拳をまともに喰らったグレイは壁に叩き付けられる。

一瞬、意識が飛びそうになるが何とか耐えて反撃に出る。

「トランスオン!!」

「………っ!」

ディアバーンへと変身し、それを見たヴァンが一瞬目を見開いて足を止めるが、すぐにグレイに向けて前進する。

炎の矢を連射し、更に両腕のブーメランを発射するが、どれもこれも腕の一振りで弾かれてしまう。

「だったら!」

遠距離での攻撃が通用しないなら接近戦に持ち込もうとするグレイ。

大ジャンプしてヴァンに飛び蹴りを繰り出すが、ヴァンが大きく腕を振るってグレイを強く弾き飛ばして壁に叩き付け、落下するグレイに対して大ジャンプからのアッパーカットと、床に落下してからのダッシュストレートで再び壁に叩き付けられた。

「あぐっ!?つ、強い…!」

「こいつ、武器も使ってないのに何て強さなんだ…!」

モデルAの言う通り、太股のホルスターに納められているアルティメットセイバーも背中に取り付けているバスターショットも使っていない。

更に言うとオメガナックルも使っていないので本当にかなり手を抜いているのが分かる。

「悪いけど、俺には弱い者いじめをする趣味はないんだ。これ以上痛い目に遭いたくないなら早く帰った方がいい」

「馬鹿にするな!僕は…最後まで諦めない!」

自分のことを知りたいと願うグレイには簡単に諦めると言うことはしない。

「………分かった。ならこの一発で楽にしてやる」

退こうとしないグレイに何かを感じたのか、武器の一つであるオメガナックルのエネルギーを拳に纏わせてグレイに殴り掛かるヴァンだったが…。

「ストーップ!ヒーローは遅れてやってくる!アッシュ参上ってね!!」

何とか出口を発見して脱出し、タイミング良く部屋に入ってきたアッシュにグレイとヴァンが硬直した。

「……アッシュじゃないか、どうしたんだそれ?」

「あれ?グレイがイレギュラーに襲われてるかと思ったらヴァンじゃない。無事で何よりだけど…あんた達…何してんの?」

「「え?」」

ヴァンからすればグレイが纏っている見慣れないアーマーを纏うアッシュの姿に困惑。

アッシュからすれば知り合い同士がぶつかり合っていると言う謎の状況。

グレイとモデルAからすればこの二人は知り合いなのかと疑問符を浮かべている。

微妙な空気になって戦いと言う空気ではなくなったので、取り敢えず話し合うことになった。

アッシュから大体の事情を聞いたヴァンは頷く。

「なるほど、あの時の飛行艇でプロメテの奴が言っていたライブメタルはモデルAのことだったのか」

「そういうこと、それでレギオンズ本部に運ぼうとしてプロメテとパンドラに襲われて今は改めてのレギオンズからの依頼でモデルAのロックマンとして列車を直すためのパーツを手に入れるために違法ハンターの飛行艇のある墜落現場に向かおうとしてたとこ」

「なるほど、そして別行動をしていたこいつに襲われたのか俺は」

「ご、ごめん。アッシュの知り合いだなんて知らなかったんだ」

「知り合いと言っても付き合いなんてほとんどないけどな」

「まあ、恩人ではあるわね…それで、ヴァンはどうしてここにいるの?」

飛行艇でプロメテと戦っていたヴァンがどうしてこのような極寒のエリアにいるのだろうか?

