| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ラブドライブ!〜女神の守り人〜

作者:希ー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

転生した彼らは何の為に生きるのか?
  Last 3 count Before

 
前書き


・転生者

一度命を落としたが、神の力によって別人として自分の世界に、又は元のままか別人で別世界に甦った者の事をいう。転生者は通常の人間よりも高い身体能力を持ち、何かしらの特殊能力を持っている者もいる。また、転生者には精神面に置いて異常な者が多いらしい。以前の記憶を持っている者もいれば、失っている者もいる。尚、転生そして転生者に関しては謎な部分も多い。ラブライブ!の世界に転生した者達はロイミュードに変身する力を得ている。それを撃破する為に、タカユキ、タケシ、ユウキの3人は転生させられた







その理由も解らず


 

 















 さて……ドライブは倒れた。俺達の力の前にな…。そして今、ナイトがトドメを刺す為にドライブ=江本タカユキに剣の鋒を向けて迫っていく。

 コレでまずは1人だ。残るはマッハと名乗るライダー…そして死神と呼ばれる者……。前者の正体は既にリサーチ済だ。奴は正体を隠すのが下手だったしな。だが、後者は戦闘能力については少しあるが、正体については情報が無い。徹底して正体を隠しているとは、侮れんな……。まぁ、コイツが死ねば、嫌でも出てくるだろう。

 ナイトの剣が振り上げられた。そして真っ直ぐに奴めがけて落ちていく……。










《シューター!》





 銃声が鳴り響き、ナイトの身体から火花が散る。



「ッ……貴様は…」
「んだテメェはァァッ!?」


 ドリルが怒りの声を上げ、削岩機を向けるその先に居る戦士……。

 俺はコイツを知っている。観察対象の1人だからな。ま、もう観察し終えた個体で取るに足らん相手…。久米野タケシ…仮面ライダーマッハだ…。









_________________________








「オワァッ!?」


 奴らの隙をついてどうにか救い出したタカユキを肩に抱え、走って逃げる俺だが、ロイミュードの放った斬撃が足下に炸裂して吹っ飛んだ。

 痛ゥ……え?トライドロンかライドマッハーで逃げろって?俺もそうしたいのはやまやまなんだが……。






「フンッ!」


 なんかゴツいロイミュードがトライドロンを抑えてるんだよ…。そしてライドマッハーなんだが……。






 あの鎧みたいな奴にぶっ壊された……。

 いや、びっくりだよ。剣の一振りで吹っ飛んで煙り上げて壊れちまったんだから…。最悪だ…。今度ユウキに直してもらお……。


「でも、その前に…どうやって、こっから逃げるかだな…」


 俺は再び立ち上がってブーストイグナイターを押しまくった。


《ズーット!マッハ!》


「ちょいとキツイかも知んないけど、我慢してくれよタカユキ…」



 俺は思いっきり加速して走り出した!







 だが……。



《タケシ、前だ!》



「ッ、何ッ!?」
「逃がさん……」


 あの鎧みたいなロイミュードが立っていた。俺のスピードに追い付いただと!?

 鎧野郎は俺の胸に拳を叩きつけやがった。


「ガァッ…ッ!?」


 俺は思いっきり吹っ飛んでアスファルトに転がる。タカユキも落としてしまった。


《タケシ!?》


 タカユキに装着されているベルトさんが叫ぶ。


「クソッ…やってくれんじゃねぇか…この鎧野郎!」


 俺はフラフラと立ち上がりながら鎧野郎にゼンリンシューターの銃口を向ける。
 逃げんのは辞めだ!この野郎…絶対ぶっ飛ばしてやる…!ココに居るロイミュード全員倒せば、タカユキ担いで悠々と帰れるしなァ!


「追跡!以下略!かかって来やがれロイミュード共!」











「ハァ…ハァ……ゴフッ…!?」


 俺は気を失っているタカユキの側で膝を地面に着き強制変身解除され吐血した。

 コイツら……強過ぎだろ…!?
 連携が半端ねぇ…付け入る隙が全然見当たらねぇ…。しかもオブ…なんとかとか言うロイミュードの話によると、俺の力は解析済みだとよ…。何だよ、そんなのありかよ…?俺に勝機0じゃねぇか……。


 このままじゃ……殺られる…!?



