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緋弾のアリア ―瑠璃神に愛されし武偵―

作者:アキナ
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Extra_Edition
  アリアのとあるいちにち

 
前書き
今回はアリアの誕生日記念という事で短編を投稿したいと思います。
このSSでは出番が少ないアリアの1日をお楽しみください。
(ハーメル版での投稿→2019/09/24 ※1日遅れ) 

 
あたしはホームズ4世。
神崎・H・アリア。
シャーロック・ホームズ卿の曾孫。
簡単な自己紹介はさて置いて・・・・・・今、あたしは超絶に不機嫌である。
いきなりでこんな事を言うのもどうかと思うけれど事実だから仕方ない。
何故と言われれば、その原因は妹であるメヌエット・ホームズからのバースデー・メッセージだ。
家族・・・妹からのメッセージであれば、通常は嬉しいものではある。
しかし、あたしにメヌからのメッセージの電話が掛かってきたのが日本時間で午前3時30分である。
日本とイギリスの時差が9時間(正確にはサマータイムで-8.0hであるが)とはいえ、時間を考えて欲しい。
イギリス(むこう)は19時30分で電話を掛けるには丁度良い時間帯なのかもしれない。
しかし、日本(こっち)はさっきも言ったとおり、午前3時30分である。
大体は就寝中である時間帯である。
かくいうあたしも絶賛就寝中だった。
しかし、その電話によって叩き起された。
更に輪をかけて前日は作業が長引いて就寝したのが午前1時である。
よって、絶賛寝不足である。朝の日課であるトレーニング準備の為、4時半起きで3時間半は寝れるかと思ったら、大きく狂った。
「あたしの就寝時間の1時間を返せ」
寝不足な不満をメヌにぶつけたら、更に揶揄われる羽目になった。
解せぬ。物凄く納得がいかない。
このイライラを風穴バーストで晴らしたい・・・・。今直ぐにでも。
しかし、それは出来ない。
元・同居人の怒りを買いたくない。唯其れだけだ。
「今は住んでないからセーフなのでは・・・・」とは思っていけない。
凪優・・・・水無瀬凪優は直感・気配察知においては人間を辞めているレベルだ。
今、ここにあたし達の朝食を作る為にもう既に来ている。
此処で大きな音を出せばO☆HA☆NA☆SHI(トラウマ)非回避だろう。
それだけはどれだけ不機嫌であろうが避けたいあたしである。
だが、風穴バーストはしておきたい。
こんな不機嫌な状態で1日を過ごすなんて真っ平ゴメン被るわ。
だったら、完全防音なら問題はないわよね。
そう思ったあたしの実行は迅速だった。
自室を小夜鳴マキナ(ブラド)御用達の「完全防音・防衝撃モード」に変更する。
以前、小夜鳴マキナ(ブラド)に愚痴ったら作り替えてくれた。
まさに小夜鳴マキナ(ブラド)様々よね。
変更後、あたしは気が晴れるまで「風穴バースト」をやりまくった。

             ✽✽✽✽✽✽

「風穴バースト」で憂さ晴らししたあたしはトレーニングウェアに着替えて自室を後にする。
リビングに併設されているキッチンには先客が居た。
「おはよ、アリア。今からトレーニング?」
その先客とは言わずもがな凪優だった。
「ええ。そうよ。凪優、アンタちゃんと寝てるの?」
あたしの発言に「あはは・・・」と苦笑いの凪優。
それで確信した。絶対寝てないわよね。
「んと、まぁ30分位寝たし大丈夫よ」
30分て。あたしより少ないじゃない。
「・・・・・身体壊さないでよね。体調崩したら元も子も無いんだから」
武偵たるもの体調の自己管理は確りしないといけないものね。
「解ってるって。トレーニング、怪我しない様に気をつけてね」
「ええ。解ってるわよ。じゃあ、行ってくるわ」
「うん。行ってらっしゃい、アリア」
凪優に見送られ、トレーニングの集合場所である人工浮島の埠頭テラスに向かった。
埠頭テラスに到着したあたしは同級生で何かと縁がある綾瀬(あやせ)悠季(ゆうき)と共にトレーニングに勤しむ。
途中であたしの体内に宿るモノの根源である緋緋神・・・もとい、三嶋(みしま)絢香(あやか)も合流する。
フツーに終わるかと思えばそうではなかった。
何故か小夜鳴マキナ(ブラド)も合流してかなりハードだった。
何とか耐えた自分を褒めてやりたい気分だったわ。
疲れた身体を引き摺りつつも男子寮に戻る。
戻ったあとは少し寝る(二度寝)。
1時間後、起床しシャワーを浴びる。
シャワー後。そこであたしは武偵高の制服に身を包んだ。
今日は祝日だが、やる事がある。
2009年9月23日は「チーム編成」の「直前申請(ジャスト)」当日だ。
その為の準備が色々あるからだ。
書類は凪優のアドバイスもあって不備はないはずだ。
あと、問題があるとすればキンジよね。
チーム入りを引き受けてくれるといいのだけれども。
そこだけが不安だ。
キンジへの説明は白雪と理子が上手くやってくれるだろう。
あたしはそう願うばかりだった。
凪優お手製の朝食を摂り、あたしは準備を整え、スズキ・GSX-R1000(2009年仕様(K9)・キャンディダークチェリー×ソリッドブラック)に乗って新宿警察署に向かう。
ここにやってきたのは勿論ママへの近況報告だ。
ここ最近は時間無制限で話す事ができるようになっていた。
聞いた話によると凪優とその兄である水瀬雄一郎が交渉したらしい。
あたしはその交渉が「交渉(脅迫)」に思えて仕方なかったのはここだけの話である。


