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異世界転移した最強の俺、追放されたSSS級冒険者(美少女)を拾う

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なんでこっちを気にする

 どうやらここの町に来てたまたま入った裏路地があまりよろしくない場所だったらしい。
 たまたま入り込んだ場所であのような戦いになったのもおそらくは、俺が見つけたとあちらが思っているかもしれない。
 とりあえずはあの場所を再度確認、だが。

「……あの場での敵の転移……何かがおかしくてよく追えそうになかったんだよな」
「ユウスケにも?」

 ルーシーが不安そうにつぶやいて、他の全員が沈黙する。
 とはいえ、と俺は思って、

「急いでいたからそこまで調べきれなかったのかもしれない。それに、この世界の物ではない物も今回の件で“グラッガ教団”が関わっているのも分かったし、それ関連での調べ方をした方が良いかもしれない。……ただ時間がたっているからどの程度痕跡が残っているか分からないが」

 そう考えながら俺は呟く。
 時間の経過で痕跡が消える、というのはよくある。
 そうしないと、何日も前の敵の行動を読んだとしても今追っている敵の動きが分からなければ、その情報は不必要なものになる。

 そこまで考えて痕跡を見ていなかったが、特定物かつ知らないうちに俺自身が制限をかけていたのかもしれない。
 だがそうなっていると魔力的な痕跡にしろ何にしろ、その期間が短いほど拡散されにくく、見つけやすいだろう。
 そして今回はすでに事件があってから数日がたっている。だが、

「考えていても実際に見てみないと分からないか。俺のできる範囲で何かきっかけが掴めるなら、俺はやります」

 そう答えるとアイル神官長は、

「助かります。……行方不明の子供たちの親も憔悴しきっており、我々も何とか手を打ちたかったのですが……今のところ有力な手掛かりはない状態ですから」
「わかりました。出来る限り頑張ります。それでその……」
「なんでしょう?」
「その裏路地はこの町のどこに辺りのでしょうか? 解析にどの程度魔力が必要か分からないので、温存しておきたいのです」
「わかりました。私はこれから外せない用事がありますので、キャサリンに道を案内させましょう」

 そうアイル神官長がキャサリンを呼んできて、その場所に移動といったようになったのだが、俺はメサイヤがついてきたことが気になった。
 何となく背後から挑戦されるのではという気がして俺がびくびくしながらそちらをチラチラ見ているとメサイヤが、

「なんでこっちを気にする」
「いえ、後ろから挑戦をされるのではと」
「さすがに俺だってその程度の常識はある。俺が付いてきたのは、子供がいなくなったと聞いたから何かお手伝い出来ないか、という事と、一緒に入れば敵が襲ってくるかもしれないから、そいつらを倒して、俺の力を更なる高みにもっていきたいからだ!」
「……そうですか」
「そうだ」

 といったような納得できる回答が得られた俺は、それ以上何かを聞いて墓穴を掘るよりも何もない方がいいので沈黙することにした。
 そしてさらにキャサリンに案内されて歩いていくと十分もしないうちに目的の場所にたどり着いたのだった。
 
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