 俺がそう思った時だった。俺達の前に誰かが降り立った…。



 黒と紫の鎧……。
 魔進チェイサー…ユウキだ…–––––


 チェイサーが左腕を挙げると複数のシフトカーが現れ、ロイミュード達に突撃をしていく。




「チッ!?邪魔だァァァァッ!!」


 ロイミュード達が混乱している隙をついてチェイサーは俺とタカユキを引き摺って物陰に走っていく…。
 せめて担いでくれよ…。










_______________________________








「全く…」


 俺は変身を解除してボロボロで転がっている2人を見た。クリムから報せを聞いて来てみればこの様か……。

 物陰から顔を出して覗くとその先には、ロイミュード達が俺達を捜している。必死だな…余程俺達を始末したいという事か……。ま、解らんでもないが。

 逃げようにも、易々とは逃げれんだろうな。ライドマッハーが破損している以上、ライドクロッサーは使用出来んし、トライドロンもロイミュードの攻撃で破損しているだろうしな。
 ………帰ったら修理か…面倒くせぇな…。


「お、おい…どうやって逃げる…?」


 タケシが肩の傷を抑えながら、俺に尋ねてくる。


「逃げるにも、この状況じゃなぁ…。それに、向こうには俺達の力を知り尽くして、そいつをリークした野郎がいるんだろ?オマケに30番代の数字が居る……最悪じゃねぇか。正当法で挑んでも勝つのは難しいだろうな…」
「ううぅ…確かに……。でも、このまま大人しく殺されたら堪ったもんじゃねぇぞ…?」
「解ってる……。要は正当法じゃなきゃ良いんだよ……」


俺はそう言って、ある物に目を向けた…–––––










_________________________________










「クソッ!何処行きやがった!?」
「落ち着け。そう遠くには行ってない筈だ…」



 荒れるドリルを宥めるアサルト。俺、オブサベイションは右肩に着いているカメラを使って逃げた仮面ライダー共を捜している。アサルトの言う通り、遠くに逃げるのは不可能だろう。マシンは破損。チェイサーが2人を担いで逃げようものなら、直ぐにナイトの餌食となる…。

 奴らは八方塞がり……。打開策等与えはしない…。


 ん…?





「お!出て来やがったな!」


 歓喜の声を上げるドリル。その先にはコチラに歩いてくる1人の戦士がいた。
 まだ息の有るマッハか…それとも死神か………ッ!?


「馬鹿な…!?」
「何!?」
「テメェ!?何で!?」
「ほぉ…」


 俺、アサルト、ドリル、ナイトは歩いて来る戦士を見て驚愕した。何故ならそれは、先程重傷を与えた筈のドライブ=江本タカユキだったからだ。

ドライブはまるでノーダメージだったと言わんばかりに、悠々と歩いて来る。……まさか…。


「テメェ!?何でピンピンしてんだよッ!?」
「落ち着けドリル。マッドドクターというシフトカーが有る事を忘れたか?」
「ああァ?」
「おそらくそのシフトカーを使って死神が傷を治療したのだろう。最初に江本タカユキを治療して、次は久米野タケシ…。そうやって3人で俺達と戦うつもりなんだろう。奴が出て来たのは久米野タケシの治療の時間を稼ぐ為…。治療中に攻められたら堪らんだろからな…」


 成る程……。戦力を揃えた上でぶつかろうという事か。それとよく見たら、姿はタイプスピードだがタイヤはタイプスピードの物ではないな。初めて見るものだ…。だが、無駄だ。どの道、貴様らに勝機など無い。力の知れた貴様らにはなァ……。


「復活したのなら、もう一度潰す迄…!!」
「ヒャァァッ!!殺って殺るぜェェェェェェェェェッ!!!」


 アサルトとドリルが突っ込んでいく。ドリルは狂った様に腕の武器を振り回す。破壊衝動を抑えられない戦闘狂…。何処までも狂った奴だ…。ナイトは剣を構えて離れた位置からドライブを見据えている。


「ヒャァァァァァッ!!」


 ドリルの右腕が突き出された。ドライブはそれを横に動いて躱し、ドリルの背に蹴りを入れる。そして次に突っ込んで来たアサルトを飛び越えて躱す。その隙を狙ってナイトが剣を振るった。だがドライブはそれをバク転して回避……。




 おかしい……。なんだ、この違和感は…?


 俺は少し離れた位置からドライブの戦いを見て思った


 奴はナイト達の攻撃を軽々と往なし、カウンターを放ってくる。こんな戦い方…観察したデータには無かった筈……。この短時間で覚えたというのか?

