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ラブドライブ!〜女神の守り人〜

作者:希ー
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  1 笑顔と笑顔で物語は始まるのか?

 
前書き



原作突入!!←


因みに今回からサブタイトルはドライブ風になっています。
今回のサブタイトルは……分かる人は分かりますよね?←


今までと比べると少し短めですが、どうぞご覧下さい!
 

 














––––あなたはだぁれ?––––











––––わたしは……–––











––––ねぇ––––










––––わたしと…………





















「起きろコラ」
「ゴフゥゥゥゥゥゥゥゥッ!?」


 眠っていた俺・江本タカユキの腹に、エプロン姿の高田ユウキの踵落としが容赦なく叩き込まれた。



「ゲフォッ!ゲフォッ!ユ、ユウキ!?殺す気かよ!?」
「黙れ。わざわざ朝飯作ってやったってのに何時迄も起きん貴様が悪い。さっさと降りて来い」


 そう言ってユウキは部屋を出て行く。でも起こすならもう少し優しく起こしてくれよ……。


《大丈夫か、タカユキ?》
「あ、ああ…なんとかな……」


 俺はベルトさんに返事をしながらベッドから立ち上がる。
 それにしても…なんか変な夢だったなぁ…。

 そんなことを思いながら、俺はカレンダーを見た。今日は4月5日……音ノ木坂学院の入学式の日である。











____________________












「うっすタカユキ。おっはよー」


 リビングに降りると、久米野タケシが朝食を食べていた。


「おはようタケシ。……相変わらず凄い量だなタケシとユウキは……」

 取り敢えず、まず驚くのはユウキとタケシの前にある朝食の量だ。2人共、一体どれだけの卵を使えば出来るのか?っていう量のスクランブルエッグをパクパクと食べている。


「普通だろ?これくらい」


 そう言ってユウキはこれまたブリくらいの大きさはあろうかというフランスパンを手に取り、金色の髪の魔物の子の様に頭から丸齧りしていく。あれですか?君はやさしい王様でも目指すんですか?だったら俺のことを優しく起こして下さい。


「俺は軽めで頼むよ…」
「ならこれだな」
「…………丼大盛りは軽めじゃねぇ」









「…よしっ」


 朝食を終えた後、俺は制服に着替え、通学鞄を持って靴を履き、玄関に立っていた。


「悪りぃ!待たせたな!」


 タケシが鞄を持って階段から降りて来た。


「んじゃ、行こうぜ」
「ああ」


 俺達は扉を開けて外に出た。因みにユウキはもう既に学校に向かっている。普通入学式の日って一般の生徒は休みなのに、アイツ委員会とか入ってんのかな?


「戸締りOK!」
「うおっ!?びっくりした!?」
「しゃッ!行くぜ行くぜ行くぜ!!」
「おおっ!?ちょ、タケシ!?」


 タケシは俺の腕を掴んで走り出した。そんな速く走ったら転ぶってぇ〜!?













__________________________











「これで必要な資料は全部ね…。ユウキの方も終わった?」
「ああ…」
「2人共お疲れさん♪入学式まで少し時間あるからゆっくりしよっか」


 そう言って東條が、俺に紅茶を、絢瀬にコーヒーを持って来て目の前に置いてくれた。


「いや、俺はパスだ……」
「え、ユウキ君…」


 俺は立ち上がって生徒会室を出ていく。2人の視線を背中に感じながら……。








 あの日以来、俺はこの学校の連中とは少し距離を置いている。特に東條、絢瀬…そして矢澤とはな…。

 理由は…まず、あの一件の様に転生者がこの世界の人間と手を組んでコチラ側に危害を加えてくる可能性もある以上、他者との関わりを持つのは好ましくないという事だ。そして誰が転生者か分からない以上、他者との関わりはそもそもが危険だという事でもある。下手な行動は自分だけでなく、周囲も危険に晒す事になり兼ねない。





「高田君」
「ッ、理事長……」


 自分の名を呼ばれたので振り返ってみると、そこには南理事長がいた。


「丁度良かったわ。今から生徒会室に呼びに行こうと思ってたの」
「俺をですか?それだったら放送で呼び出した方が早かったのでは?」
「大事な話だから直接呼びに行った方が良いかなって思って。それに放送で呼び出しされるのって、余り良い気分じゃないでしょ?」
「……理事長に直接呼びに来られて連行されるのも良い気分ではありませんが」
「あら?私みたいな年上とのデートは嫌かしら?」