丁度いい時間になったので、あたしは新宿警察署を後にしてスズキ・GSX-R1000で武偵高に戻る。
武偵高に戻ったあたしは装備科(アムド)防弾制服(ディヴィーザ)(ネロ)を借り、それに着替える。
その着替え中に理子にセクハラされて理子に制裁を加えたのはご愛嬌である。
理子はキンジを迎えに行く為、別れてあたしは撮影場所である探偵科の屋上でキンジ達を待つ。
暫くして凪優が到着し、白雪と理子と共にキンジが到着した。
キンジと他愛のない話をした後、あたしはもう1人の待ち人を待っていた。
月初めに絶交状態になっていたレキである。
先週の「エクプレス・ジャック」以来音信不通になっていたので凄く心配しているのだ。
一応、申請用紙にはレキの名前が記載してあるが、無駄になるかもしれない・・・・・。
そう思うとポーカーフェイスを保っているものの、内心は不安で仕方がない。
「大丈夫よ。レキは絶対来るわ」
凪優があたしをきゅっと抱きしめた。
おそらく不安になっているあたしを励ます為なのだろう・・・・。
何処がとは言わないが少し息ができない。もうちょっと加減しなさいよ(困惑
暫くして、レキが遅れて登場した。
あたしは安堵で心が一杯になった。
今直ぐにでも謝って和解をしたい。
しかし、周囲の目があるので中々話を切り出せないでいた。
それを既に察していたのかキンジと白雪と理子、それに凪優が後押し(強引)してレキと面向かうことになった。
レキと面向かった直後に急激に恥ずかしくなって顔から火が出るほど紅くなってしまったが、そのお陰?かで本音を言う事が出来て和解出来たんだから、結果オーライて奴よね、これは。
もっと話をしていたかったが蘭豹先生に催促されたので、直前申請(ジャスト)を優先させねば・・・・・。

2009年9月23日 午前11時59分55秒。
あたしが属する「チーム・バスカービル(Baskerville)」が承認され、発足した瞬間であった。


午後からは戦妹のライカ、ライカの戦妹である麒麟、凪優に凪優の戦妹のあかりと共にショッピングに出掛け、休日を楽しんだ。
その後の夕食では、あたしの誕生日会が執り行われ、あたしは凪優お手製の「ももまんキャッスル」を心ゆくまで堪能したのであった。

夕食後にママの弁護士から連絡があり、三度スズキ・GSX-R1000を走らせた。

それから弁護士とママの裁判の準備を済ませて帰ってきたのは夜の11時だった。
あたしは男子寮ではなく女子寮の自室に到着した。
その直後だった・・・・。
珍しく、キンジから電話がかかってきた。
何時もとは違った感じだったので返事を返すときにテンパってしまった・・・・。
キンジとの通話終了後、あたしは緊張しながらも指定された場所・・・・・女子寮地下の温室に向かった。
そして・・・・緊張しつつも薔薇園で待つ事数分。
キンジが到着した。
あたしは何時もどおり振舞おうとしたが、緊張のせいで上手くいかなかった。
そして、薔薇園で修復された跡を見て、キンジとの会話に花が咲く。
「で・・・・用事は何?こんな夜遅くにレディーを呼び出すからには、それなりのご用件でしょうね?」
暫く、語った後に咳払いをしてあたしはキンジに本題を尋ねた。
「11時45分。これもかなり、ギリギリセーフだったな」
が、はぐらかして中々答えを言わないキンジ。
「だから、な・ん・で・す・か」
あたしはキンジの答えにワクワクする顔を必死に面に出さないように必死に抑えつつ、キンジに迫る。
「――今日、誕生日なんだろ」
キンジの言葉に強く肯定するように目を大きく見開いて何度も何度も頷いた。
その後、キンジの質問が続いたが、恥ずかしさが大きく勝ってしまい、1つも言葉で返答が出来なかった。
そして・・・・・キンジからの誕生日プレゼント・・・・指輪を貰った。
しかも・・・・キンジが指輪を嵌めてくれたのは《《左手の薬指》》。

異性からの夜の呼び出し+プレゼントが指輪+左手の薬指に嵌めてくれた

この数式の答えが成り立つのはすなわち・・・・・《small》(求婚!?)《/small》
そう思ったら平常心が行方不明となっていた。(当然)
テンパった結果、後ろのミニ噴水に足を引っ掛けてピンポイントに頭から落ちた。
一瞬でパニクったあたしはそのまんま溺れてしまった。
その後、キンジに助けられたが、意識がグッバイしかけていたのでよく覚えていなかった。
だけど・・・・先週の修学旅行(キャラ・バン)Ⅰで理子が言っていた通り・・・・・いや、それ以上の事が現実となった。
その確信だけは忘れていなかった。・・・・いや、あたしは忘れる訳にはいかないのだ。

あたしが17歳になった日。
この日の思い出をあたしはずっと忘れない。
それが例え、どんな事があろうとしても・・・・・。

Fin… 
 

 
後書き
また遅刻組になってもうた。(当時)
原作に合わせたらえらく先の展開の話になってもうた・・・・・。

本編の追いつくのを気長に待っていて戴けると幸いなの。

また次回お会いしませう。ではでは。 
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