 いや、それは有り得ない……。だが、そうとでも言わないとまるで別人としか………。








 別人…?





 まさか…!?







「気をつけろッ!!?」


 俺はナイト達に向かって叫んだ。


 その時だ。奴はタイヤを境に分離をした。そして上半身の頭部と右腕の部分が地面に吸い込まれるように消えていく。残った左腕と下半身の部分は剣を手にナイト達に攻撃を仕掛ける。

 ナイト達は混乱して連携が乱れている……。間違い無い…奴は……。








江本タカユキじゃない–––––




《ドリフトカイテーン!》


 俺がそう思った時、ドライブは俺に向かって剣を投げてきた。


「クソッ!?」


 俺は身体を反らしてそれを回避した……。だが……


「––––ッ!?まさか…!?」


 俺の後ろには、奴の上半身があった。その右手には先程奴の下半身が投げた剣が握られている……。

 嵌められた……。そう思った瞬間、俺の身体は真っ二つになり爆散した……––––––––












 俺はコアの姿となった…。

 だが、バイラルコアさえあれば俺は復活出来る…。機械の肉体になるのは気に食わんが………ッ!?








––––––跳躍したドライブの下半身がオブサベイションのコアを蹴り砕いた…。













___________________________










 私はベルトだ。ユウキの奇策によってロイミュード達からの逃走に成功した私達は今、ドライブピットにいる。


 彼の奇策と言うのは…。



************




《な、何のつもりだユウキ!?》


 ユウキはタカユキから私を外し、自身に装置した。


「おまっ、何やってんだよ!?」
「ドライブドライバーが”タカユキ専用”だなんて、誰も言ってないだろ…?」


 タケシは彼の言葉に驚いて目を開いている。だが確かにその通りだ。ドライブやマッハには、高い身体能力を持つ人間なら変身出来る。ユウキなら何の問題も無い。

 ユウキはキーを回して、シフトスピードを手にした。


「クリム、まだ使用して無いシフトカーは何だ?」
《ディメンションキャブくらいだ。他は一通り使用している。それらが観察されているかどうかは解らんが…》
「そうか……ッ」

《DRIVE!type SPEED!》


 ユウキはシフトスピードをシフトブレスにセットして変身。そしてその手にディメンションキャブを握る。

《タイヤコーカン!》
《Dimension CAB!》


 ユウキが変身したドライブはディメンションキャブにタイヤ交換をし、ロイミュード達に向けて歩き出した……––––




************





 という事だ。オブサベイションは“タカユキが変身したドライブ”の情報しかない。その為、“ユウキが変身したドライブ”の動きには対応出来なかったのだ。更に今迄使用して無かったディメンションキャブを使ったのだ。それがロイミュード達を混乱させたのだろう。

 ユウキはオブサベイションを撃破し、そしてその混乱に乗じて我々は逃走する事が出来たのだ。

 重傷を負ったタカユキはユウキの治療を受け、長椅子の上に寝ている。タケシも今、ユウキの治療を受けている。


「イテテテテッ!?も、もうちょい優しく頼む!?」
「うるせぇ…オラよッ」
「イデェッ!!?」

《何とか乗り切ったとはいえ…コレからどうするか…?》
「どうもこうも、タカユキは色々やり辛くなるだろうな」
《確かに…》


 ユウキの言う通り、タカユキの正体を知っているロイミュードが久瑠間学園にいるというのは非常に厄介だ。それにロイミュード側の正体が解らないとなるとその厄介さは増す。何時、命を狙われる……。


「だから人前で下手に暴れるなと言ったのに…。ライダーの存在は詰まらん噂レベルにするべきだった物をお前達は…」
「ちょ、ちょっと待てよ⁉︎お前“達”って俺も入ってんのか…よ…」