「落下した飛行艇の一部がここに落下したんだよ。全く…落ちた場所がこんな酷い所なんてツイてない。それにしても連合政府からの依頼を受けてるとはな。昔は一緒にいたハンター達とはぐれて迷子になってた君がなあ…」

「ちょっ!?今更そんなこと言わなくても良いでしょ!?」

今より幼い頃の失敗をバラされたアッシュは顔を真っ赤にして叫んだ。

「ははーん、なあ、ヴァンだっけ?もっとアッシュの面白おかしいことは…うげえっ!?」

「お黙り」

壁にめり込むモデルAに白けた視線を寄越しながらヴァンは二人に振り返る。

「それにしても、ガーディアンの初代司令官が作った物以外にも喋れるライブメタルがあるなんて知らなかったな。」

「ガーディアンって、イレギュラーの発生原因を調べたり、イレギュラーと戦ったりする組織…だったわよね?」

「ああ、君達が話してくれたヘリオスとシャルナクが持っているライブメタルはガーディアンの研究所から盗み出された物なんだ。モデルH達はちょっと癖が強いけど正義感の強い奴らで、本当ならヘリオス達みたいなこそ泥ロックマンに協力するはずがないんだけど、モデルH達は意識を封じられてるんだ。あいつらは俺の仲間なんだよ…適合者ではないけどな」

「仲間…ヴァンはどうしてロックマンに?どうしてイレギュラーと戦ってるんだ?」

グレイは何故ヴァンがロックマンになったのか、何故イレギュラーと戦っているのかが気になったようだ。

「いきなり呼び捨てか…まあいいか、俺も君達と同じだ。イレギュラーに襲われて死にかけたところをライブメタルの適合者になってロックマンになった…こいつの厄介なところは一度変身すると二度と元には戻れないんだ。おかげでインナーにはあまり入れないし参ったよ。まあ、それから色々あって俺はイレギュラーを狩りながらモデルVを破壊して、ヘリオス達からモデルHたちを取り戻すために戦っている。後は生き残った者が世界の王となるなんてふざけたゲームを仕組んだ黒幕を倒すためにね…」

「そうか…アッシュもヴァンもちゃんとした目的があるんだな…僕にはまだない…」

「別に焦る必要はないだろ、俺だってロックマンになる前までは先のことなんて考えてなかった。ただ今を生きるので必死だったからな。お前もいずれ生きるための目的が見つかるさ、案外近くにあったりするかもしれないぞ?生きる理由とかそんなのは…ただ、先輩のロックマンとしてこれだけは言いたいかな?ロックマンの力は強大だ。それこそ世界を滅ぼしたりすることが出来るくらいには、だけど使い方を変えればそれは頼りになる守るための力になる。アッシュ、グレイ。力の使い方を間違えるなよ?もし間違えたら俺がお前達を倒すことになるからな」

「……怖いこと言わないでよ、ヴァンと戦うなんて考えただけでゾッとするわ。」

グレイがボコボコにされているので、アッシュが加わったところで勝てないのは明白。

個人的な感情も含めて戦いたくない相手だ。

「そうかそうか、なら気を付けろよ。俺に狙われないように…お前達の力がお前達の信じるもの、守りたいもののために使われることを願ってるよ。じゃあな」

水の中に飛び込んでいくヴァンの後ろ姿を見つめながらアッシュとグレイも立ち上がった。

「さあて、アタシ達も行きますか」

「うん」

壁に埋まってるモデルAを手に取って変身するアッシュとグレイも水の中に飛び込んで今度こそ墜落現場に続く道を進む。

奥のシャッターを二つ抉じ開けて上に登り、更にシャッターを潜っていくと氷のブロックの足場があるが行き止まりだ。

「下から水が流れる音がするわね、もしかして下かしら?」

「じゃあ、ディアバーンに…」

グレイがディアバーンに変身しようとした時、二人のヒューマノイドの女性とレプリロイドの少年が現れた。

「何だプロメテが面白い奴らを見つけたと言うから見に来たが…テティス、お前と同じくらいのガキ達じゃないか」

「酷いや、アトラス。君だってそう変わらないじゃないか」

失礼な言葉にテティスは溜め息を吐いたが、グレイとアッシュは突然現れた二人にそれどころではない。

「な…何だ、お前達は!?」

「…ロックオン!」

「ロックオン!」

火柱が発生し、氷が出現したかと思えばアトラスとテティスの姿が変わっていた。

「プロメテから聞かなかったかい?君の前に、何人ものロックマンが現れるって。僕の名前はテティス、氷のロックマン…モデルLの適合者さ」

「アタシはアトラス。炎のロックマン…モデルFの適合者だ。戦いに生き残った者が世界の王となる運命のゲーム…失敗作とは言え知らないとは言わせない……そしてお前が二人目のイレギュラーロックマン…思想も理想もないハンターがロックマンになってどうする?」