 何を言っているんだこの人は?俺が怪訝な目を向けていると、理事長は微笑む。


「フフッ、それじゃあ理事長室まで来てもらえる?……この学校に関する大切な話なの………」



 そう言った南理事長の目は真剣に…そして少し寂しそうにも見えた…。














 俺は知る事になる。この音ノ木坂学院の現状を………。
 そして、それは俺のこれからの在り方を決めるモノでもあった。









__________________________









「皆さん、御入学おめでとうございます」



 俺・久米野タケシは体育館で入学式の真っ最中だ。現在は理事長が挨拶をしている。因みに隣りには花陽が座っている。


「にしても……」


 俺は周りを見渡した。とにかく人が少ない。今回入学して来た1年生は38人。その内男子は俺を含めて11人。それと2年生にも転入して来た男子達がいて彼らもこの式に参加しているが、その数はタカユキも含めて17人…。


「これって経営とか大丈夫なのかよ……ッ?」


 ふと、そんな事を考えていると花陽が俺のことを見ているのに気づいた。


「何だよ、花陽?」
「なんかタケシ君が、珍しく考え事してるなぁ…って思って…」
「珍しくは余計だ珍しくは」
「ご、ごめん……!」


 花陽が申し訳無さそうに顔を下に向ける。側から見たらその様子は、俺が花陽を虐めてる様に見えるみたいだ。なんか周りからの目が怖い。特に2つ程の恐ろしい視線を感じるんだが……。


「い、いや、花陽!?俺怒ってないから顔上げ………」


 俺はふと壇上の方に目をやった。そこには金髪の3年生が立っていた。どうやら生徒会長らしい。その生徒会長と目が合ってしまったのだ。




 あ、これ完全に目付けられたな……。











________________________











「ふふーん♪」
「どうしたのよお姉ちゃん?ニヤニヤして…」
「だってだって!今日から1年生が来るんだよ!てことは穂乃果に後輩ができるんだよ!そして明日には会えるんだよ!楽しみだなぁ〜♪」


 私は高坂穂乃果!今、家の居間でゴロゴロしてるんだけど、物凄く幸せな気分なんだ!だって後輩ができるんだよ!「きゃー!高坂先輩かっこいいー!」とか、「高坂先輩頼りになるー!」とか言われるのかなぁ?楽しみだよー!


「……なんかお姉ちゃんが何考えてるか分かる気がする…」
「あ、そうだ!タカユキ君にも教えてあげよーっと」


穂乃果はタカユキ君にメッセージを送った。”穂乃果に後輩ができるよ!”ってね


「タカユキ君…って確かお姉ちゃんが水掛けた男の人のこと?本当に迷惑掛けるの好きだよね、お姉ちゃん」
「うん、そうだよ………って水掛けたことはちゃんと謝ったからいいじゃん!?」
「はいはい。で、お姉ちゃんはそのタカユキさんのこと好きなの?」
「え、ええっ!?」


 妹の雪穂に言われて穂乃果は顔が真っ赤になってしまった。


「べ、別に!?私はそんなつもりは…それに……ッ」


 穂乃果があたふたしていると、1通のメッセージが着た。タカユキ君からの返信だ。内容は“おめでとう!これから楽しもうね!”っだって!


「………うん!楽しもう!」






 私はこれから始まる学校生活が楽しみで仕方がなかった。笑顔で始まる毎日に胸を踊らせていた……。



 だからこの時はあんな事が起こるなんて思ってもいなかった……。











___________________________












「返信完了っと」


 帰り道、俺は穂乃果ちゃんから着たメッセージに返信をしていた。


「なんだよタカユキ、もしかして彼女か?」


 隣りで茶化す様にタケシが絡んでくる。


「違うよ、友達だよ友達」
「んだよ、つまんねぇなー」
「女の子の話題が欲しいならユウキに聞けよ」
「それはなんか嫌だな」
「あ、その気持ち分かるわ」


 そんなくだらない会話をしながら、俺達は帰り道を歩いていた。これからこんな感じの毎日が始まるって考えると…なんか楽しみだな。


「きっと良いことあるさ」
「あ?いきなりどうした?」
「何でもないよ。ほら、さっさと帰ろう」



 俺はタケシの背中を叩き走り出した。

 明日には穂乃果ちゃんやことりちゃん、そして海未ちゃんとも会えるかもな。そう思うと俺は更に楽しみになってきた……。








 だからこの時は考えていなかった。明日、学院に言い渡される事を。俺に降り掛かる試練を……。





-

 
 

 
後書き
と言った感じで、まずは1話終了です!

原作突入とか言いましたが、ラブライブ!の1話直前の話というイメージで書きました←
これから少しずつ、物語は進んでいきます。


それでは感想、質問、ご意見、その他色々お待ちしております!
 
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