 ユウキの台詞に食い付こうとしたタケシだったが、そんな彼にユウキが数枚の新聞記事を突き付けた。恐らく今日の夕刊だろう。突き付けた記事にはこう書いてある。



【UTX学院に謎の怪物出現!?そして現れた謎のヒーロー!?】
【ヒーロー登場!?その名も仮面ライダーマッハ!!】
【都市伝説の戦士!?仮面ライダーとは!?】


「御丁寧に名乗ったみたいじゃねぇか。しかも堂々と見栄まで張りやがって………。素晴らしいカメラアングルだなァ…」


 顔は笑っているが目が笑っていない。タケシはヤバいと思ったのか、目が滅茶苦茶泳いでいる。


「だ、だろ?いやー、お、俺もどうすれば格好良く写るか、メッチャ考えてなぁ…あははは…」
「あははは………フンッ!」

ユウキはタケシの傷口に蹴りを容赦無く叩き込んだ。タケシは余りの激痛に声すら出せずにもんどり打って倒れ、床でジタバタしている。


「馬鹿が……。まぁ、何れ表には出るだろうとは思っていたが、ここ迄早期になるとはな」
「アガ…アガガガッ!アガガガガガ!アガ!」


タケシが何か言っているが激痛に襲われていて、一切言葉になってない…。私には理解出来ない…。

「うるせぇ、早過ぎなんだよ」


解るのかユウキ!?


「アガガガッ!アガアガ!」
「それを今考えてんだよ…。テメェも脳味噌搾って考えてみろ」
《ユ、ユウキ…?タケシは一体何を…?》

「あ?あー。最初のは“何れバレるのが解ってたんなら、別にいいじゃねぇか”。二つ目は“コレからタカユキはどうするんだ?”っていう事だ」
《な、成る程…。確かにタカユキのコレからは一番に考えなければ……》
「状況が状況だからな……。最悪、奴をドライブの座から外す事も視野に入れんとな…」
「おま!?それ本気かよ!?」


 復活したタケシがユウキの台詞に驚く。私も今のユウキの台詞には驚いた。しかし、冷静に考えれば、それが一番かも知れない……。


「本気だ。コイツの正体がバレている以上、俺らにも被害が来る可能性が有る。そうなれば、μ'sを護る処の話ではなくなる。どの迄広がっているか解らんし…」
「な、なら、お前がドライブになってタカユキがチェイサーになれば…」
「現在、転生者共から一番危険視されているのは魔進チェイサーだ。コアを破壊しているからな。そんな物に詰めの甘いコイツを変身させてみろ。直ぐ正体バレて殺されちまう」
「ううぅ…確かに……」
「今直ぐではない。少なくともナイト、ドリル、アサルトの3体と久瑠間学園に残る最後の1体のロイミュードを撃破した後だ。でなきゃタカユキは、奴らからの自衛手段無しだからな。そしてその後はドライブの座を剥奪して隠居…と言った所か…。ま、この件は慎重に進めんとな…」


 そう言ってユウキはドライブピットを出て行く…。タケシも一度タカユキを見た後、ドライブピットを後にした……。









_______________________________











「ふぅ……」


 俺=ユウキは溜息を吐き、シャツを脱ぎ捨て自室のベットに転がった。


 何だ、この違和感は…?
 余りにも妙な所が多い……。


 ロイミュード……。奴らと何度も戦った中で感じた違和感……。まず何故、重加速現象を起こさないんだ?重加速こそ、ロイミュードの最大の特徴と言えるだろう。だが今迄戦った奴らはそれを一度も使用していない。

 使用に何らかの制限があるのか?それとも単に今迄戦った奴らが使用していないだけなのか?

 以前、俺達が重加速を起こせるかを試してみた際は使用出来た。更にチェイサーには重加速を打ち消す力がある事も分かった。この能力は使い方次第では役に立つだろう。


 そしてそれ以上に気になるのは何故“ロイミュード”何だ?


 転生者が得た力。それが何故、全てロイミュードなのか?恐らく現段階で、コレが最大の謎だろう。

 転生者達は望んでロイミュードとなった……コレは考えられない。外付けの能力とはいえ、望んで化物になりたいと言う奴はそうそう居ないだろう。

 重加速が使えるから?だったらドライブやマッハを希望する筈だし、そもそも奴らは重加速を使っていない。。

 ならば強制的にロイミュードにされた?この仮説にも引っかかる点がある。強制的にロイミュードにされたというのなら、それを実行したのは神と考えるのが自然だ。だが、幾ら神が考え無しに“ラブライブ!の世界”に転生させまくった奴とはいえ、怪物をぶち込む様な真似はしないだろう。

 それに奴は「108人が怪人になる力を手に入れてしまった」と言っていた。つまり、その力は転生した時点ではなく、後から得た物という事だろうな……。


「神が嘘を吐いてなければの話だが……」



 何にせよ、この他にも引っかかる点があり過ぎる。一体何なんだ…?俺は……。








–––––––何と戦うんだ?