「ヴァンから話は聞いてたけど、本当にスケールがでかい話だな」

「なるほどね、あんた達もヴァンの仲間からライブメタルを奪ったロックマンってわけ…理想はなくてもプライドはあるわ。プロメテやあんたみたいに、人を見下す奴は許せないのよ」

「ははっ、流石だね。でも今はまだ君達と戦う気はないんだ。それにしてもさっき気になることを言ってたね。ヴァン…それはモデルOのロックマンの名前だ。彼はここにいるのかい?」

「…それがどうした!?」

構える二人にテティスは朗らかに笑うが、ヴァンの名前を尋ねる時にほんの少しだけ口調に鋭さが混じる。

グレイが答えるとアトラスも拳を握り締めた。

「なるほど、奴め…こんな所にいたのか。あの時の屈辱を晴らすまたとない機会だ。お前達はここで氷付けになってな!!」

邪魔をされないようにアトラスはナックルバスターを構えてそれを氷のブロックに叩き付けるとブロックが一斉に砕けてアッシュとグレイは水の中に落ちる。

アトラスとテティスはヴァンを探しに向かうのであった。

「くーっ!あいつらムカつくわねー!」

「アッシュ…今はそんなことを言ってる場合じゃ…」

眼中にないかのような扱いにアッシュは怒り、グレイが宥めようとするが、不愉快な笑い声が聞こえた。

「シャーッシャッシャッシャッ!時間すらも凍り付く、氷点下の世界へようこそ!お前達のような奴らがロックマンを名乗るなど烏滸がましい!貴様らのライブメタル…このクロノフォスが貰い受ける!」