___________________________





「はぁ……」


 俺=タケシは自室のベットに座って溜息を吐いた。

 とりあえず今、俺が一番ヤバいと思っているのは花陽の事だ。アイツにUTXを受ける事を後押ししてしまった…。

 花陽の成績は結構良いから、多分普通に合格出来ると思う。そうなったらμ'sは永久に結成されないという事になる。それはつまり、俺達の知っている“ラブライブ!”という物語が始まらないという事だ。

 こんな事話したら、絶対ユウキに殺される……!ヤバい、震えが…!

 でも今更、花陽にUTXの受験を辞めてくれ何て言えないし……。

 でもこのままだと、この世界は変わってしまうし……。



 花陽の代わりに誰かをμ'sに入れるか?いや、花陽の代わり何て絶対に見つからないし、そもそも居ないだろう。

 あの9人だからこそμ'sなんだ。
 誰の代わりも居ないし、欠けてもならない……。なのに……


「あー!チクショウ!」


 この世界の在り方守る為に花陽が折角決めた目標を潰すのか?花陽の目標を達成させて世界を潰すのか?俺は……。











––––––何を守れば良い?









___________________________







「ううぅ……っ…」


 俺=タカユキは目を覚ました。身体には強烈な痛みがあるが、構わず起こす。そして辺りを見回した。


「ドライブピット………何で…?」
《ユウキとタケシが、タカユキを救出したのだ》
「ベルトさん…」
《治療は終えている。命に別状はない。身体的な後遺症もないそうだ》
「そう…か……」


 俺は視線を落として包帯の巻かれた身体を見た。

 ボロボロだ……。そして無様だ。
 まるで歯が立たなかった。自分の無力差を徹底的に感じさせられた。そして自分の限界も……。


「なぁ……ベルトさん…」
《……何だ?》
「ユウキ達、何か言ってたか?」
《………久瑠間学園には、あのロイミュード達がいる。だから、正体がバレているタカユキが学園内で命を狙われる可能性は高い。そしてタカユキの正体がバレているのならユウキやタケシにも何らかの被害があるかも知れない。…………だから最悪…久瑠間学園での任務終了後、タカユキにドライブの座から降りてもらうかも知れない…と》
「………そうか」
《…余り驚かないんだな》
「ユウキなら、そう言いそうだし」

 アイツは物事に置いて、どうすれば被害を最小限に抑えられるかを考えている。そこに余計な情は入れない……いや、実際は入れている。多分アイツは直ぐにあの3体のロイミュードを撃破する為に動くと思う。……俺やタケシに危害が加わらない様にするに……。アイツは本当は優しい奴だ。ただ不器用で、その優しさはなかなか通じない…。多分、俺やタケシくらいだろうな、解るのは…。

 それにタケシも、きっと動くだろう。アイツは友達思いの熱い奴だ。真っ直ぐで、誰かのヒーローである為に必死で戦っている。自分がどんなに傷付いても、それは変わらない。誰かを守る為に戦う強さをアイツは持っている…。




「……何やってんだ、俺?」


 μ'sを守るとか言った癖に、今の状況は何だ?2人に迷惑かけて、2人に守られてるじゃないか?きっと2人は気にすんなとか言ってくるだろうな…。

 このままで良い訳がない…。でも、俺に何が出来る?


 俺は弱い……心も…身体も…。
 今迄戦って勝てていたのは、相手が俺よりも偶然少し弱かっただけ…。ドライブの性能が、奴らの性能を上回っていただけ…。
 俺の実力なんて、たかが知れてる…。

 ドライブに変身出来なくなれば、更にアイツらに守ってもらう事になる……。



「何処までお荷物なんだよ…俺は……」


 覚悟は決めたと思っていた。でも、そんな事は無かった。自分の弱さに吐き気すら感じる。俺は……。








––––––何の為に変身する?









__________________________













 そして3人は同じ事を思う––––









–––––何故、俺達何だ?








 
 

 
後書き
一括で段落下げなどの編集が出来る機能が欲しい……。
なかなか伸び悩んでて少しやる気を無くしかけてる私であります←


序章も残す所あと4話となりました。原作突入までもう少し!
3人は残された時間の中で答えを見つけられるのか…?

原作突入までラスト3カウントとなりましが、暖かい目で見守って頂けると幸いです。

ご意見、ご感想、質問、その他お待ちしております 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