突如現れたイレギュラーにアッシュとグレイは驚きながらもレーザーショットとバスターショットを構えて迎撃するのであった。

一方、アッシュ達と別れたヴァンは外に出ることに成功していたが、次の瞬間には目を鋭くした。

「…殺気が駄々漏れだぞ?出てきたらどうだ?」

「ようやく見つけたぞロックマン・モデルO」

「あの時のリベンジに来たよ」

ヴァンの背後に現れたのはアトラスとテティスであった。

「お前達か、ライブメタルを返しに来てくれたのか?」

「そんなわけがないだろう。テティスが言ったようにお前にあの時の屈辱を返しに来たんだ。」

「……出来るのか?」

「あの時のアタシと同じだと思うな!!」

メガトンクラッシュを叩き込もうとするアトラス。

掴み止めるヴァンだが、腕に走る僅かな痺れに顔を顰めた。

「なるほど、流石にあの時よりは強くなってるか」

「アトラスだけじゃないよ!僕も含めて全員があの時より強くなってるんだ!出てこいフリージングドラゴン!!」

二匹の氷龍を召喚し、ヴァンはかわそうとするがアトラスが地面に爆弾を設置して行動を制限した。

それによりヴァンはアルティメットセイバーを抜いてチャージセイバーで氷龍を砕き、バスターショットを引き抜いてチャージバスターで爆弾を一網打尽にする。

「やるな」

「チッ、相変わらずの化け物め。」

「でも、あの時は抜かせられなかったセイバーとバスターを抜かせたよ」

ほとんど素手であしらわれたあの時と比べれば格段の進歩と言える。

「あの時と比べれば相当なレベルアップだ…その努力を何で別の方向に使えないのか…」

二人の成長は認めるものの、その努力する方向音痴さにヴァンは呆れるしかない。

「ほざけ!」

ダッシュしながらのメガトンクラッシュをヴァンはジャンプでかわすとサンダーチップを起動して電気属性のチャージセイバーを叩き込む。

「ぐっ!?」

それにより感電したところをセイバーによる回転斬りからの三連撃を喰らわせようとするが、三連撃を繰り出す前にテティスからの妨害が入る。

「アイススティッカー!!」

巨大な氷塊を作り出し、ハルバードで粉砕すると破片を飛ばしてくる。

攻撃を中断してそれをダブルジャンプでかわし、テティスにチャージバスターを当てる。

「うわっ!」

「龍炎刃!!」

フレイムチップを起動してジャンプしながらセイバーの斬り上げを繰り出す。

まともに喰らったテティスの全身は炎に包まれた。

「この程度で!!」

「負けるか!!」

アトラスとテティスが同時に襲い掛かるが、テティスを腕のワイヤーフックを射出すると拘束する。

そしてそのまま引き寄せてアトラスのメガトンクラッシュの盾にする。

「何!?」

「うあああっ!!」

炎に再び焼かれたテティスの悲鳴が響き渡り、目を見開いたアトラスには電気属性のチャージバスターが直撃し、更に追撃の真空刃のソニックブームが直撃したことで膝をつく。

「ぐっ!?」

そしてテティスをアトラスの隣に投げ飛ばすと一歩前に出る。

「悪いけど、ロックマンの先輩としてまだまだお前達に負けるつもりはないんだ。さあ、モデルFとモデルLを返してもらうぞ」

「…っ…それは出来ない相談だ…これはアタシの理想のために必要な物だ…」

「それは、ガーディアンの初代司令官が平和のために作った物だ。お前達みたいな奴らが持っていていい物じゃない」

セイバーを構えて一歩ずつ距離を詰めるヴァンにアトラスは地面に爆弾を複数設置して爆発させる。

「!?」

爆風によって視界が塞がれたヴァンは一瞬目を閉じてしまい、アトラスとテティスの逃亡を許す。

「逃がすか!!」

逃げた二人を追い掛けるヴァンだが、水中では圧倒的な機動力を誇るモデルLには勝てずに逃げられてしまうことになる。

しかし、それでも諦めるわけにはいかず、追い掛けるヴァン。

一方、アッシュとグレイはクロノフォスと戦い、追い詰められていた。

最初はアッシュとグレイの連携によって追い詰めていたものの、クロノフォスのタイムボムによって動きを鈍くさせられたことで一気に追い込まれてしまったのだ。

「シャーッシャッシャッ!!貴様らにロックマンの器は大きすぎたようだな!さあ、これで終わりだ。そして時の流れによって忘れ去られるがいい!!」

とどめとばかりに繰り出されるクロノフォスの突進だが、真横からのチャージバスターで軌道が逸らされた。

「!?」

「え!?」

何事かとアッシュとグレイがチャージバスターが放たれた方向を見つめるとヴァンがバスターを構えて立っていた。

「ヴァン!?どうして!?」

「いや、アトラスとテティスを探してたらここに辿り着いてな…」

「ロックマン・モデルO…破壊神のロックマン…まさか貴様が現れるとはな…だが、例え破壊神であろうとこの力の前では無意味!!タイムボム!!」 

アッシュとグレイを苦しめたタイムボムが発動し、そしてクロノフォスはヴァンに突進を繰り出す。

「「ヴァン!」」

緩慢な動きでレーザーとバスターを構える二人だが、ヴァンは通常時と全く変わらない様子で腕を動かして片手で突進を受け止めた。

「なっ!?」

「悪い、何をしたかったのか分からない」

ヴァンからすれば妙なモーションをしたかと思えばただの突進であり、そのまま炎を纏ったチャージセイバーが繰り出され、クロノフォスは一刀両断された。

「(ば、馬鹿な…タイムボムが…効かない…?ば、化けも…)」

モデルOの異常なまでの強さに戦慄しながらクロノフォスは爆散し、データはモデルAにコピーされたのであった。 
 

 
後書き
ゲームでは隠しボスのオメガなんだからタイムボム耐性くらいあってもいいかなと、アルバートだってバリア付き時だけとはいえタイムボム耐性あるんだから 
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